経済ニュースにしばしば登場する「いざなぎ景気」の概要と由来

2018年12月13日内閣府は、景気動向指数研究会の調査結果として下記のコメントを出しました。

「2012年12月から続く景気拡大期間が高度成長期のいざなぎ景気(1965年~70年)を超え、昨年9月で戦後2番目の長さになった。」

さて、経済番組や教科書でもよく登場する言葉、「いざなぎ景気」。この言葉は、一体何なのか?その概要と由来を詳しく調べてみました。

いざなぎ景気の概要と由来を調査する

辞書を調べてみると、

1965年(昭和40年)11月から1970年(昭和45年)7月までの57か月間続いた高度経済成長時代の好景気の通称。

と書かれています。

気になる「いざなぎ」とは、どの様な意味を持つのか?というと日本列島を作ったとされる男神“伊弉諾尊(いざなぎのみこと)”に由来する様です。

イザナギノミコト
出典:Wikipedia

”なぜ、いきなり景気の話に神話に出てくる神が登場したのか?” その理由は、それ以前に神武景気(1954–1957)や岩戸景気(1958–1961)と言う好景気があったからです。

  1. 神武景気(初代天皇の名前)で天皇制始まって以来の好景気があった。
  2. 次に、神武を上回る好景気が来たので、皇室の始祖について書かれた神話「天の岩戸」にまで遡った。
  3. その後更にそれを上回る好景気が来たので、同じく神話の中から日本列島創世の「イザナギノミコト」にまで遡った

ということですね。

いざなぎ景気が形成された二つの理由

いざなぎ景気当時の金沢市
出典:Yahoo

さて57ヶ月続いたといういざなぎ景気は、どんな風に進展したのでしょうか?

【理由1】国債市場がトリガーとなった

1965年 戦後初の建設国債を閣議決定し翌年発行(この前後より、景況感は高まる)日銀の買いオペが開始され、わが国では未整備だった国債市場が開発されました。
個人向けの国債商品も誕生し、
「銀行よさようなら。証券よこんにちわ」というコマーシャルが流行しました。

【理由2】資本自由化措置が行われた

資本自由化とは、国を跨いだ資金移動。大型の海外資本が日本に受け入れも可能になりました。海外巨大資本に飲み込まれない様に、その対抗措置として日本企業同士の大型合併が行われました。

いざなぎ景気の最中に行われた大型合併の例

日産自動車とプリンス自動車 → 現:日産自動車
第一銀行と日本勧業銀行→第一勧業銀行→現みずほ銀行
日商と岩井産業→日商岩井→現双日株式会社
富士製鉄と八幡製鉄(1970年4月)→新日本製鐵→現新日鉄住金

いざなぎ景気の最中におこった社会現象とヒット商品

出典:海野電気

3Cという言葉が流行した

  1. トヨタカローラや日産サニーなど、低価格で高性能のいわゆる大衆車が発売されマイカーブームが起こりました。(Car)
  2. 景気突入前に開催された東京オリンピックが端緒となり、カラーテレビの普及が開始しました。(Color)
  3. 都市部の中高層の集合住宅で一般化したクーラーが、全世帯で普及し始めました。(Cooler)

上記の頭文字をとって、3Cとか新・3種の神器という言葉が生まれました。

出典:無印良品

ベトナム特需とGNP世界第2位へ

ベトナム戦争の長期化で、重工業を中心として特需が発生しました。最盛期(1966~68)には年間30億ドル以上といわれ、直接特需(航空機・艦艇修理)のほか間接特需(韓国、シンガポールなどベトナム参戦国家における現地生産)も発生しました。その結果、日本の国民総生産(GNP)は世界第二位となり、米国に次ぐ経済大国になりました。

いざなぎ景気を象徴する出来事「大阪万博」

出典:万博記念公園

この好景気を象徴する出来事は、何と言っても大阪万博(1970年3月15日ー9月13日)です。世界77カ国が参加し、「人類の進歩と調和」をテーマに開かれた大阪万博は、総来場者数は延べ6500万人。国民の二人に一人は見た計算となる正に国家的イベントでした。この大イベントの終了と同期する様に、いざなぎ景気は終了します。

いざなぎ景気をもっと知りたい方に役立つ書籍など

いざなぎ景気をもっと深く知りたい方のために、筆者がオススメの本をご紹介させていただきます。

城山三郎著:官僚たちの夏
出典:AMAZON

いざなぎ景気当時の通産省(現:経産省)も舞台となっており、キャリア官僚たちが、経済政策を決定していく様が描かれています。先程、紹介した3Cが普及していく裏側で、官僚たちがどの様な支援や助言を財界に行ったのか?又は政策決定するために、どの様な活動を政界に行ったのかが克明に描かれています。

出典:AMAZON

映像化は何度もされていますが、筆者のオススメはTBS版。主演の”ミスター通産省”と呼ばれた男・風越信吾役には、佐藤浩市さん。通産大臣を経て総理大臣になった池内信人役には、北大路欣也さんがキャスティングされています。半沢以前の堺雅人さんも部下役で出演しています。

今日の、報道を見る限り戦後2番目と言われる景気拡大の真っ只中。それを実感できないのは、私だけなのでしょうか?それとも、一部の富裕層だけが実感できることなのでしょうか?。

それでは、又お会いしましょう。

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