平均乗車率24% どうなる北海道新幹線の今後の見通しと改善施策

3月13日の報道で北海道新幹線の2018年4月から2019年2月までの平均乗車率が24%と言うショッキングな結果が報道されています。難工事の末に開通させた青函トンネルに代表される様に、北海道民の悲願と言われた地上での本州とのアクセス。その歴史的偉業を成し遂げた末の、予想を大幅に下回る業績。そこで北海道新幹線の現状と今後の見通しと改善施策を考えてみたいと思います。

北海道新幹線をおさらい

出典:wikipedia

北海道新幹線の概要

在来線との共用路線(三線軌条)
出典:Wikipedia

青森県青森市から北海道旭川市までを結ぶ計画の高速鉄道路線(新幹線)。青森市から北海道札幌市までの区間は整備新幹線5路線の一つ。新青森駅 – 新函館北斗駅間が2016年(平成28年)3月26日に開業。運行はJR北海道が行なっている。東日本旅客鉄道(JR東日本)が管轄する東北新幹線と接続して相互直通運転を実施。主要客は、JR東日本管轄の顧客とされている。故に東北・北海道新幹線または北海道・東北新幹線と総称されることが多い。

列車愛称

はやぶさ

E5系
出典:wikipedia

東京駅・仙台駅 – 新函館北斗駅間で運行される列車。使用車両はE5系・H5系。全車指定席で東北新幹線内の大宮駅 – 仙台駅間ノンストップ。宇都宮駅 – 盛岡駅間では最高速度320km/hで走行する。

<現在の運行状況>
  • 東京駅 – 新函館北斗駅間直通列車:10往復/日
  • 仙台駅 – 新函館北斗駅間直通列車:1往復/日

はやて

H5系
出典:Wikipedia

盛岡駅・新青森駅 – 新函館北斗駅間で運行。全車指定席。使用車両はE5系・H5系。東北新幹線盛岡駅 – 新青森駅間及び北海道新幹線は整備新幹線の扱いで最高速度は260km/h。

<現在の運行状況>
  • 盛岡駅 – 新函館北斗駅間直通列車:1往復
  • 新青森駅 – 新函館北斗駅間運転列車:1往復

沿革

出典:北海道新幹線建設促進小樽期成会

  • 2005年(平成17年)5月22日に新青森駅 – 新函館北斗駅間 (148.8km) が着工。
  • 同区間が2016年(平成28年)3月26日に開業
  • 新函館北斗駅 – 札幌駅間は当初2019年開業を目標としていたが、トンネル貫通工事に巨額の費用が要する事が判明したため2031年開業に延期
  • 計画区間は青森市から旭川市までであるが(後述)、札幌市 – 旭川市の区間は未だ基本計画のみで実施要綱の提示に至っていない。

主要拠点間の所要時間・速度・距離とそれに関わる諸問題

北海道新幹線 札幌駅位置問題
出典:abhp.net

  • 2016年の新青森 – 新函館北斗間開業時点では、新青森 – 新函館北斗間を最短1時間1分、東京 – 新函館北斗間を最短4時間2分で結ぶ
  • 2019年3月16日以降は新青森 – 新函館北斗間を最短57分、東京 – 新函館北斗間を最短3時間58分で結ぶ予定
  • 札幌まで開業した場合、新青森 – 札幌間が2時間7分、東京 – 札幌間が5時間1分の所要時間と想定されている。
  • 試算前提を360km/hとした場合、東京 – 札幌間が3時間57分で往来できる様になるが、近隣対策などの法的規制をクリアできる可能性は未知数である
  • 開業している新函館北斗までの区間は整備新幹線であり営業列車の最高速度は260km/hに制限される。但し、更に在来線との共用区間では140km/h(2019年3月16日以降160km/h)に制限される。因みに東北新幹線では、宇都宮駅 – 盛岡駅間で320km/hである。
  • 路線の7割がトンネル区間でスマートフォン・wifi共に圏外となる。通信可能とするには、トンネル内部に光ファイバーの敷設が必要

北海道新幹線の今後の見通し

出典:朝日新聞

苦境が伝えられる北海道新幹線。識者や関係団体から、様々な今後の見通しが述べられています。しかし、一様にその前途は厳しいとの見解が…。

増大する経営赤字と経営母体JR北海道の弱体化

出典:日経新聞

財務省が2018年4月に発表した2017年度北海道新幹線の営業赤字は100億円超。辛うじて事業継続の評価はなされたが、開業前想定の赤字予測47億円の倍以上の赤字を計上している。また、様々な不祥事が続いたJR北海道であるが、「北海道新幹線の赤字拡大がなければ、維持困難な線区の営業損失の解消により、経常利益の黒字化が見通せる状況であった」と報告されている。即ち、北海道新幹線がJRほか軌道の経営を弱体化させているとの指摘である。また、「このまま北海道新幹線の赤字が続けば、JR北海道の経営状況を一層悪化させ、地域交通の維持にも影響が出かねない」との憂慮もなされている。なお、2019年3月期の同社の決算は551億円の赤字と予測され過去最悪となる見込みで国土交通省から監督命令が出されている・

北海道新幹線業績改善のための施策はあるのか?

出典:K’z Lifelog ~青春18きっぷと乗り鉄のブログ

本件に関しては、非常にネガティブな意見が多い。だが、改善すべき点の指摘はほぼ以下に集約されている。北海道民の悲願として、艱難辛苦の上に誕生した北海道新幹線だけに、何とかしてV字回復してもらいたいものです。

業績改善の施策

JR貨物と新幹線の線路共用に関わる収支の改善

JR貨物が支払った新幹線と共用する線路使用料は20億円。対して貨物列車が走行する線路の修繕費は200億円規模と言われる。コスト相当とは言わないまでも、応分の負担を求めるべきである。

経営安定基金の運用改善

出典:無責任な日本政府 ガーン(Amebro)

民営化時より多数の赤字路線を抱えるが、住民生活の安定日のため運行を已む無くされたJR北海道には、国から経営安定基金が供出されている。想定外の超低金利で現在の運用益は255億円。民営化時の87年度の約半分に落ち込んだと言われている。投資対象の多様化でこの収益を拡大させる施策が必要。JRタワー札幌などの不動産活用成功で定評のあるJR北海道ならば、良策の立案は可能なのではないか?

航空会社との共存共栄

出典:フジテレビ

北海道と本州との旅客輸送の中心は、何と言っても航空機が中心。しかし、それと共存共栄できる施策を、JR北海道が講じたとは言い難い。例えば、東海道新幹線と東京大阪間が何方も好業績をあげている様な、タイムシフトなどのウィンウィンモデルを構築できないのか?航空各社へのアライアンスは、積極的になされているのだろうか?

何れにしても、2031年の札幌延伸以前に新幹線事業破綻という最悪のシナリオだけは回避してもらいたいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事のライター

Kariyazaki

30代。仕事と恋愛に邁進中の中堅ライター。グローバル企業で勤務した経験を生かし、最新のビジネス情報や海外情報にも挑戦中です。

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