今注目の秋田酒!日本酒の伝統と最先端を味わえるおすすめ銘柄に酒蔵をご紹介!

今注目の秋田酒!日本酒の伝統と最先端を味わえるおすすめ銘柄に酒蔵をご紹介!

今、日本酒業界で注目されている地方といえば「秋田」ではないでしょうか。もはや入手困難とまでいわれる「新政」を始めとして、人気の酒蔵と銘柄が揃っています。

ここでは、秋田の酒を味わうならこれ!というおすすめの酒蔵とその銘柄をご紹介します。秋田酒の新たなムーブメントについても触れていますので、楽しいお酒選びの参考にしてください。

秋田の酒とは?

人気の「秋田酒」、その特徴はどんなものでしょうか?秋田といえば連想するものに「秋田こまち」、そう「お米」がありますね。その通り秋田は全国有数の「米どころ」。その米は当然酒造りにも活かされているはずです。

秋田県は古くから酒造りが盛んで、江戸時代には800軒を超える酒蔵があったという記録もありますが、現在では約40軒ほどで全国トップ(新潟県)の約半分、順位ではベスト10の少し下というところです。ただし生産量ではトップ5、さらに消費量ではベスト3に入るという「日本酒好き」の土地柄であることは間違いありません。

秋田県の日本酒はかつては県内消費比率が高く、製造される酒も「一般酒」が多い傾向にありました。しかし近年は、酒蔵を継いだ若き社長が新たな試み・挑戦を果敢に行い、新たな日本酒の魅力とそのニーズを引き出すことに成功しています。特に「NEXT5(ネクストファイブ、後述)」と呼ばれる蔵元5人による活動は、日本酒業界注目のムーブメントになりつつあります。

新政

今、秋田を代表するというより、国内でも有数の人気ブランドになっている日本酒が「新政(あらまさ)」です。

新政は幕末動乱期の嘉永5年(1852年)創業という歴史のある蔵で、現存する「きょうかい酵母」で最古とされる「6番酵母」発祥の酒蔵として知られています。

それほどの伝統蔵ですが、長い歴史の中では幾度もの苦難を乗り越え、平成20酒造年度(2008~2009年)から平均年齢30代前半という社員による醸造体制に変えています。

さらに翌年は使用酵母を「6号酵母系」のみに限定し、その後は「原料米を秋田産のみ」に、さらに「全商品を純米造り」へと移行します。そしてついに平成27年酒造年度より、天然由来の乳酸菌による「生酛系酒母」のみの酒造りとなりました。

酒の販売形態も一般的な一升瓶ではなく、品質管理の観点から四合瓶を主体として販売しています。人気商品の「No.6(ナンバーシックス)」は新政唯一の定番生酒で、本来気温の低い時期のみに出荷される生酒を貯蔵管理体制の徹底と、選別された銘酒専門店だけで扱うことにより通年の出荷を実現したものです。

「No.6」には最上級(eXcellent)の「X-Yype」、上級(Superior)の「S-Type」、そしてレギュラー(Regular)の「R-Type」というラインアップがあり、6号酵母の旨味を堪能できます。その他、秋田酒米の個性を味わえる「火入れ」タイプである「Colors カラーズ」も人気です。

  • 会社名:新政酒造株式会社
  • 住所:秋田県秋田市大町6丁目2-35

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雪の茅舎

「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」も新政に負けず劣らずの人気を集める酒蔵で創業は明治35年(1902年)、秋田県南部の由利本荘市に蔵を構えます。秋田を代表する名杜氏高橋藤一氏の元、蔵人の約半数を農家出身から選び「蔵と米の両方をわかることが大切」というポリシーで醸造を行っています。

秋田を代表する「山内杜氏(さんないとうじ)」である高橋氏が、捩って作った指針が「三無い造り」。櫂入れをしない(山廃造り)、濾過をしない(無濾過)、割り水(原酒)をしないという3原則です。

酵母も協会酵母は使用せず、自家製培養酵母のみ。酵母菌の力が強く旨味を引き出し、フィルターを通さないことでその旨味成分も排除されません。そして(割り水をしない)原酒のままボトリングされるため自然に醸された風味を持って出荷されます。

このようにこだわりの酒造りが現在の人気を作り上げ、今や全国の居酒屋、料理店で最も指名率の高い銘柄のひとつになりました。

  • 会社名:齋彌酒造店
  • 住所:秋田県由利本荘市石脇字石脇53

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山本

「山本合名会社」は、秋田県八峰町で明治34年(1901年)に創業された酒蔵です。昭和40年初期から全国に先駆けて大吟醸酒の出荷を始め、近年では杜氏を廃し代替わりした若き社長の元で蔵人全員で造る酒を志向しています。

平成22年からは純米の特定名称酒のみの醸造に絞り、「酒造りは米造りから」の方針から自社の仕込水を使って酒米を作るという全国的にも例のない試みを成功させています。

長年「白瀑(しらたき)」の銘柄で知られる酒蔵ですが、近年ではセカンドブランドとして立ち上げた「山本」が人気になっています。

品名に「ピュアブラック」や「ミッドナイトブルー」、「ストロベリーレッド」、「フォレストグリーン」に「サンシャインイエロー」など「色」の概念を取り入れたことが親しみやすく、人気の理由となっています。

  • 会社:山本合名会社
  • 住所:秋田県山本郡八峰町八森字八森269

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一白水成

人気ブランド酒「一白水成(いっぱくすいせい)」を醸す福禄寿酒造は、創業が元禄元年(1688年)という老舗中の老舗。一白水成とは「白」い米と「水」から「成」る「一」番旨い酒という思いの込められたネーミングです。

それぞれの酒に向いた酒米を使い、自慢の仕込み水で醸した酒の特定名称酒においては全て「瓶燗火入れ処理」をされています。それにより酵素の働きなどを止め、酒の劣化を防いでいます。

酒米にはほとんどが秋田産で「美山錦」や「秋田酒こまち」、「美郷錦」「酒未来」などを使い分け、これらは大半を地元(町内がほとんど)の契約農家で作っています。酒を造らない期間、蔵人は米作り(通常米)に励む、所謂「夏田冬蔵」を実践しています。

米の旨みがありながらキレもある、バランスの良さを感じさせるお酒です。

  • 会社名:福禄寿酒造株式会社
  • 住所:秋田県南秋田郡五城目町字下夕町48

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刈穂

「刈穂(かりほ)」は秋田県の穀倉地帯である仙北平野、奥羽山脈からの水脈が注ぐ雄物川のほとりにある酒蔵です。周りは肥沃な土壌で酒米の栽培に適した農業地帯になっています。

創業は大正2年(1913年)。嘉永3年(1850年)に建てられたとされる蔵造りの建物を近くの村で酒造を営んでいた創業者が譲り受けて「刈穂」を起こしました。

熟練の杜氏と若手の蔵人、そして女性蔵人のトライアングルによって刈穂の酒は醸されます。蔵周辺の豊かな湧き水を仕込み水とし、伝統の山廃仕込と手間のかかる「全量酒槽(さかふね)しぼり」によって、力強さときめ細やかさのバランスが取れた酒に仕上がるのが特徴です。

刈穂の山廃は低温でしっかりと発酵させるため、余計な苦味等が少ない清廉な味になり、中硬水の水によってキレの良さも加わっています。

山廃純米「生原酒 番外編」は、日本酒度「+21」という超辛口。辛さと旨みの両立した刈穂ならではの一品といえます。

  • 会社名:刈穂酒造株式会社
  • 住所:秋田県大仙市神宮寺字神宮寺275

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ゆきの美人

「ゆきの美人」を醸す秋田醸造株式会社は、秋田市内のマンションの一階が製造工場という珍しい酒蔵です。その分最新鋭の設備を導入して空調温度管理などを徹底、大正時代に普及をみた秋田流の「長期低温速醸法」(25日以上かけてゆっくりと発酵される)を実践し、年間醸造も実現しています。

仕込み水は県内でも屈指の軟水とされる太平山麓の湧き水を、往復2時間をかけて汲みに行っています。秋田酵母・金沢酵母を使い、米の旨みとふくらみ、そしてキレも感じさせる酒に仕上げています。

「ゆきの美人 純米酒」は口当たりのよいジューシーな印象に、酸味が爽やかな飲みやすい酒です。麹米に山田錦、酵母も吟醸用の金沢酵母を使用してとても飲みやすい人気の一品です。

秋田醸造は「蔵元杜氏」の県内先駆け。そのためか、後述の「NEXT5」ではリーダー格を務めています。

  • 会社名:秋田醸造株式会社
  • 住所:秋田県秋田市楢山登町5-2

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春霞

「春霞(はるがすみ)」を醸す栗林酒造店は、明治7年(1874年)秋田県六郷村で創業されました。六郷村とは現在の美郷町、秋田の酒米「美郷錦(みさとにしき)」の由来となった場所でもあります。

仙北平野の良質な米と豊富な地下水に恵まれ、地元の銘酒としての評価を獲得してきました。昭和50年代から「純米酒」の製造を開始、品質重視の方向に舵を切ります。平成20年(2008年)には現代表が「蔵元杜氏」の位置に就いています(後述NEXT5)。

「春霞 山廃純米」は乳酸菌の働きを利用した「山廃仕込み」で、冷やでも燗でも楽しめます。食中酒を志向する「春霞」らしいお酒といえるでしょう。

  • 会社名:合名会社 栗林酒造店
  • 住所:秋田県仙北郡美郷町字米町56

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角右衛門

「角右衛門(かくえもん)」を醸す木村酒造は創業元和元年(1615年)、400年を超える歴史を誇る酒蔵です。秋田県の南部湯沢に蔵を構え、地元に立脚した酒造りを続けてきました。

国内有数の豪雪地帯で知られる湯沢地方は、酒造りに適した冬の寒さに雪解け水による潤沢な仕込み水に恵まれ、さらには秋田でも指折りの酒米生産地でもあります。

この恵まれた環境で醸された酒は、甘くて優しい風味と「小野小町」生誕の地とされる湯沢にちなんで、「福小町」と命名されました。その他、寒造りの技術確立に心血を注いだ木村家三代目当主、角右衛門の名を冠した「角右衛門(かくえもん)」も主力の一方を担っています。

「角右衛門 特別純米酒 ひやおろし」は、酵母ブレンドを施し華やかさと果実感を持たせ、甘みと酸のバランスもほどよい、冷やでも燗でも楽しめる酒になっています。

  • 会社名:木村酒造
  • 住所:秋田県湯沢市田町2丁目1-11

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NEXT5

記事に何度か登場した「NEXT5(ネクストファイブ)」とは、「新政」・「山本」・「一白水成」・「ゆきの美人」・「春霞」という秋田県にある酒蔵の蔵元(代表者)5人が有志で活動する集団で、それぞれが経営者でありながら、酒造りを行う製造技術者でもあります。

2010年の結成後、共同で酒を造ったり、各界の著名クリエイター(村上隆氏など)とのコラボを展開したりと、その技術を切磋琢磨しています。それぞれに共通するのは、伝統ある酒蔵を継ぐ前には東京などの異業種で働くため地元を離れていたこと。そして戻ってからは改革を進め、蔵の進む新たな道を切り開いたことです。

秋田のある東北地方は東日本大震災以降、東北の日本酒を飲もうという機運の広がりもあり、その後の日本酒ブームに繋がっていきました。そこに、NEXT5の活動が影響を与えたことは間違いありません。

秋田の酒はNEXT5によって、新しい時代に踏み込んだといえるでしょう。これからも秋田の日本酒に期待ができるのは、実はこんな理由があるからなのです。

秋田酒が飲める店

記事内写真は、こちらの店のご協力をいただきました。

  • 店名:想咲そば処 香凛
  • 住所:札幌市西区琴似1条西6丁目2-24

過去記事はこちら①

  • 店名:呑気処 ほの家
  • 住所:札幌市北区北40条西5-1-3

過去記事はこちら②

まとめ

いかがでしたか?

秋田の日本酒について、その特徴やおすすめの銘柄・酒蔵をご紹介しました。かつては「酒好きが多いが高級酒は少ない」というイメージすらあった秋田県のお酒事情ですが、近年は「NEXT5」の存在もあり、今や日本の最先端を走る銘酒蔵が割拠する地域になっています。

日本酒を楽しむなら、伝統と最先端の両方を味わえる「秋田」酒に、ぜひ注目してみてください。

この記事のライター

raita kitano

食べ飲み歩きと写真を撮りながらの街散策が好きな男性ライターです。上場企業の管理職時代に培った飲食店訪問の経験を活かし、老舗の飲食店から流行のちょっとお洒落な店までをご紹介します。

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