北海道のグルメに欠かせない日本酒、その酒造蔵とおすすめ銘柄をご紹介!

北海道のグルメに欠かせない日本酒、その酒造蔵とおすすめ銘柄をご紹介!

北海道のグルメといえば、海鮮に代表される魚介類をはじめとする美食の数々があります。そしてそれらの料理に欠かせないのが「お酒」。特に「日本酒」は魚介類との相性が抜群なので、北海道グルメには最適でしょう。

今回は、北海道の日本酒を醸す12の全酒造蔵とそのおすすめ銘柄をご紹介します。旅行で北海道に行ったなら、各地の日本酒「地酒」と料理を楽しみましょう。そのための情報を集めています。

北海道の酒造り

北海道は、近年酒造りで目覚ましい発展を遂げている地域のひとつです。かつては寒冷な気候を活かした酒造りが盛んな時期もありましたが、昭和の末期には本州の大手酒造メーカーの北海道進出によって低迷期を迎えることになります。

その後、平成4年(1996年)に実施された日本酒の「級別制度廃止」をきっかけに全国的な日本酒ブーム、地酒ブームが起き、北海道でも「地元ならではの酒造り」に力を注ぐ酒蔵の動きが活発になってきました。

元々日本酒は寒い時期に行われるため、気候的に北海道は好適だったものの一つの問題がありました。「米」です。

北海道はあまりに寒冷な気候のため、米作りには適していませんでした。当然、酒に使う酒造米も遠く離れた名産地から購入せざるを得ず、コスト的にも不利な状況にありました。しかしこの数年、北海道の農家の努力に加え、気候的な変化もあり以前ほどの極寒さはなくなり、米作りもしやすくなってきました。

新たな環境から生まれた「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などは、全国的にもおいしい米としてすでに定評を得ています。酒造好適米も北海道産の「吟風(ぎんぷう)」や「彗星(すいせい)」、最近では「きたしずく」などの米が開発され、北海道の酒蔵で使われるようになっています。

これらの酒造への条件が整った上に、酒蔵の品質向上に向けた努力や新たな取り組みが実を結び、今日の北海道における日本酒の品質向上が実現されたといえるでしょう。

 

千歳鶴(札幌)

北海道の日本酒で最大のメジャーブランドといえば「千歳鶴(ちとせづる)」であることは論を待ちません。製造蔵である「日本清酒」は明治5年(1872年)の創業以来、北海道のそして札幌の日本酒造りを牽引してきました。

昭和34年(1959年)に竣工した酒造工場「丹頂蔵」は当時国内最大規模の設備で、その酒造技術は全国新酒鑑評会で14年連続の金賞受賞という実績を誇ります。

千歳鶴は工場の近くを流れる豊平川の伏流水を仕込み水としています。この水は「中硬水」という硬軟両方の性質を持ったバランスの良い水です。そして米は北海道産の契約農家で栽培する「吟風」を中心に、造る酒の傾向に合わせた米を厳選しています。

代表銘柄の「大吟醸 吉翔(きっしょう)」は、最高級の酒造好適米である兵庫県産「山田錦」を精米歩合40%まで磨きます。吟醸造りによる果実香に飲み口に爽やかな余韻を残す最高品種です。このお酒を一口味わえば、それだけでこの蔵の歴史と実力を感じることができるでしょう。

  • 会社名:日本清酒株式会社
  • 住所:札幌市中央区南3条東5丁目2番地

詳細はこちら

国稀(増毛)

「国稀」を醸す「国稀酒造」は北海道の日本海側、江戸末期にニシン漁で栄えた増毛にあります。北海道の酒蔵で最も北に位置するため「日本最北の酒蔵」としても知られます。

明治15年(1882年)に創業、長らく「丸一本間」の商号で酒造りを行っていましたが、平成13年(2001年)に現在の「国稀酒造」と改称しました。由来は、自社ブランドの「國の誉」に乃木希典陸軍大将の「希」を「稀」としていただき「国稀」としたものです。

暑寒別岳連峰を源とする清流こそが、国稀の清廉な味の秘密です。「すっきりと辛口で飲みやすい」お酒が国稀の目指す酒といえます。

「千石場所」は酒造米「五百万石」を60%まで精米した本醸造酒。飲み口のキレが良い辛口酒で、魚介類との相性も抜群です。特に増毛は「甘海老」の名産地。国稀との相性は言うまでもありません。

  • 会社名:国稀酒造株式会社
  • 住所:増毛郡増毛町稲幕町1丁目17番地

詳細はこちら

男山(旭川)

北海道の「酒どころ」旭川に蔵を構える「男山」は遡ること江戸時代の寛文年間、約340年前に関西伊丹で酒造を始めた歴史を持つ伝統の酒蔵です。

大雪山系の万年雪を源とする伏流水に、選び抜かれた酒造米を最適な精米歩合で醸す酒は旭川の寒冷な気候風土の元、キリっと辛口で淡麗な味に仕上がります。

昭和52年(1977年)、「モンドセレクション」に「男山 純米大吟醸」を初出品。見事金賞を受賞しました。日本酒としては世界初の快挙でした。

男山の名物酒となっているのが「立春朝搾り」。2月4日の立春に、春を迎える祝い酒として造られます。酒屋が蔵に行ってラベル貼りや出荷作業の手伝いをして、注文分を持ち帰ります。

立春の朝に出来立ての生酒、しかも原酒。この日、この酒蔵でしか味わえない希少酒です。

  • 会社名:男山株式会社
  • 住所:旭川市永山2条7丁目1-33

詳細はこちら

国士無双(旭川)

男山と並んで「酒どころ旭川」を代表する酒蔵が「国士無双」を製造・販売する高砂酒造です。前身は明治32年(1899年)に創業した小檜山酒造店。昭和に入って旭川の酒造会社を合併して「高砂酒造」となりました。

昭和50年(1975年)には新銘柄「国士無双」を発売、このブランドのヒットによって全国的な知名度を得るに至ります。

メインブランド「国士無双」は、「本醸造生貯蔵酒」から最高級の「大吟醸酒」まで、北海道産を中心にその酒造りに合わせた酒造米を選別しています。北海道産米にこだわった「純米 風のささやき」は女性にも人気の爽やかな飲み口のお酒です。

辛口で力強さを売りにする「男山」に対して、「国士無双」をはじめとする高砂酒造のお酒は繊細さを併せ持った傾向といえるでしょう。

  • 会社名:高砂酒造株式会社
  • 住所:旭川市宮下通17丁目

詳細はこちら

大雪の蔵(旭川)

旭川にあるもう一つの酒蔵「大雪の蔵」は、大手酒類・食品等製造販売で知られる「合同酒精」が展開するブランドです。「焼酎」のイメージが強い合同酒精ですが、「北海道ならではの地酒」を志向し、大雪山系の清冽な名水と北海道産米だけを使って日本酒を醸しています。

その結果、極めてスッキリと爽やかなキレの良さを特徴とした酒がラインアップされました。つまり買い手は細かく悩まず「大雪の蔵」を選ぶだけで、飲みやすい「北海道らしいお酒」が楽しめるというわけです。

出典:公式サイト

数量限定の「大吟醸 大雪乃蔵 鳳雪」は、北海道産酒造好適米「彗星」を精米歩合40%と磨き上げ、丁寧に醸した大吟醸酒。洗練されたフルーティな香りとキレの良い飲み口が特徴です。北海道のイメージに合う、爽やかなお酒の頂点にある一品といえるでしょう。

  • 会社名:合同酒精株式会社
  • 住所:旭川市南4条通20丁目1995番地

詳細はこちら

上川大雪(上川)

平成29年(2017年)の5月、北海道の上川町に新たな酒造会社「上川大雪(かみかわたいせつ)酒造」が誕生しました。三重県で日本酒の製造を中止していた酒蔵を、豊かな天然水に恵まれ、今や日本屈指の米どころとなった北海道に移して設立された酒蔵です。地元の水と米にこだわり、北海道ならではの地酒を製造することを目的としています。

北海道における戦後初の日本酒酒造会社になりますが、クラウドファンディングによる設立という現代ならではのストーリーでした。酒造最高責任である杜氏には、北海道出身の川端慎治氏。全国の名だたる酒蔵で酒造りを経験、故郷に戻って杜氏として活躍のところに今回の話となりました。

北海道で唯一の「全量純米蔵」として、高品質な酒造りを目指す。その旅路はまだスタートしたばかりですが、すでにその成果となる銘酒を生み出しています。

「上川大雪 特別純米」は、上川大雪酒造の日本酒の味わいの基準となるお酒で、華やかすぎることのない穏やかな香りと飲み口がその特徴です。北海道言葉で「飲まさる酒(ついつい飲んでしまう)」の原点といえるでしょう。

  • 会社名:上川大雪酒造株式会社
  • 住所:上川郡上川町旭町25-1

詳細はこちら

金滴(新十津川)

明治の22年(1889年)、奈良県吉野郡にある十津川村から大水害の際に被災民が入植して「新十津川」と称したのが現在の新十津川町。その地で明治39年(1906年)の創業以来、110年以上酒造りを続けている酒蔵が「金滴(きんてき)酒造」です。

ピンネシリ山系に源を発し、近くを流れる徳富川の伏流水によって地元の酒造米を醸した「金滴」は、北海道の銘酒として日本酒好きの愛好酒となっています。

しっかりと腰の据わった酒造りが特徴で、味わって旨味の残るふくよかさが金滴らしさともいえるでしょう。

「金滴 彗星」は空知産酒造好適米の「彗星」を100%使用。彗星らしいすっきりとした味わいが特徴ながら、金滴ならではの膨らみのある口当たりが楽しめます。

  • 会社名:金滴酒造株式会社
  • 住所:樺戸郡新十津川町字中央1-7

詳細はこちら

宝川(小樽)

小樽を代表する酒蔵といえば「田中酒造」ですが、最近まであった2つの酒蔵が立て続けに閉業してしまい、残るは田中酒造だけになってしまったというのが実情です。

その田中酒造は創業明治32年(1899年)、その後は戦時体制による営業形態の変更などもありましたが、1950年代には製造部門を復活し、現在の法人として設立しています。

平成元年(1989年)には、本店を観光客向けの販売も行える店舗に改修。平成7年(1995年)には製造場を「亀甲蔵」として見学可能な観光蔵に改装するなど、観光の街小樽との共存を果たしてきました。

田中酒造では、その酒造りに北海道産酒造好適米を100%使用しています。水も地元の天狗山、その伏流水を地下約70mから組み上げて仕込み水としています。

「寳川(たからがわ)しぼりたて生」は、純米の生原酒、ニセコ産の酒造好適米「彗星」を天狗山の伏流水で仕込みました。小樽の海鮮、特に「蝦蛄(しゃこ)」などと共に味わえば、まさに「北海道らしさ」を満喫できるでしょう。

  • 会社名:田中酒造株式会社
  • 住所:小樽市色内3丁目2-5

詳細はこちら

二世古(ニセコ)

「二世古(にせこ)」を醸す二世古酒造は大正5年(1916年)の創業。酒造りの特徴はニセコワイス山系の雪清水と羊蹄山からの「ふきだし湧水」を使用すること、そして「加水調整をしない」原酒造りにこだわっていることです。

北海道の酒蔵の中ではこれまで目立った評価を得ていない酒蔵でしたが、元々が北海道を代表する素晴らしい「水」に恵まれており、近年ではそれを十分に活かした酒造りで人気を集めています。

「二世古 特別純米」は、その水の良さをしみじみと感じさせてくれる透明感のあるお酒です。そしてその造りには米の旨さも反映されていることに気づきます。そんな奥の深い日本酒の楽しみを与えてくれる、北海道らしい銘酒になったといえるでしょう。

  • 会社名:有限会社二世古酒造
  • 住所:虻田郡倶知安町字旭47

詳細はこちら

北の錦(栗山)

明治11年(1878年)札幌で酒造業を始めた「小林酒造」は、明治33年(1900年)に現在の夕張郡栗山町に本拠地を移しました。その夕張の地で行ったのが「石炭による酒造り」。そしてその酒は炭鉱で働く労働者の「息抜き酒」として発展して行きました。

現在も残る当時の隆盛を想わせる煉瓦造の蔵。これらは記念館として、酒蔵の見学コースとして一般にも解放されています。

小林酒造の醸す「北の錦」は北海道産米使用率100%、そして「特定名称酒(本醸造酒以上)」100%というこだわりのお酒です。

「北の錦 新酒しぼりたて」は、毎年小林酒造のトップを切って発売されます。新酒ならではの「苦味」に「酸味」、そして甘みが広がりその余韻が続きます。北海道の魚や貝の料理におすすめのフレッシュな味わいのお酒です。

  • 会社名:小林酒造株式会社
  • 住所:夕張郡栗山町錦3丁目109

詳細はこちら

福司(釧路)

大正8年(1919年)釧路に創業した「敷島商会」を母体とする「福司酒造」は北海道の東地域を代表する銘酒の蔵です。太平洋戦争中も休蔵する憂き目にあわず、製造を続けたという歴史を持っています。

酒造りの特徴は、道東の伏流水に北海道米を90%使用、北海道、そして道東らしいお酒ということで「牛乳」から発展した「ヨーグルト酒」なども醸しています。

そして釧路といえば、魚介のおいしいことで知られる土地柄です。釧路で鮮魚を食べられる店にはほとんど「福司」が置いてあります。そうです、福司は魚介・鮮魚料理によく合うお酒なのです。

「福司 純米酒」は北海道産酒造米の「吟風」を使い、米の味をしっかり活かした造りに仕上げています。冷やから燗まで、料理に合わせて幅広く楽しめる晩酌向きのお酒です。

  • 会社名:福司酒造株式会社
  • 住所:釧路市住吉2丁目13-23

詳細はこちら

北の勝(根室)

日本で朝日が一番早い街「根室」。その根室で明治20年(1887年)から100年以上にわたって酒造りを続ける酒蔵が「碓氷勝三郎商店」。そしてその醸す酒が銘酒「北の勝」です。

日本酒ファンの間では全国的な人気を誇るものの、生産量の8割は地元である根室・釧路地区で消費される「地元密着型」の地酒です。

そしてこの酒蔵の名を全国に轟かせているのが、北の勝「搾りたて」の存在です。毎年1月末の不定期日に例年約17,000本が生産、市内の酒屋やスーパーなどで販売されますが、発売を待ちかねた市民が行列を作る様子が新聞やテレビのニュースで報じられ、この時期の風物詩ともなっています。

北の勝「搾りたて」は、まさに搾りたての生酒をそのまま「うすにごり」状態で瓶詰めしています。フレッシュな風味にフルーティな吟醸香も立ち上る、キレ味の良いお酒です。

毎年即日完売の希少酒です。ぜひ出会いのあることを!

  • 会社名:碓氷勝三郎商店
  • 住所:根室市常盤町1丁目6

詳細はこちら

まとめ

北海道の日本酒、全酒蔵とそれぞれのおすすめ銘柄をご紹介しました。北海道と一口に言っても広く、その行く先々で風土も変わってきます。そしてやっぱり地元の酒が一番!ということになるでしょう。

今回ご紹介した12の酒蔵、それぞれの地方に行った時には地元の、あるいは一番近い酒蔵のお酒を飲んでみましょう。それだけで、そこにある料理とはぴったり合うはずです。北海道のグルメを楽しむ一番の方法です。

この記事のライター

raita kitano

食べ飲み歩きと写真を撮りながらの街散策が好きな男性ライターです。上場企業の管理職時代に培った飲食店訪問の経験を活かし、老舗の飲食店から流行のちょっとお洒落な店までをご紹介します。

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す