「而今」は日本酒ファン羨望の的!人気の「作」など三重県の銘酒もご紹介

「而今」は日本酒ファン羨望の的!人気の「作」など三重県の銘酒もご紹介

最近、「而今」という文字を見かけることが多くなっていませんか?

例えば、居酒屋などで「而今、入荷しました!」などという張り紙を見かけることもあるでしょう。そうです、少々風変わりな銘柄名の「而今(じこん)」こそ、今、最も注目と人気を集める日本酒のひとつなのです。ただし、その人気ゆえ、なかなか入手ができない希少なお酒になっています。

今回はそんな而今を知るための「基礎知識」と、実際に味わうための「購入方法」や「飲める店」などの情報をまとめてみました。

加えて「而今」を生んだ三重県の酒造り、そして而今にも並ぶほどの注目を集める「作(ざく)」など三重県の日本酒もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

⒈ 「而今」は全国屈指の人気酒

日本酒ファンなら知らぬ者のない、そうでなくとも最近ではその名前を「見たり、聞いたり」することも多くなっている、人気急上昇のお酒が「而今」です。

その人気は、数多い日本酒の中でも山口県の「獺祭」や山形県の「十四代」と並ぶ人気の銘柄になっています。その希少性や入手困難度でいえば、生産能力の高い酒蔵で造られている「獺祭」よりも上、「十四代」と並んでの「トップ2」といえるほどでしょう。

酒販店の店頭に並ぶことはほとんどなく、居酒屋でも入荷したら注文が殺到してすぐに売り切れ、などという現象がこの数年では普通のこととなってきています。

⒉ 而今の誕生から現在まで

「而今」を醸す木屋正酒造(きやしょうしゅぞう)は三重県の西部、名張市にあります。「名張」は古くから京都・大阪から伊勢神宮への「お伊勢参り」街道であり、「赤目四十八滝」などが知られるように、豊富で良質な水にも恵まれていました。

当然のように日本酒造りも盛んになり、木屋正酒造も江戸時代の文政元年(1818年)に創業しています。長年、地元を中心に「高砂」というブランドの日本酒を販売していましたが、生産規模としては小さな酒蔵のひとつでした。

木屋正酒造の六代目になる大西唯克氏が大手食料品会社の勤めを辞めて蔵に戻り、酒類総合研究所での準備期間を経て杜氏になったのが平成16年(2004年)。前職や研究所で学んだ理論を実践した酒造りにより、新ブランドである「而今」を作り上げました。

而今とは「過去にとらわれず未来に囚われず、今をただ精一杯生きる」という意味が込められているとのこと(同社ホームページ)。まさに、而今を造るにあたっての杜氏としての想いだったのかもしれません。

その味は極めてピュアで鮮烈なフレッシュさを持ちながら、米の旨みもしっかり感じさせるという造り。日本酒好きならずとも、一度飲んでみれば(日本酒の)概念が覆るほどの衝撃を受けることでしょう。

  • 酒蔵:木屋正酒造合資会社
  • 住所:三重県名張市本町314-1

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⒊ 而今のラインアップ

木屋正酒造 公式サイト

而今は少量生産ながら、比較的種類は多く、15種類以上の品揃えになっています。

木屋正酒造の公式ホームページでは「特別純米」、「純米吟醸雄町」、「純米吟醸山田錦」、「純米大吟醸」の4種類を掲げ、さらに酒造好適米を変えて「毎月違う種類の商品を出荷しています」とあります。

ここでは造りによる分類から「特別純米」、「純米吟醸」、「大吟醸」、「純米大吟醸」の4種類に分けてまとめてみました。

特別純米 特別純米 火入れ
特別純米 無濾過生
特別純米おりがらみ
特別純米 にごりざけ

 

純米吟醸 純米吟醸 吉川山田錦
純米吟醸 東条山田錦
純米吟醸 山田錦 無濾過生
純米吟醸 千本錦 火入れ
純米吟醸 千本錦 無濾過生
純米吟醸 八反錦 火入れ
純米吟醸 八反錦 無濾過生
純米吟醸 愛山 火入れ
純米吟醸 酒未来 無濾過生
純米吟醸 雄町 無濾過生

 

大吟醸 大吟醸
大吟醸 斗瓶取り

 

純米大吟醸 純米大吟醸

 

而今の品揃えの特徴は、「特別純米」でも精米歩合60%と「吟醸」を名乗れるレベルで造られ「火入れ」と「無濾過生」、「酒造米」の違いなどを楽しめることにあります。

つまりどのお酒を飲んでも、満足できる品質が確保され、それぞれの特徴を明快に味わえるということになります。

⒋ 而今の購入方法

而今はそもそも生産量が少ない上に人気の銘柄であるため、入手がとても難しいお酒になっています。

一般的な購入方法としては、①酒屋で購入する、②通販サイトで購入する

という2つがあります。

しかし而今は生産量も少なく、一般の酒屋ではまず販売されることはありません。木屋正酒造の公式ホームページには「全国特約店でお買い求め下さい」とあります(ただし、特約店名の記載はありません)。

特約店だからといって、少量生産の而今がいつでも買えるとは限りません。むしろ今やどこの飲食店でも引っ張りだこ、そして全国の日本酒ファンが常に探し回っているほどのお酒ですから、次の入荷分の出荷先は既に決まっていると考えた方がよいでしょう。

では②の通販サイトでの購入はどうでしょうか?

大手通販サイトの「楽天」などを見てみると、スタンダード品の「特別純米」シリーズでも1万円超え、「大吟醸」で3〜4万円、最高クラスの「大吟醸 斗瓶取り」などは10万円を超える価格で販売されていることもあります。

これらは全てプレミア価格になっており、酒蔵も望むことではないようですが、需要と供給のバランス的にはこのような状態になってしまうのでしょう。

結論として、今や而今を購入するには「特約店とのコネクションを深めて、根気よく待つ」以外にありません。

特約店で普段から(他のお酒でも)購入を続けて顔なじみになれば、優先的に回してくれることもあるかもしれません。そして、店によってはホームページ上で入荷の告知をしたり、「抽選販売」を行なっているところもあります。

以下に、而今を「取り扱い商品」として掲げている酒販店をご紹介します。それぞれのホームページを常にチェックしてみることをおすすめします。

おすすめの酒販店

ふくはら酒店(東京都台東区):抽選販売あり

鈴木三河屋(東京都港区)

朧酒店(東京都港区)

地酒&ワイン 加桝屋 (東京都八王子市)

徳丸商店(神奈川県横浜市)

矢島酒店(千葉県船橋市):フリー販売は店頭の不定期販売

カネセ商店(新潟県長岡市)

酒泉洞堀一(愛知県名古屋市)

酒の店 もりした(三重県鳥羽市)

酒商 山田(広島県広島市)

とどろき酒店(福岡県福岡市)

⒌ 而今の飲める店

而今は希少酒なので在庫は保証されませんが、比較的在庫確率の高い店をご紹介します。(訪問の際は在庫確認をおすすめします)

おすすめの飲食店

和酒専門@BAR(札幌市中央区)

魚の家(東京都港区)

稲水器 あまてらす (東京都豊島区)

和食 花くるま(名古屋市北区)

銘酒居酒屋 酒友(大阪府吹田市)

博多てんき屋(福岡県福岡市)

⒍ 三重県の酒造りとその他の銘柄&酒蔵

三重県は南北に細長く、東に志摩半島が飛び出した形です。その形態から気候は地域差が大きく、酒造りも気候的に適合した地域で行われています。

三重県の区分として知られる「北勢」「伊賀」「中勢」「南勢(伊勢志摩)」「東紀州」という5つの地域では、「鈴鹿おろし」で知られる北勢や、内陸性気候で冬の寒冷な伊賀、そして「布引おろし」の吹き下ろす中勢と南勢の北部地方に酒蔵が点在するという傾向がみられます。

それぞれの地域とも冬には寒冷な気温になるということ、多雨地帯であることで豊かな伏流水に恵まれることなどから、酒造りには好適な条件が揃っているといえるでしょう。そして「伊賀米」などの伝統的な米や、その他酒造好適米の栽培が行われていたことも、酒造りが盛んになった要因にあげられます。

さらに三重県は、有名な松坂牛や南北に長い海岸線で獲れる魚介類などの「高級食材」が豊富な土地柄ということから、酒造りも「高品質」を志向したことは必然の流れでした。

ここでは三重県のおすすめ日本酒の銘柄と酒蔵を、その品質の高さを全国に改めて知らしめることになった「G7 伊勢志摩サミット2016」での乾杯酒、食中酒の中から選んでみました。

6-⒈ 「作」(清水清三郎商店)

「作(ざく)」は元々その造りの良さから酒通の間では密かな人気ブランドでしたが、平成28年(2016年)の「G7 伊勢志摩サミット2016」の乾杯酒として使われたことで、一躍その名を全国に知られるようになりました。

作を醸す「清水清三郎商店」は、明治2年(1869年)に現在の三重県鈴鹿市に創業しました。大量生産に走らず、最適と考える仕込み量での丁寧な酒造りにこだわり、高品質な日本酒を醸造し続けています。

「作」は極上の地元産米のみを使用して、酒蔵のこだわりを集結して造られたブランドです。その名は「飲む人やそれを提供する人たち、出会った皆で作り上げる酒」という願いを込めて名付けられました(同社ホームページより)。

人気酒となった作は、最近では各種酒類コンクールの常連となり、金メダルの獲得や上位入賞を果たし続けています。

  • 酒蔵:清水清三郎商店
  • 住所:三重県鈴鹿市若松東3-9-33

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6-⒉ 「瀧自慢」(瀧自慢酒造)

G7伊勢志摩サミット2016」1日目 ワーキングディナーの食中酒、2日目ワーキングランチの乾杯酒に採用されるという栄誉を受けた日本酒が「瀧自慢」でした。

「瀧自慢」の酒蔵である瀧自慢酒造は「而今」と同じく、奈良県との県境にある伊賀盆地の名張市にあります。寒暖の大きな気候と「赤目四十八滝(あかめしじゅうはったる)」に代表される水の恵みによって高品質な日本酒を醸しています。

「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」(同社ホームページより)が瀧自慢の酒造りの基本、自分が飲んでおいしいと思う酒を目指しています。

そのためには蔵元杜氏である社長のもと、少数精鋭で隅々にまで手をかけるこだわりを貫いています。秒単位の管理による洗米、急冷熱殺菌による瓶詰め、大型冷蔵庫での貯蔵など、少量生産ならではの妥協のない酒造りです。

そして出来上がるのは、その名のイメージ通りの(瀧の水のような)「綺麗な酒」。飲み口のよい、飲んで飽きないお酒に仕上がっています。

  • 酒蔵:瀧自慢酒造株式会社
  • 住所:三重県名張市赤目町柏原141

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6-⒊ 「酒屋八兵衛」(元坂酒造)

G7 伊勢志摩サミット2016の2日目、ワーキングランチの食中酒には「酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦」が選ばれました。

酒屋八兵衛を醸す「元坂酒造(げんさかしゅぞう)」は創業文化2年(1805年)、「グラス一杯の驚きよりも一晩の安らぎ」(同社ホームページ)を酒造りのコンセプトにしています。具体的には、料理との相性が良い食中酒としての役割を大切にするということです。

食事の味を妨げないように、華やか過ぎる吟醸香は抑え、米の旨みを引き出す事でじっくり味わえる酒を目指します。そのためには酒造米を厳選し、米が持つ本来の味をしっかり引き出す技術が必要になります。

米の旨みを引き出す、しっかりした醪を作るために伝統的な「山廃造り」を採用したり、日本最古の酒米ともされている「伊勢錦」の復活栽培に取り組んだりしています。

ワーキングランチの食中酒に「酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦」が選ばれたのは、まさにそんな理由からなのでしょう。

  • 酒蔵:元坂酒造
  • 住所:三重県多気郡大台町柳原346-2

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6-⒋ 「半蔵」(大田酒造)

「G7伊勢志摩サミット2016」の ワーキングディナー、乾杯酒に「半蔵 純米大吟醸」が選ばれた時はちょっとした驚きが走りました。

酒通の間では、過去の全国新酒鑑評会での金賞受賞実績などから知られた存在ではあったものの、生産量が少なく、ほとんど県外に出回らないお酒だったからです。

「半蔵」を醸す太田酒造は創業明治25年(1892年)、伊賀盆地のほぼ中央の伊賀市に蔵を構えます。原料米には三重県産、伊賀産と地元契約栽培米にこだわり、仕込みには蔵内の井戸水を使うという、まさに「伊賀の気候、風土」による酒造りを行なっています。

伊賀の厳寒期だけの仕込みによる少量生産ゆえに全国的な知名度は無い「半蔵」でしたが、G7サミット以降は注文が殺到し、今やすっかり人気酒になりました。

その名はもちろん、伊賀上野の忍者で有名な「服部半蔵」に由来します。伝統的な手作りの製法を重視しつつ、三重県伊賀のテロワールを表現した「半蔵」の酒造りが、G7サミットでの「乾杯酒」に選ばれるという栄誉として結実したのでしょう。

  • 酒蔵:株式会社 大田酒造
  • 住所:三重県伊賀市上之庄1365-1

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⒎ まとめ

今、最も手に入りにくい大人気の日本酒である「而今」について基本的な知識と購入や飲める店などに関するお役立ち情報をまとめてみました。

さらに「G7伊勢志摩サミット2016」のワーキングランチとディナーの乾杯酒、食中酒に採用され一気にその名を上げた「三重県の日本酒」についても概要をまとめてみました。

而今とともに、「作」をはじめとする三重県酒をじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。

 

この記事のライター

raita kitano

食べ飲み歩きと写真を撮りながらの街散策が好きな男性ライターです。上場企業の管理職時代に培った飲食店訪問の経験を活かし、老舗の飲食店から流行のちょっとお洒落な店までをご紹介します。

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