
カラダづくりの豆知識
WriterQOOL編集部
ビール腹を解消するには? あなたの知らない「お酒」と「運動」の秘密

飲み会での第一声は、「とりあえずビール!」。飲みすぎはよくないとわかってはいるけれど、仕事終わりのビールはやめられない。おつまみに伸ばす手が止まらず、つい食べすぎてしまう。
そんな生活を送っていたある日、ふと鏡を見て、こう思ったことはありませんか?
「こんなにお腹出てたっけ?」
ぽっこりとお腹が出ていたら、どんなファッションも台無し。突き出たお腹に好印象を持つ女性は残念ながら少ないでしょう。
このお腹をどうにかしたい! かっこいい体型になりたい! そんなあなたに、今日から実践できるビール腹の解消法をお伝えします。
ビール腹とは
ビール腹とは、内臓脂肪が蓄積され、ぽっこりとお腹が出ている状態のこと。お酒をたくさん飲む人、特にビールを好む人がなりやすい体型ということで、「ビール腹」のネーミングになった説が有力です。
内臓脂肪のたまったビール腹は、見た目を悪くするだけではありません。放っておくと、脂質異常症や糖尿病、高血圧症、高脂血症など、さまざまな病気の発症リスクが高くなるという事例も。すぐにでも解消していきたい症状です。
ビールのカロリーと糖質
そんなことを言われると、「やはりビールを避けて解消するしかない?」と絶望してしまう人もいるでしょう。しかし実は、その他のアルコール飲料と比較した場合、ビールがとりわけ高カロリーというわけではありません。
食品成分(いずれも100ml) | エネルギー | 炭水化物 |
ビール | 40kcal | 3.1g |
赤ワイン | 73kcal | 1.5g |
日本酒 | 109kcal | 4.9g |
梅酒 | 156kcal | 20.7g |
焼酎 | 206kcal | 0g |
ウィスキー | 237kcal | 0g |
ブランデー | 237kcal | 0g |
文部科学省の食品成分データベースによると、ビール100mlのエネルギーは40kcal、炭水化物の量は3.1g。上記の表の通り、アルコール飲料の中ではカロリーは低く、炭水化物の量がやや多めなだけ。
ちなみにコーラは、100mlで46kcal・炭水化物11.4g。サイダーは100mlで41kcal・炭水化物10.2g。そう考えると、炭酸飲料のほうがよっぽど炭水化物が多く、かつ高糖質。つまり体脂肪として体に蓄えられる量が多く、太りやすい飲み物と言えます。
つまり、個人に合わせた適量を飲んでいるのであれば、ビールは決して太る飲み物ではないということです。
ビール腹の原因はビールではない
「ビールが原因ではないとすると、この出っ張った腹は何?」と心配になりますが、答えはシンプル。ビール腹の原因は、ビールそのものよりも、飲みながら食べるおつまみにあります。
ビールに含まれるアルコールは、胃液の分泌を促し、胃の働きを活発にします。そのため、ますますおつまみの摂取が進み、食べすぎた分が脂肪として内臓に蓄積されていきます。
ビールを飲むことによって食がすすみ、さらにビールを飲みたくなり、カロリーを過剰に摂取してしまう。それを繰り返した結果が、立派に突き出たビール腹です。
ビール腹の解消方法
ビール腹を解消するためにあなたがすべきことは、たったひとつ。内臓脂肪を落とすこと。内臓の周りに無駄に付いた「内臓脂肪」は、体を守るために付く「皮下脂肪」よりも落としやすいとされています。つまり、まだ間に合います。
内臓脂肪を落とす具体的な方法は、以下の2つ。できるところから試してみましょう。
- 運動する
- お酒やおつまみの種類を変える
運動する
ビール腹を解消する(=内臓脂肪を落とす)には、「有酸素運動」で脂肪を燃焼させ、「無酸素運動」で筋肉を鍛えて代謝を高めるのが効果的。
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギングなど、の軽い長時間運動。脂肪燃焼だけでなく、血流促進や心肺機能を高める効果なども期待できます。少し意識して始めてみるだけで、きっと体が軽くなるはず。
また、有酸素運動と合わせて始めたいのが「無酸素運動」。負荷の高い短時間運動で、主に筋力トレーニングが当てはまります。細マッチョを目指すとまでは言わずとも、男たるもの多少の筋肉は欲しいところ。女性であればシェイプアップにも繋がります。
さらに筋トレは「乳酸」を生み出します。これがあなたを痩せやすい身体へとシフトチェンジさせてくれて、その結果「有酸素運動の脂肪燃焼効果」も高まり、より効率よくビール腹を解消していけるはずです。
お酒やおつまみの種類を変える
内臓脂肪を落とすには、食生活を見直すことも大切です。バランスの取れた食事を心がけるだけでなく、お酒の飲み方やおつまみの摂りかたを工夫していきましょう。
太りにくいおつまみやお酒を飲むようにする
よく耳にするとは思いますが、まずは野菜、次に大豆です。
野菜には食物繊維が多く含まれているため、アルコールや糖質などの吸収を緩やかにしてくれます。大豆に多く含まれている植物性たんぱく質は、脂肪になりづらく腹持ちも良いためダイエットの強い味方です。
動物性たんぱく質を食べたい場合は、白身魚や鶏肉など、脂質の低いものを選びましょう。具体的には下記のおつまみがおすすめ。酒呑みにはたまらないラインナップのはずです。
- 冷やしトマト
- もろきゅう
- サラダ
- 茄子の煮びたし
- 枝豆
- 冷奴
- キムチ
しかし下記のおつまみには要注意。ビールと合わさると特に太りやすいため、避けることをおすすめします。
- フライドポテト
- 餃子、春巻き
- 牛すじ煮込み
- 生春巻き
ビールは糖質が少し多め。糖質と油(とくに揚げもの)は相性が悪いため、脂肪になりやすいとされています。
つまりハイボールと唐揚げがセットなのは、健康にも良いということ。どうしても揚げ物と一緒にお酒が飲みたいときは、焼酎やウィスキーなど、糖質の低いお酒を選ぶことも有効です。
ただし重要なのは、食べ過ぎない、飲みすぎないこと。いくら低カロリー・低糖質だからといっても、摂りすぎては意味がありません。
ビールの代用として炭酸水を飲むのもあり
ビールの一番の魅力は、喉越しの良さや爽快感でしょう。たとえば夏の暑い日は、キンキンに冷やしたビールがやめられません。とは言えど、カロリーや糖質は気になる……。そんなビール好きな人におすすめなのが、炭酸水です。
プレーンな炭酸水はビールに似た喉越しや爽快感があり、どれだけ飲んでもカロリー・糖質ゼロと、ダイエットに最適。毎日の晩酌を炭酸水に変えてみると「ビールそのものより、爽快感を求めていた」ことに気づくかもしれません。
強めの刺激とスッキリした味わいが人気の炭酸水。ビールの喉越しや刺激が好きな人にも好評。カロリーゼロで、ビールよりヘルシーかつリーズナブルな点もポイントです。
ビール腹解消トレーニング
「ビール腹を解消するには筋トレと有酸素運動が効果的」と先述しました。ここからは具体的な筋トレと有酸素運動のメニューをご紹介。一度始めれば、きっと少し運動が楽しくなるはず。
いずれも特別な筋トレ道具は不要。自宅で短時間でOKのメニューをご用意しました。筋トレと有酸素運動を順番にこなしていくことが、脂肪燃焼のコツです。
- クランチ+エア縄跳び
- スロースクワット+踏み台昇降
クランチ+エア縄跳び
まずはクランチをこなしてから、続けてエア縄跳びにトライ。この順番で続けることで、効率よくビール腹を解消していけるでしょう。2〜3日に1回でOKです。
クランチのやり方
クランチは、主に腹直筋の上部を鍛えられる自重トレーニング。あくまで力を入れるのは腹筋で、首に力をいれないよう気を付けて下さい。
- 仰向けに寝そべる(腰と地面の隙間を埋める)
- 足を持ち上げ、膝を90度に曲げる
- 両手のひらを後頭部にまわし、脇を締める
- 息を吐きながら身体を起こす
- ゆっくりと元の位置に戻る
- 目安:10回2セット
最初に仰向けに寝そべるとき、腰と地面の隙間を埋めることを意識しましょう。腰と地面が離れてしまうと、腰を痛めやすくなります。
エア縄跳びのやり方
縄跳びはプロやアスリートも取り入れる、比較的消費カロリーが高い有酸素運動。
「室内ではロープが壁や天井に当たるのでできない」という意見もありますが、そこでおすすめなのが縄を使用せず縄跳びのマネをする「エア縄跳び」。
エア縄跳びの専用グッズもあり、いつでもどこでも手軽にできるおすすめの有酸素運動です。
- 肘を軽く曲げて縄跳びの持ち手を持っているふりをする
- 縄跳びをしているように曲げたまま腕を回し、真上に飛ぶ運動を繰り返す
1回2分程度のエア縄跳びを1セットとして、途中に休憩をしながら10セット行うのがおすすめです。
スロースクワット+踏み台昇降
「クランチ+エア縄跳び」とは日をわけてトライしましょう。あるいは腹筋が苦手な人は、こちらを2〜3日に1回繰り返すだけでもOK。下半身を鍛えることは、じつは脂肪燃焼にとても効果的です。
スロースクワットのやり方
スクワットは、「筋トレの王様」とも呼ばれているメジャーなトレーニング。主に下半身の筋肉を鍛えることができ、継続することで脂肪の多いお腹周りがすっきりします。
- 足幅は肩幅より広くし、つま先を少し外に向ける
- 手は肩の高さでまっすぐ伸ばす
- その状態で、やや腰を落として立つ
- 5秒のカウントで、太ももが床と水平になるまで腰を降ろす
- 同じく5秒のカウントで立ち上がり、最初の状態に戻す
- 目安:6回1セット
腰を降ろすときはお尻を後ろに突き出すイメージで行いましょう。ひざがつま先より前に出ないように注意してください。
踏み台昇降のやり方
踏み台昇降とは、階段や踏み台を昇り降りすることを繰り返すだけの簡単な運動です。
ほかの運動に比べて消費カロリーは低いですが、ウォーキングやジョギングよりも足腰への負担が少ないことが魅力。場所や天気も気にする必要がないため、運動が苦手な方にもおすすめです。
- 膝くらいの高さか、あるいは少し低い程度の椅子や台を用意する
- 膝をしっかりと持ち上げ、踏み込むように台にのぼる
- そのまま足をゆっくりと戻す。一旦降りたら、さきほどと反対の脚から台にのぼる
左右交互に連続して50~100回程度、または5~10分程度のどちらかやりやすいほうで、マイペースに実践しましょう。
ビール腹を解消するには食事と運動に気を配ろう
お伝えしてきた通り、ビールを飲むこと自体がビール腹の原因というわけではありません。ビールを飲むことでおつまみを食べ過ぎ、さらにビールを飲んでしまう。このような「食べすぎ・飲みすぎ」が原因となっています。
復習すると、ビール腹を解消する方法は以下の2点。
- 筋トレと有酸素運動で内臓脂肪を燃焼させる
- お酒やおつまみの、量と種類を調整する
飲む量や食事をコントロールし、適度な運動をしていけば、徐々にお腹はスッキリしてくるはずです。
「わかってはいるけれど、どうしてもビールを我慢できない」という場合は1杯だけ飲み、揚げ物を避けましょう。ビール好きな人がいきなり我慢するとストレスで逆効果の場合も。例えば「飲み会でのビールは1杯までOK。あとはレモンハイ」などルールを決めておくことも有効です。
飲み会の日が決まっているのであれば、その日の朝・昼の食事を減らす、運動量をいつもより多めにするなど調整していけば完璧。きっとあなたのビール腹は解消されていくはずです。
見た目や健康を気にせずにお酒を楽しめるよう、まずは今すぐスクワットから始めましょう。