
カラダづくりの豆知識
WriterQOOL編集部
インナーマッスルの嘘と真実。プランクで痩せるのは嘘?

「インナーマッスルを鍛えると痩せるって嘘? 本当?」「体幹とインナーマッスルの違いは?」
この記事では様々な噂や情報が飛び交うインナーマッスルについて、プロのパーソナルトレーナー監修のもと徹底解説。インナーマッスルの特徴や効果的なトレーニング方法も合わせてご紹介します。
監修者プロフィール

- パーソナルトレーナー監修者 谷口 嵩幸
-
フィットネスジムでのトレーナー経験を経て、2019年パーソナルトレーニングジム『B Conditioning』をオープン。
「カラダを動かし、体調を整えられることを一つの選択肢にできるように」という思いからくる、的確かつ明るいトレーニング指導が人気を博している。
インナーマッスルの基礎知識

早速ですが、インナーマッスルを一言で表すと、どんな筋肉でしょうか?

体の奥深くにある筋肉のことですね。一つの部位を指すわけではなく「総称」です。
インナーマッスル(深層筋)とは、体の深いところに位置する筋肉の総称。
骨や関節の動きを安定させたり、体のバランスを保ったり、姿勢を正しく維持したりと、とても大切な役割を担っています。
よく「インナーマッスル」と「体幹」が混同されがちですが、イコールとしてしまうと少し語弊があるということも教えていただきました。
インナーマッスルと体幹の違い

「体幹」と「インナーマッスル」を同義に扱われているシーンを目にしますが、これは明確に違うということですね?

その通りです。
インナーマッスルとは「体のさまざまな場所の、深い部分にある筋肉」。体幹とは「腰と骨盤の関節と筋肉」と捉えて下さい。
体幹とは、あくまで体の部分を指す言葉であり、関節や筋肉も含まれています。
一方、インナーマッスルとは、体の深い部分にある筋肉のことを指し、腹部や背部、腕や脚など、全身に存在する筋肉の総称です。
つまり、インナーマッスルは「体の深部の筋肉」、体幹は「体の部分」であり、意味が全く異なります。
主なインナーマッスルと、鍛えることで得られるメリット
インナーマッスルは、前述の通り体全体に存在しています。その中でも鍛えるべきは、体幹や高関節、股関節の深い位置にある以下のインナーマッスル。
体幹 | 肩関節 | 股関節 |
腹横筋 横隔膜 骨盤底筋群 多裂筋 |
肩甲下筋 棘上筋 棘下筋 小円筋 |
梨状筋 外閉鎖筋 内閉鎖筋 上双子筋 下双子筋 大腿方形筋 |

一口にインナーマッスルといっても沢山ありますね。これらの筋肉を鍛えると、どんなメリットがあるのでしょうか?

一言で言えば「関節を安定させられる」ということが一番のメリットです。
例えば腹横筋を鍛えると、腹直筋、腹斜筋と一緒に腰の骨を安定させ、腰痛の予防とお腹周りの引き締め効果を狙えます。腹圧が高まり、ボディバランスを向上させる効果も実感できるでしょう。
肩関節周辺のインナーマッスルであれば、肩の関節を動かす際の安定性が。股関節周辺のインナーマッスルであれば、骨盤全体の安定性が向上します。
普段の筋トレでインナーマッスルにも意識を向けて鍛えることで、スポーツや筋トレ時のパフォーマンスアップに繋がっていくでしょう。

関節の安定性が上がるなら、日常生活でも役立ちそうですね。

おっしゃる通りです。
インナーマッスルを強化して関節や体を支えられるようになると、例えば長時間歩くときの動きも安定します。日常生活でも大きなメリットがありますね。
インナーマッスルに関する嘘と真実をプロが解説
インナーマッスルについての基礎知識が分かったところで、次に気になるのは「インナーマッスルに関する噂」。
谷口さんからプロのパーソナルトレーナーの目線で解説していただきました。
プランクだけしていれば痩せる?→嘘に近い

「ダイエットにはプランクが最適」という情報もよくみますが、これについてはいかがでしょうか?

トレーニングの一つとして取り入れるのは良いですが、プランクだけしていればダイエットできるというわけではありません。
原則として、ダイエットを成功させるためには消費カロリーと摂取カロリーに気を配り、運動と食事でカロリーの収支をマイナスにする必要があります。摂取カロリーのほうが大きければ、痩せることができません。
ダイエットをしたい方は、筋トレだけではなく、有酸素運動や食事管理なども忘れずに取り入れるようにしてください。
インナーマッスルを鍛えれば腹筋は割れる?→嘘

インナーマッスルを強化すれば腹筋が割れるという話も聞いたことがありますが……ただ鍛えるだけでは難しいですよね?

その通りです。
残念ながら、筋肉をいくら鍛えても「脂肪」があれば腹筋が割れることはありません。
腹筋を鍛えつつ活動量を増やし、有酸素運動で体脂肪を落としていけば、少しずつ割れた腹筋が見えてきます。
また、割れた腹筋が欲しいからと言って腹筋を鍛えるトレーニングだけするのではなく、バランスよく、色々な部位を鍛えていくのが重要です。
パフォーマンスアップにはインナーマッスルを鍛えるのがベスト?→半分嘘

「パフォーマンスアップには、とにかくインナーマッスルを鍛えよう」という情報も目にします。こちらについてはいかがでしょうか?

パフォーマンスをアップさせたいのであれば、インナーマッスルだけを鍛えるのではなく、アウターマッスルとの連動を意識することが重要です。
また、力を入れるタイミングや、正しいトレーニングフォームを身につけるのも筋トレでは重要な要素。
実際に体を動かす筋肉がアウターマッスル、支える部分がインナーマッスルであると意識しながら鍛えることで、パフォーマンスは格段にアップするでしょう。
インナーマッスルを鍛えると怪我をしにくい?→ほぼ嘘

「怪我の防止にはインナーマッスル強化が効果的」とする噂についても興味があります。これも誤った情報でしょうか?

そうですね。インナーマッスルを鍛えることは、怪我を予防する一つの要因ではありますが、全てではありません。
怪我の原因として一番多いパターンは、効率の悪い動きが積み重なって一定の所に負荷がかかること。
効率の良い、正しい動きを繰り返すことができれば、インナーマッスルとアウターマッスルがうまく連動するため、怪我をしにくくなります。
つまり、怪我の防止に重要なのは、筋肉を連動させて「効率的な動き」を習得することです。

「youtubeのトレーニング動画を見ながら筋トレをしている」という方でも、誤ったフォームで、効率の悪い動きをしてしまっていることは少なくありません。
「効率のいい動き方」を身につけるには、実際に一度プロのトレーナーに見てもらうのが一番です。
インナーマッスルを鍛えると瞬発力がUPすると聞いたのですが本当?→嘘

瞬発力アップにもインナーマッスルが効果的というイメージがありますが、実際いかがでしょう?

残念ながら、それも誤った情報です。瞬発力をアップさせたいのであれば、効率的な動作で筋力とスピードを鍛えるトレーニングをするべきですね。
インナーマッスルは、前述した通り身体の姿勢やバランスをとるのに使われる筋肉。
力を発揮する役割を持つのは、アウターマッスルです。そして、インナーマッスルがアウターマッスルの動きをスムーズにする役割を持っています。
インナーマッスルだけでなく、アウターマッスルも含めた筋肉の連動と、効率的な動きを身に付けたうえで、筋力とスピードをアップさせるトレーニングが必要です。

例えば縦の動きの瞬発力を鍛えたいのであればスクワットジャンプ、横の瞬発力であればサイドランジなどのトレーニングがおすすめです。
インナーマッスルを鍛える効果的なトレーニング

おかげさまでインナーマッスルに関しての謎が解けました。実際に鍛えていくとなると、どんなトレーニングが良いでしょう?

インナーマッスルだけを狙って鍛えるというよりも、アウターマッスルとインナーマッスルの両方をバランスよく鍛えるメニューをおすすめします。
インナーマッスルだけを鍛えるのは難しいうえ、せっかくならアウターマッスルと同時に効率よく鍛えられるほうが良いでしょう。
ここからは谷口さんに聞いた「アウターマッスルとインナーマッスルをバランスよく鍛えられるトレーニングメニュー」をご紹介していきます。

バランスを取りながら動く必要のあるトレーニングメニューをピックアップしました。効率のいい体の動かし方を身につけましょう。
シングルレッグルーマニアンデッドリフト
- ダンベルを両手に持ち、片足で立つ
- 腰を曲げながら、上げた方の脚を少し曲げて後ろに上げていく
- 後ろの足をさらに後ろに移動させながら、上半身を床方向に下げていき、両腕を体の前に下げる
- 1秒キープし、2の体勢に戻る
- 10回3セットが目安
シングルレッグルーマニアンデッドリフトは、名前の通り片足だけで行うデッドリフト。
姿勢を安定させるためのインナー
初めて取り入れる際には、まずは軽い重量から試していき、少しずつ重量を増やしていきましょう。

頭からカカトまでが一直線の姿勢をキープするよう意識してください。膝がグラつきやすいのですが、膝とつま先を真正面に揃えて向けると安定します。
ダンベルゴブレットスクワット
- 胸の前でダンベルの片側を手のひらで支えるように持つ
- 両足は肩幅に開いて立ち、つま先は外側に向ける
- 腹筋を引き締め、お尻を斜め後ろに突き出すイメージで腰を落とす
- 1番低い位置で止めてから、ゆっくり最初の姿勢に戻る
- 10回3セットが目安
頭からお尻をまっすぐに保つことで、体幹のインナーマッ
ダンベルを前に持つことで姿勢をまっすぐに保ちやすくなるため、肩の負担が少なく、フォームが崩れにくいというメリットもあるメニューです。

とくに初心者の方は、腰を落とすときに膝だけを曲げてしまいがちです。座るようなイメージで、お尻を後ろに突き出しながら腰を落とし、太ももやお尻の筋肉で体を支えてください。
ハーフニーリングダンベルショルダープレス
- 片膝立ちになり、ダンベルを左右の手に持って肘を曲げてダンベルを顔の横にセットする
- 体幹のポジションをキープしたまま、ダンベルを上に押しあげる
- 1秒キープしたあと、ゆっくりダンベルを元に戻す
- 10回3セットが目安
脚を前後に開くため、横にぶれないように姿勢を安定させる必要があるトレーニング。体幹全体と肩周りの筋肉を同時に鍛えられるおすすめメニューです。
体がグラつかないように意識して姿勢を保ち、肩周辺の筋肉を動かしてダンベルを上下させましょう。

足は90度まで曲げたままキープしてください。このとき、膝とつま先は真正面を向けるのがコツ。お尻の位置がずれないように、常に体をまっすぐに保つようにしましょう。
インナーマッスルの嘘と真実まとめ
今回はプロのパーソナルトレーナーである谷口さんから、インナーマッスルに関する知識を詳しく教えていただきました。
インナーマッスルを鍛えれば関節が安定し、スポーツ時はもちろん日常生活の動作もスムーズになることがわかりました。
しかしインナーマッスルだけを鍛えることはそもそも難しく「あえてインナーマッスル単体を狙って鍛える」ことのメリットは薄いと言わざるを得ません。
トレーニング時は、アウターマッスルとインナーマッスル両方の動きを意識しながら鍛えることが最適。アウターマッスルに比べて嘘と真実が入り乱れやすいインナーマッスルの知識ですが、正しく理解したうえでトレーニングを取り入れ、効率よく鍛えていきましょう。
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