
カラダづくりの豆知識
WriterQOOL編集部
膝の痛みと運動不足の関係とは?簡単な運動とストレッチで改善しよう

膝の痛みの原因のほとんどは「運動不足」だと言われています。あなたのその痛みは、ストレッチや簡単なトレーニングで解消されるかもしれません。
この記事では運動不足と膝の痛みの関係性についてお話したうえで、膝に負担をかけずに行える簡単なトレーニングやケア方法をご紹介していきます。
「膝の痛み」と「運動不足」の関係性とは
膝の痛みには「運動不足による筋力と柔軟性の低下」が深く関係しているといわれています。
ここでは、まずは「運動不足」と「膝の痛み」の関係性をみていきましょう。運動不足によって膝が痛くなる原因を、下記の3点に分けて解説していきます。
- 下半身の筋力低下で、膝に負担がかかっている
- 柔軟性の低下で、足がスムーズに動かなくなっている
- 姿勢の悪化、体重増加で膝の負担が増えている

上記の3点はあくまで「運動不足」が原因の場合で、これが膝の痛みの元の全てというわけではありません。
膝の痛みや違和感を本格的に解消したいなら、まずは医師に相談することも検討して下さい。
下半身の筋力低下で、膝に負担がかかっている
膝のような関節部は、周辺の筋肉に支えられて成り立っています。支えになっている下半身の筋力が低下していることで、膝に無理な負担がかかって痛みがでているのかもしれません。
膝は太ももの「大腿骨」とすねの「脛骨」、膝の皿とも呼ばれる「膝蓋骨」という3つの骨で構成されており、それぞれの骨がぶつからないようにクッションの役目を果たしてるのが「軟骨」です。
その骨たちの動きをサポートする役割を、下半身の筋肉である「大腿四頭筋」や「ハムストリングス」「大臀筋」が担っているという構成。これらの筋力が低下すると、軟骨に負担がかかって骨が摩耗してしまい、結果的に膝の痛みに繋がります。
たとえば膝を立てて「よっこらしょ」と立ち上がるときに膝に違和感を感じるようなら、下半身の筋肉を鍛えることで改善されるかもしれません。
柔軟性の低下で、足がスムーズに動かなくなっている
あまり足を動かさずにいると「膝の関節の柔軟性」が下がり、足を滑らかに動かせなくなるばかりか周辺に痛みが生じる場合があります。程度によっては脚をしっかり伸ばせない状態になることも。
その状態が長く続くと、例えば歩くときにふくらはぎに負荷がかかることになり、股関節や足裏など膝以外の場所にも痛みが出てくることも。
もちろん関節だけでなく筋肉も同様で、下半身全体の柔軟性が下がった状態で歩いたり運動をしたりすることで、さらなる膝の痛みに繋がっていく……ということも考えられます。
姿勢の悪化、体重増加で膝の負担が増えている
筋力や柔軟性の低下に比べると膝への影響はすくないものの、猫背や反り腰などの「姿勢の悪化」や「肥満」も膝の痛みの原因になります。
そのうえ膝が痛いからと動くのがおっくうになると、さらに運動不足になり体重が増加、膝の状態が悪化するするという悪循環に陥る恐れも。
これらはストレッチや簡単な運動を心がけることで改善できます。無理のない範囲で取り組んでみましょう。
運動不足による膝の痛みを解消する方法
筋力低下が膝の痛みの原因かもしれないとはいえ、むやみにスクワットやデッドリフトなどの本格的な運動を始めると、かえって痛みがでてしまうかもしれません。まずは簡単な運動から始めていきましょう。
ここからは足の「柔軟性」や「筋力」を改善していくための、できるだけ膝関節に負担がかからないトレーニングやケア方法をご紹介していきます。
痛みが出ない程度に、さっそく日々の習慣に取り入れてみてください。
ひざ水平上げ運動
まずは「ひざ関節症クリニック」の紹介している下半身トレーニングをご紹介します。
椅子に座ったままできる筋トレで、重りも使わず安全に始められるメニューが「ひざ水平上げ運動」。膝の動きに関係する下半身の筋肉を鍛えられることで、動いたときの膝の痛みの改善に効果的です。
歩き出すときに膝が強ばったり痛みを感じたりする方は、まずはこのトレーニングから試してみて下さい。
ひざ水平上げ運動のやり方
- 椅子に座る
- 痛みのあるほうの足を2秒かけてのばす
- のばした足を2秒かけて元の位置に戻す
上記を10回行って1セット。時間を分けて1日10セットできればベストですが、無理のない範囲で動かしていきましょう。
股関節と大腿四頭筋のストレッチ
こちらは股関節と大腿四頭筋を延ばすストレッチメニュー。この2つの筋肉を伸ばすことで膝の柔軟性を改善し、痛みが和らぐ効果を期待できます。
膝関節を直接動かすわけではないため安全。ウォーキングやランニングの合間にも取り入れやすいストレッチです。
股関節と大腿四頭筋のストレッチのやり方
- 片方の脚で立ち、もう片方の脚の膝を曲げる
- 曲げた脚の足をつかみ、その足をお尻の方に引きつける
左右30秒ずつ行いましょう。足先をつかむとふくらはぎの筋肉も伸ばせるため、さらに効果的にストレッチできます。
トリガーポイントをもむ
一時的に痛みをやわらげるには「トリガーポイントのマッサージ」も有効です。
トリガーポイントとは、簡単にいうと「体内の痛みを知らせるセンサー」のこと。ピンポイントで痛みを感じる箇所があれば、そこをマッサージしてほぐすことで一時的に改善できる可能性があります。
たとえば仰向けで膝を上に伸ばしたときには痛みを感じず、歩いたときに膝が痛くなるという症状ならピッタリ。マッサージで痛みを和らげましょう。
トリガーポイントをマッサージするコツ
- 膝の周囲の筋肉を触り、押すと痛みが強い部分を見つける
- そのポイントを指で押し、最初の痛みから半分ほどに和らぐまで待つ
痛みが和らぐまでの時間には個人差があり、目安として30〜90秒ほど必要と言われています。
とはいえ根本的な解決になるわけではありません。最終的にはあくまで筋力アップや柔軟性アップを目指しましょう。
運動不足と膝の痛みに関するその他の疑問
Q.膝が「ポキッ」「パキッ」と鳴るのは運動不足が原因?
A. 今のところは、運動不足とは関係なく「関節のあいだにたまった空気の破裂音」だという説が有力です。
これは、実は未だに解明されていない人体の謎のひとつ。しかし「運動不足が原因ではないことは確か」だと言われています。
しかし膝の音が「ギシギシ」「ゴリゴリ」といった低い音だった場合、軟骨がすり減っている可能性があります。痛みが出ないうちに今回ご紹介したトレーニングやストレッチで対策していきましょう。
Q.スクワットをすると膝が痛みます。どうして?
A. フォームが間違っていて、筋肉ではなく膝関節で体重を支えてしまっているのかもしれません
太ももやお尻の筋肉に正しく力が入っていれば、膝に負荷はほとんど入りません。もしも膝の周辺に力が入ってしまっているような感覚があれば、すぐにフォームを見直しましょう。
スクワットの正しいフォームについては、下記の記事を参考にしてみてください。
Q. 膝が弱いけどダイエットしたい場合、どんな運動がおすすめ?
A. 膝への負担の軽いウォーキングから始めるのがおすすめです。
脂肪燃焼効果が高い有酸素運動のなかでは、ウォーキングがもっとも安全かつ誰にでもできる運動。ランニングや縄跳びの方が脂肪燃焼効果は上がりますが、その分膝への負担もアップします。
ダイエットにおいては「運動を継続していくこと」がもっとも大切。最初は短い距離のウォーキングからはじめて、徐々に距離を延ばしていきましょう。
運動不足による膝の痛みは、簡単な運動で解消できる
今回は運動不足と膝の痛みの関係性と、痛みの改善方法をご紹介しました。
ダイエットや健康維持のために、いきなり強度の高い運動を開始するのはおすすめしません。さらに膝を痛めてしまい動くのが億劫になりさらに動かなくなるとった悪循環に陥る可能性があります。
まずは今回ご紹介した簡単な運動やマッサージで改善したうえで、ウォーキングなど膝への負担が軽い運動からはじめていきましょう。