
下半身の筋トレ
WriterQOOL編集部
固いハムストリングスは「短時間×複数回」のストレッチで解消しよう

「足をまっすぐ伸ばせない」「落ちた物を拾うとき、上手く屈めない」気づけばこんな体になってしまっていたら、それは「ハムストリングス」が固いのが原因かもしれません。
固いハムストリングスを解消していくにはストレッチが効果的ですが、なかでも「短時間×複数回」のメニューがおすすめ。
この記事では固いハムストリングスを効果的に柔らかくするメソッドと、おすすめストレッチメニューをご紹介していきます。
固いハムストリングスには「短時間×複数回」のストレッチが効果的
固いハムストリングスをほぐすには「短時間×複数回」のストレッチがおすすめです。
群馬大学で2008年に行われた『反復性他動ストレッチングのハムストリングス伸張に及ぼす効果』という研究では、短い時間のストレッチを複数回繰り返す運動が、ハムストリングスを柔らかくするのに効果的だと結論付けられています。
この研究では「10秒×5回のストレッチ」と「50秒×1回のストレッチ」をした2つのグループに分けて「下肢伸展挙上角度(寝た状態で、足を伸ばしたまま上に持ち上げたときの角度)」を計測。
その結果「10秒×5回」のグループには効果がみられたものの「50秒×1回」グループでは効果が確認できなかったと結論付けられました。
今回の記事でも、この研究にならって「短時間×複数回」で行うハムストリングスのストレッチをご紹介していきます。意識して取り入れていけば、たとえば落ちたものを拾うとき、屈むときなどの日常生活の動きがスムーズになっていくでしょう。
固いハムストリングスを解消すると、日常動作がスムーズに
固いハムストリングスを解消できれば、日常生活の動きが快適に、スムーズになります。ここまでにもいくつか例にあげましたが、例えば以下のような悩みが解消されるでしょう。
- 落ちている物をかがんで拾うとき、うまく体が曲がらない
- 片膝をつく姿勢で作業をすると、すぐに太ももがしんどくなる
- 足を投げ出して座っても、なぜか足が真っ直ぐにならない
- 正座するだけで、太もも裏が張るように痛い
いつしか当たり前になってしまっていることもあるかもしれませんが、これらはストレッチでハムストリングスをほぐせば解消できるかもしれません。
ぜひストレッチや日常的な運動を取り入れて、快適なカラダを作っていきましょう。
ハムストリングスが固いのは運動不足が原因
しかし、そもそもハムストリングスが固くなってしまうのは「運動不足」が原因です。
つまり一時的にストレッチでほぐしたとしても、日常生活であまり使わなければまた固くなってしまうことも。
定期的に今回ご紹介するようなストレッチを取り入れるのも有効ですが、普段から意識して歩いたり、ももあげをしたりと、日常的に運動を取り入れていくのが良い解消法になるでしょう。
根本的に解消していきたい場合は、ぜひ運動を始めてみて下さい。
固いハムストリングスの解消に効果的なストレッチメニュー
ハムストリングスの固まりがもたらす影響は理解していただけたところで、ここでは固いハムストリングスを簡単にほぐせるストレッチをご紹介していきます。
これらのストレッチを取り入れるベストタイミングは、入浴後や運動後。このタイミングは血流が活発になっており、筋肉が伸びやすいことでストレッチ効果が高まります。
ここでご紹介する「短時間×複数回」のストレッチを取り入れて、固いハムストリングスを解消していきましょう。
ジャックナイフストレッチ
このジャックナイフストレッチは、徳島大学の西良浩一先生が提唱しているストレッチ。整形外科などでもリハビリの一環として取り入れられているほど効果が認められているメニューです。
先述した研究で効果が認められている「短時間×複数回」で行いやすいこともあり、非常に信頼性の高い種目。
日常的に取り入れるのは、この1メニューでも十分です。
ジャックナイフストレッチのやり方
- 両足をそろえて立つ
- ひざを曲げ、太ももとお腹をつけるようにかがみ、両手で足首を持つ
- 太ももとお腹をつけたまま膝を伸ばす
- 10秒で元に戻る
- 5回繰り返す
ポイント
- 太ももとお腹が離れないように注意する
椅子を使ったストレッチ
次に、椅子や段差をつかって足を伸ばした状態でおこなうストレッチをご紹介します。
まっすぐ伸ばすだけでなく、ハムストリングの外側・内側も細かく伸ばせて効果的なメニュー。デスクワークの合間などに取り入れてみて下さい。
椅子を使ったストレッチのやり方
- 段差の前に立ち、伸ばす足のかかとを段差に乗せる
- 背筋を伸ばしたまま、前に体を倒して10秒
- 体を右側に倒して10秒キープ
- 体を左側に倒して10秒キープ
ポイント
- 脚は真っ直ぐに伸ばし、体は無理して倒しすぎない
- 背中は丸めず、背筋を伸ばしたままおこなう
寝たまま行うストレッチ
次に、元体操選手の田中理恵さんが実践している「寝たままできるハムストリングスのストレッチ」をご紹介します。
初心者向けとして紹介されているのは全部で3種類ですが、そのうち寝たまま行えるストレッチは2種類。
最初のうちはうまく膝が伸びないかもしれませんが、無理せず続けていきましょう。
寝たまま行うストレッチのやり方
ストレッチ1
- 仰向けで足を上げ、まっすぐに膝を伸ばす
- 足首を上下に動かす
ストレッチ2
- 仰向けで片足をまっすぐ上に伸ばし、反対側の足の膝は曲げる
- 伸ばした足のひざ裏か太もも裏を持ち、自分のほうへ引き寄せる
ポイント
- 膝を持てない人は、タオルを引っ掛けておこなう
- 急がずゆっくり伸ばすことを意識する
- 決して無理はせず、できる範囲で
床に座っておこなうストレッチ
この床に座っておこなうストレッチは、いわゆる「前屈」を上手くするための方法。リハビリ目的で作られた「ピラティス」の種目の一種です。
しゃがむのがつらい人や、「足を伸ばして座っているのに膝が浮いてしまう」という人は、ぜひ取り入れてみて下さい。
やり方
- 右足を伸ばし、左足はあぐらをかく形で曲げる
- 姿勢を真っ直ぐ保ちながら、上半身を「少しだけ」前に倒す
- そのままキープする
- 左足も同様に伸ばす
- これを左右2回づつ繰り返す
ポイント
- かならず背筋を伸ばしたまま体を倒す
- 太もも裏とふくらはぎが地面につく面を増やすように、ぺったりと足を伸ばす
- お腹を引き上げ(小さいデニムをはくイメージ)ながら体を倒す
ストレッチポールを使ったマッサージ
ストレッチを取り入れるとともに「マッサージ」でハムストリングスのトリガーポイント(とくに固い部分)をほぐすと、固いハムストリングスを解消するのにさらに効果的です。
しかし太もも裏は自分で揉むには少々難しい箇所。そのため、ハムストリングスをマッサージしたいときはストレッチポール(フォームローラー)を使ってみて下さい。
とても簡単につかえますが、リハビリでも使われるグッズだけあって効果は抜群です。
ストレッチポールを使ったマッサージのやり方
- 片足の裏にストレッチポールをいれる
- もも裏の固い部分を中心に、ストレッチポールを転がす
ポイント
- 足を上下に重ねて体重をかけると、よりマッサージ効果が上がる
ハムストリングスが固いなら、さっそくストレッチを始めよう
固いハムストリングは「短時間×複数回」のストレッチを取り入れて解消していきましょう。
今回ご紹介したメニューのなかでも、とくに「ジャックナイフストレッチ」は人気が高く、みるみる効果が出ると評判です。
さっそく今日から始めて、スムーズに動けるカラダを作っていきましょう。