
カラダづくりの豆知識
WriterQOOL編集部
スピードトレーニングの効果的なやり方

「もっと脚が速ければ、相手を抜けるのに……」
多くのアスリートがスピードを上げたいと願っていますが、しかしスピードは生まれ持ったもので、上げることはできないと考えている方も多くいらっしゃいます。
確かに才能の部分はあります。しかし効果的な「スピードトレーニング」を行うことで、スピードを鍛えていくことは可能です。
この記事では日本代表レベルのアスリートへの指導経験があるプロトレーナー監修の元、スピードトレーニングについてわかりやすく解説していきます。
監修者プロフィール

- パーソナルトレーナー監修者 藤本 千晶
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2010年に仙台大学大学院修了後、車いすバスケットボール日本代表選手や高校バスケットボールチーム・大学男子ラクロスのストレングスコーチとして活動。
2016年からは活動拠点を栃木県宇都宮市に移し、パーソナルジムにて一般利用者を対象にした健康増進・体型改善のトレーニング指導を経験する。
現在はフリーランストレーナーとして、女性の体型改善専門のパーソナルトレーナー・オンラインダイエットコーチとして活動中。SNS
スピードトレーニングとは
スピードトレーニングとは、走る速度を上げるためのトレーニング方法全般のこと。特に方向転換を伴わない「直線的な動きの速度」を上げるためのトレーニングを指すことがほとんどです。
試合中に素早く動けると、様々な局面において有利に働きます。その中でも直線的に速く走れるスキルは、素早く動くための基礎の一つです。
素早く動けるようになるための能力として「アジリティ」がありますが、これは方向転換能力を伴ったものを指します。よってスピードトレーニングは、アジリティトレーニングの一部であるとも捉えられます。
単純に速く動けるようになることは、試合へ絶大な影響を及ぼす可能性があります。
試合を有利に進めるために、スピードトレーニングで自身のスピード能力を向上させていきましょう。
スピードトレーニングが効果的な場面
スピードトレーニングは、さまざまな競技にとって効果的になる可能性の高いトレーニングです。
ここでは具体的なシチュエーションを3つ例に挙げて、スピードトレーニングが役に立つ場面について解説していきます。
100mや110mハードルなどの短距離走
短距離走は、スピードトレーニングとの関連性が最もイメージしやすいのではないでしょうか。
100m走や110mハードル競技において直線に速く走ることは、勝敗にそのまま直結します。競技として行われていることの全てが、そのままスピードトレーニングであるとも考えられます。
これらの競技ではスピードを上げることがそのまま競技力になりますから、スピードトレーニングがとても重要になります。
ラグビーやサッカーなどで素早くゴールに向かって動く場面
多くの競技においてスピードは大切ですが、特にラグビーやサッカーはフィールドが広いため、より最大速度が重要になります。
走り始めには大きな差がないスピードですが、最大速度には人によりかなり差が出てきます。そしてその差は、走る距離が長ければより大きなものになります。
ゴール型の競技の中でもサッカーは90〜120m、ラグビーは94〜100mとかなりの長さがあります。走る速度に差があると、やはり試合運びにおける大きな差になりかねません。
わかりやすい例が7人制ラグビーアメリカ代表のカーリン・アイルズ選手。元陸上短距離の選手ですが圧倒的な速度で相手をぶっちぎっています。
ですからサッカーやラグビー、他にもアメフトなどにおいても、スピードトレーニングで直線速度を伸ばすことは大切です。
バスケットボール等におけるサイドステップの移動
直線的と聞くと「真っ直ぐ走る」ことを想像してしまいますが、サイドステップで横に直線的に動くこともスピードであると考えられます。
バスケットボールは素早く動くオフェンスをサイドステップでディフェンスする場面が多く、サイドステップの単純な速度を上げることはディフェンスをより有利にします。
もちろん方向転換するアジリティ能力も大切ですが、それをより素早く実現するためには、シンプルなスピードも重要になります。
おすすめのスピードトレーニング方法5選
正しいフォームで高重量のスクワット
正しいフォームで高重量のスクワットを行うと、それはスピードトレーニングになります。
スクワットで鍛えられる筋肉は下半身全般。特にお尻の筋肉である大臀筋や、太ももの筋肉である大腿四頭筋などにアプローチできます。これらの筋肉は全速力で走る際に使われており、高い力を出すことでスピードを上げることができます。
つまりスクワットでこれらの筋を鍛えることは、瞬間的に発揮する力を高めることに繋がります。
バーベルスクワットのやり方
- しっかり胸を張ってバーを背中に担ぎ、ラックから離れる
- 足幅を肩幅程度にひらき、つま先を30〜45度程度開く
- お尻を突き出して太ももが地面と平行になるまで下がる
- 太ももが地面と平行になるまで下がったら立ち上がってくる
- 決めた回数とセット繰り返す
※1 実施している最中は腰が曲がらないように注意
※2 足の裏全体は常に地面にベッタリくっついているように
ドロップジャンプ
ドロップジャンプのような、着地してからすぐに飛び上がるトレーニングも、スピードトレーニングになります。
着地したときには、ふくらはぎの筋肉や大腿四頭筋、大臀筋などが急激に引き延ばされます。
急激に引き延ばされた筋肉には「縮もうとする力」が生まれ、それを利用して飛び上がるときには、より高い力を発揮できるといった仕組みです。
このようなトレーニングのことをプライオメトリクスと呼びます。ドロップジャンプのような下半身のプライオメトリクスを行うことで、瞬間的に発揮する力をより高めることができるのです。
ドロップジャンプのやり方
- 30〜60cm程度の高さの台に上がる
- 片足を前に出して前に飛び降りる
- パワーポジションで着地をして、すぐに「全力で」飛び上がる
- 再度パワーポジションでソフトに着地
- 決めた回数とセットを繰り返す
スタートダッシュ練習
多くの競技において最も大切なスピードは初速です。最初の加速で相手に差をつけてしまうことで、相手を置き去りにする、あるいは追いつくことが可能になります。
そのために重要なのが、スタートダッシュ時の体の使い方。上手な体の使い方を身につけることで、素早いスタートを切ることができます。
このドリルの動きは多くのスポーツにとって効果的なものですので、ぜひ練習してみてください。
スタートダッシュのポイント
- 体をできるだけ前傾させる
- すねの角度を前傾させる
- スタートしてからも体の角度をキープする
メディシンボールフロントスロー
スタートダッシュ練習がフォーム作りならば、フロントスローは発揮する力を高めるためのトレーニングです。
素早くしゃがみ込んで筋肉を引き延ばすことで、プライオメトリクスとしての効果を狙えます。また実際のスタートダッシュに近い動作で、且つボールの負荷をかけてトレーニングできますので、スタートダッシュのトレーニングにもなります。
メディシンボールはスピードトレーニングに便利なグッズですので、積極的に活用しましょう。
メディシンボールフロントスローのやり方
- メディシンボールを両手で持つ
- 素早くしゃがみ込みながら、脚の間にボールを振り下ろす
- 思い切り前に跳びながらボールを投げる
- そのまま数mを全力ダッシュする
- 決めた回数とセットを繰り返す
サイドキック
サイドステップのスピードを上げるトレーニングには、サイドキックがおすすめです。
瞬間的に横方向に蹴る力を高め、サイドステップにおける移動速度を上げるためのトレーニングに繋がります。
必ず全速力で行い、また最大限に距離を出すことを意識して行いましょう。
サイドキックのやり方
- パワーポジションを作ります
- そのまま片足を上げます。
- 立ってる側の足で上げている足側へジャンプします
- 反対側の片足で着地して静止します。
- 静止したら反対側も行います。
スピードトレーニングを行う上での注意点
疲れているときに行わないこと
スピードトレーニングは疲れているときに行わないようにしましょう。せっかくのトレーニングが逆効果になってしまいかねません。
スピードトレーニングで大切なのは「フォーム」と「高い力を発揮すること」です。
しかし練習後などの疲れた状態では、正しいフォームを維持することは難しいですし、高い力を発揮できません。
スピードトレーニングは、基本的に体がフレッシュな状態で行いましょう。
追い込みすぎないこと
スピードトレーニングを行うときは、追い込みすぎないように気をつけて下さい。フォームが乱れてしまったり、高い力発揮ができなくなったりすることはもちろん、ケガをするリスクを上げてしまうことにも繋がりかねません。
スピードトレーニングは素早い動きで行うものが多い特性上、関節へ入ってくる衝撃も大きく、ダメージを受けやすいトレーニングです。
ですから追い込みすぎず、正しいフォームと限りなく最大に近い速度をキープして行うようにしましょう。
まとめ
スピードトレーニングは、直線的に動く速度を高めるために行います。試合を有利に進めるためには、ぜひ取り入れたいトレーニングですね。
様々な方法がありますが、どれも正しいフォームで、また高い速度で行う必要があるのが共通点。できるだけフレッシュな状態で行い、無理に追い込むことは避けましょう。
この記事を参考に、ぜひ自分に合ったスピードトレーニングを取り入れてみて下さい。
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