サッカーのフォワード（FW）とは？役割や動き方を解説

サッカーのフォワードの役割

フォワードはチームの攻撃を担当し、相手チームのディフェンスをかいくぐってゴールを決めるポジションです。

ディフェンス時には、相手ゴールに最も近い位置にポジションをとり、最前線から相手ボールを奪いにいく役割を担います。

オフェンス時の役割と動き方

オフェンス時に最も求められるのは、なんと言ってもゴール。

たとえ守備でチームに貢献できなくても、ゴールを決めて試合に勝てば、評価は大きく上がり、ときにMVPに選ばれることもあるのがフォワードの特徴です。

そのため相手のゴールマウス近くにポジションをとり、いつでもシュートを打つ動きが求められます。シュートを狙えない場面では、ドリブル突破や味方へのラストパスで決定的な場面を演出するなど、攻撃を完結させるための役割を果たします。

ディフェンス時の役割と動き方

相手ボールに対して、最初にボールを奪いにいくのがディフェンス時の役割。

味方チームの最前列にポジションをとり、相手ゴールエリアから中盤にかけて、相手にプレッシングをしかけます。プレッシャーをかけてミスを誘うとともに、ボールを奪ったらすぐ前に走り出さなければいけません。

守備と攻撃の素早い切り替えも必要となる点も、ディフェンス時のフォワードの特徴です。

サッカーのフォワードに求められる能力

フォワードに選ばれる選手には、相手のディフェンダーに競り勝ち得点を奪う能力が欠かせません。

フォワードに求められる得点を奪う能力とは、得点能力と身体能力、ボールコントロール能力の3つです。

得点能力

ここで言う得点能力とは、さまざまな種類のシュートを使い分けてゴールを決めること。

相手ディフェンスは、フォワードの攻撃パターンに合わせて守備を行います。攻撃パターンが単調だと、相手ディフェンダーに動きを読まれてしまい、なかなかゴールは奪えません。

そこで相手ディフェンスが態勢を整える前にゴールを狙うミドルシュートやロングシュートを使ったり、カーブをかけたシュートを打ったりすると、攻撃にバリエーションをもたらせるため、守備をかいくぐれる可能性もアップします。

さまざまなシュートでゴールを狙えれば、チームの勝利に大きく貢献できるのです。

身体能力

相手ディフェンダーに当たり負けしない体の強さ、誰よりも早くボールに追いつく足の速さ、高いジャンプ力といった能力が身体能力です。

体の強さがあれば、前線でボールをキープし味方の攻撃参加に繋げるポストプレイでチームの役に立てますし、スルーパスを追いかける時は、ディフェンダーに負けない足の速さが欠かせません。

あるいは高いジャンプ力があれば、コーナーキックやフリーキックの際にヘディングでもゴールを狙えます。

どれか一つ自分にしかない能力をもつフォワードは、どんなチームでも重宝される存在です。

ボールコントロール能力

ボールコントロール能力は、味方のパスを足元におさめて、正確なシュートに繋げる能力。

ゴール前の相手ディフェンダーは、自由にシュートを打たせないよう激しく体を寄せてきます。ボールを正確にトラップできなければ、正確なシュートを打てないばかりか、ボールを奪われたりクリアされたりします。

強いパスでも足元におさめるボールコントロール能力があれば、敵味方入り乱れるゴール前でも正確なシュートへ繋げられるのです。

フォワードの有名サッカー選手を紹介

得点を決めてチームを勝利に導くフォワードは、サッカーで最も人気のあるポジションといっても過言ではありません。

フォワードで活躍する選手は世界的に人気が高く、長者番付に名前を載せるなど高年棒であるのも特徴です。ここではその中でも、選りすぐりの5選手を紹介します。

• 高原直泰
• ロナウド
• ロメロ・ルカク
• ペレ
• 水樹寿人（みずきひさひと）

高原直泰

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U-16日本代表からフル代表まで、日本代表を務めた日本のゴールゲッター。

左右両方から威力抜群のシュートを放つのが特徴の高原は、2000年のシドニーオリンピックのグループリーグ予選で3ゴールを挙げる活躍をみせました。

181cmと、フォワードとして平均的な身長ながら、抜群のスピードと体幹の強さ、唯一無二の得点能力を活かし、2002年のJリーグでは史上最年少で得点王に輝き、リーグMVPも受賞。

勢いそのままに、ドイツ1部リーグのハンブルガーSVへ移籍し、スシボンバーの異名で大活躍しました。

2002年の日韓共催ワールドカップでは、大会直前の移動中にエコノミー症候群を発症し、残念ながらピッチには立てませんでした。しかし2006年ドイツワールドカップ開催前の強化試合で、優勝候補のドイツ相手に２ゴールあげ、日本のエースストライカーとして不動の地位を築きました。

ロナウド

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元ブラジル代表の伝説的フォワード。ブラジル代表として1998年、2002年、2006年と、3大会続けてワールドカップに出場しました。

2002年の日韓ワールドカップでは、準々決勝のイングランド戦以外の全試合でゴールをあげて大会得点王に輝き、ブラジルをワールドカップ優勝に導いています。フォワードが優勝の立役者となった、スタディケースとしても有名です。

陸上選手並みのスプリント力、屈強なディフェンスに当たり負けしない体の強さ、サイドネットに突き刺さるシュート精度と、フォワードに必要な能力を兼ね備えたロナウドは、フェノーメノ（超常現象）という愛称とともに相手ディフェンス陣に恐れられました。

右ひざ十字靭帯の断裂といったケガを繰り返し、故障に悩まされた選手としても有名ですが、ワールドカップ通算15得点を記録したりバロンドールを獲得したりと、世界的名声を得た選手でもあります。

レアルマドリードやACミランといった一流クラブで活躍したのち、2011年に引退しましたが、その活躍は現在のサッカー選手の語り草となっています。

ロメロ・ルカク

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身長191cmと恵まれた体格を活かし、フィジカルに優れるディフェンダー相手にも競り合いで圧倒するほど、身体能力に優れたフォワードです。強烈なミドルシュートでゴールを量産し、イタリアの名門インテルミラノでは年間34ゴールをあげ、クラブの最多得点記録に並びました。

インテルに所属していた2021年には20ゴールをあげながらリーグ2位となる11アシストを記録するなど、数々の得点シーンに絡みチームのリーグ優勝に貢献しています。2021年にはプレミアリーグのトップクラブであるチェルシーに、149億円という巨額の移籍金で移籍。

ベルギー代表としてワールドカップにも出場しており、通算60ゴール以上を記録している名フォワードです。

ペレ

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ブラジル人のペレは、著名人やサッカーファンから「サッカーの王様」「史上最高のサッカープレイヤー」と呼ばれる、サッカー界のレジェンド的なフォワードです。

15歳でプロデビューしてから引退するまで、22年間で1281得点をあげた記録は、「誰にも破られない」と言われています。

身長173cmと決して大柄とは言えない体格であるものの、100mを10秒台で走る抜群のスピードを誇り、一瞬の動きで相手ディフェンダーを置き去りにする瞬発力も兼ね備えています。

さらには高いジャンプ力からのヘディングシュートも武器としており、まさに万能型フォワードと呼ぶにふさわしい活躍をみせ、世界中のサッカーファンを楽しませてくれました。

1970年のワールドカップ決勝戦では、1ゴール2アシストの活躍でブラジルを優勝に導いています。「ブラジルの奇跡」と呼ばれ、ブラジルはもちろん海外でも話題となり、ブラジルの高度経済成長を後押したと話題になりました。

サッカーのみにとどまらず、国の経済にまで影響を与えた伝説的選手です。

DAYS｜水樹寿人（みずきひさひと）

水樹寿人は、2013年から2021年まで少年マガジンで連絡された人気サッカー漫画「DAYS」のフォワードです。

主人公の柄本つくしが所属する、聖蹟高校サッカー部の主将も務めていました。高校からサッカーを始めてわずか3年で、全国に名前がとどろくほどの選手となった怪物フォワードで、高校卒業後にはJリーグの鹿島アントラーズへ入団。

身長176cmと、フォワードとして平均的な身長ながら高い身体能力を誇り、ディフェンダーを引きずってでもゴールに突進していくパワープレイが持ち味です。

大砲とも評されるミドルシュートを武器とし、ゴール前でのアクロバティックなプレイも魅力的。擬音でチームメイトと会話するなど、天然な面も見られますが、ケガを隠したまま全力プレイするなど、人柄でも人気を集めるフォワード選手です。

サッカーのフォワードはチームを勝利に導く存在である

フォワードはチームを勝利に導く存在です。

相手チームより1点でも多く得点しなければいけないサッカーの試合では、フォワードの活躍が欠かせません。そしてテレビなどで必ずゴールシーンがリプレイされるように、ゴールシーンは一番の見どころとなっています。

チームを勝利に導き、ファンの心を熱くさせるフォワードが、いつの時代もサッカーを盛り上げてくれているのです。