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WriterQOOL編集部

サッカーの基本ルールを簡単に解説。初心者が試合観戦を楽しむ基礎知識

サッカーの基本ルールを簡単に解説。初心者が試合観戦を楽しむ基礎知識

本記事では、サッカーの基本ルールについて解説していきます。

サッカーは、日本代表の試合がTVで多く放映されることからファンが多い一方で、「試合が流動的でどうなっているのかわからない」「複雑なルールを覚えられない」という意見もよく聞くスポーツです。

さらにルールの改定も多く「自分がサッカーをやっていた頃とは変わっている」といった声も耳にします。

そこで今回は、サッカーの基本ルールや反則の種類、改定された特筆するべきルールなど、サッカーのルールについて網羅的にまとめました。

ぜひサッカーのルールを理解して、試合観戦や自身のプレーの参考にしてください。

執筆・監修者プロフィール

監修者 山田 康太
監修者 山田 康太

元関東サッカーリーグ2部プレイヤー。

宮城県工業高校出身。幼少期からサッカーを始め、高校2年時には「近畿まほろば総体」出場、高校3年時に「第88回全国高校サッカー選手権」出場を果たす。その後、産業能率大学に進学し、大学4年時には神奈川県成年男子代表として「長崎がんばらんば国体」ベスト8を経験。社会人になってからは、関東サッカーリーグ2部におけるプレー経験がある。
現在は15年のサッカー競技歴を活かし、スポーツライターとして活動中。

 

大会実績

 

・2009年「近畿まほろば総体」出場
・2011年「第88回全国高校サッカー選手権大会」出場
・2014年「長崎がんばらんば国体」ベスト8

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サッカーの基本ルール

サッカーはゴールマウスにボールを入れて、点数を競うスポーツです。

1試合に出場できる人数や試合時間、決着がつかない場合の決着方法など、ルールが複雑に定められています。さらに試合終了時間を過ぎても試合が続くこともあるため「今どういう状況なのかわかりづらい」と思われやすいのも事実です。

そんなサッカーにそれほど詳しくない方も、基本ルールをおさえることでよりサッカーの試合を楽しめるはず。

それではどのような基本ルールのもと、サッカーの試合が進められるのか解説していきます。

試合に出場できる人数

サッカーの試合でフィールドに立てるのは、各チーム11人ずつ。ベンチには控え選手がおり、規定に応じた回数と人数の選手交代ができるため、多くの選手に出場機会があります。

日本のプロリーグである「Jリーグ」の例を挙げると、登録メンバーは18名。ベンチ入りできるメンバー数は「7名」、交代については「3回・5名まで」と規定されています。とはいえ年代や大会によってさまざまですので、あくまでも目安として考えてください。

戦略や選手のコンディションに応じて、登録されるメンバーは試合ごとに異なるため、好きな選手が登録されているかチェックしながら試合観戦を楽しみましょう。

試合時間

サッカーの試合時間は「1試合90分」が基本。45分ずつに分けて試合が行われ、前半と後半の間には最大15分間の「ハーフタイム」が設けられています。

また試合時間は、年代によって大きく異なるのも特徴的。

サッカーをより楽しむための参考知識として、ぜひ覚えておいてください。

年代 試合時間
小学生 30〜40分
中学生 60分
高校生 80〜90分
大学生以上(Jリーグを含む) 90分

アディショナルタイム

アディショナルタイムは、規定の試合時間が終了したあともプレーが続けられる時間のこと。

アディショナルタイムは、選手交代や負傷者の対応など、プレーが止まっていた時間にもとづいて算出されます。プレー以外で経過した時間による、両チームの不公平感をなくすことが目的です。

かつては「ロスタイム」と呼ばれていましたが、今ではアディショナルタイムに統一されていることも覚えておきましょう。

延長戦

リーグ戦やグループリーグの場合だと引き分けが認められますが、トーナメント戦の場合は決着をつけなければなりません。

その場合に規定の試合時間を終了しても決着がつかなければ、延長戦に突入します。

延長戦の時間は、前後半15分ハーフの「30分」が基本。通常の場合と異なり、前半と後半の間に「ハーフタイム」が設けられていないのも特徴の一つ。

90分を戦った選手たちは大きな疲労を感じているため、選手交代などのチーム戦術も見どころです。延長戦に突入した場合のみ、追加で1人の選手交代が認められる大会もありますので、ぜひ覚えておきましょう。

PK戦

上記の延長戦でも決着がつかない場合は、PK戦に入ります。

PK戦は各チーム5人ずつペナルティキックを行い、勝敗を決めるものです。

PK戦は必ず決着がつくことも特徴で、決着がつくまでペナルティキックが繰り返されます。両チーム5人ずつ蹴り終わっても決着がつかない場合は、一方が成功し、一方が失敗するまで続けられるサドンデス方式で決着をつけます。

決着をつけるための興奮と緊張をダイレクトに味わえるPK戦。ぜひルールを覚えて、ハラハラ感を味わってみてください。

サッカーのポジション

サッカーでは、個々人にポジションが割り当てられるのも特徴の一つ。

大きく「フィールドプレーヤー」と「ゴールキーパー」に分けられ、フィールドプレーヤーにも攻撃的なポジションと守備的なポジションがあります。

ここではそれぞれのポジションで異なる役割を、簡単に確認しておきましょう。

GK:ゴールキーパー

ゴールキーパー(GK)は、自チームのゴールマウスを守ることが役割。サッカーにおいて唯一、手が使えるポジションです。

チームメンバー11人の中で、キーパーだけ色の違うユニフォームを着用するのも特徴の一つ。

ゴールを守ることがメインの役割ですので、シュートを止める場面で特に注目されるものの、現代サッカーではキーパーにも足元の技術が求められています。

よりサッカーを深く楽しみたい方は、キーパーとフィールドプレーヤーのパス交換にも注目してみると良いでしょう。

DF:ディフェンダー

ディフェンダー(DF)は、守備的な役割を果たすポジション。大きく中央を守るセンターバック(CB)とサイドを守るサイドバック(SB)の2種類に分けられます。

センターバックには大柄でヘディングが強い選手が、サイドバックにはスタミナとスピード、キック精度を兼ね備えた選手が配置されるのが一般的とされています。

MF:ミッドフィルダー

ミッドフィルダー(MF)は、守備的な役割も果たしつつ、攻撃的な役割も求められるポジション。俗にいう「中盤」と呼ばれるポジションです。

主に「攻撃的なミッドフィルダー」と「守備的なミッドフィルダー」に分けられ、攻撃的なミッドフィルダーは「トップ下(OMF)」や「サイドハーフ(SH)」、守備的なミッドフィルダーは「ボランチ(DMF)」と呼ばれています。

どのミッドフィルダーもパスやシュート、ドリブルなど、サッカーの基本的な能力が求められるのも特徴です。

FW:フォワード

フォワード(FW)は、攻撃的な役割を果たすポジション。最も相手チームのゴールマウスの近い位置を取り、得点を決めることが求められるポジションです。

フォワードにも3種類ほど分けられており、常にゴールを狙い続けるセンターフォワード(CF)や、センターフォワードよりも少し引き気味にポジションを取るセカンドトップ(ST)、サイドからゴールを狙うウィング(WG)などがあります。

とはいえどのポジションでも、得点に絡むプレーを求められていることに変わりはありません。

サッカーコートの各名称

サッカーコートをよく見ると、白線で区切られていることがわかります。

白線は「ライン」と呼ばれますが、どのラインからボールがアウトしたのかが試合の再開方法に直接かかわるのです。

ここではそんな、試合の再開方法にかかわる「ライン」を紹介していきます。

ゴールライン

ゴールラインは、長方形の短いほうの2ライン。ライン上にゴールマウスが存在しているラインです。

攻撃側と守備側のどちらが最後にボールに触れてラインを割ったかによって、再開方法が変わるラインでもあります。

得点が認められるのは、ゴールマウス内でボールが完全にラインを超えた時であることも覚えておきましょう。ボールの一部だけゴールラインを超えただけでは、ゴールは認められません。

タッチライン

タッチラインは、長方形の長いほうの2ライン。サッカー観戦をしていると「サイドライン」と耳にしたことがあるかもしれませんが、正式名称は「タッチライン」です。

画像のように長さが印象的なタッチラインですが、「ゴールラインより必ず長くなければならない」と定められているのも特徴の一つ。

ゴールマウスが無く、ゴールラインより長いラインはタッチラインと覚えておきましょう。

ペナルティエリア

ペナルティエリアは、ゴールマウスの前に広がる大きなボックスのこと。ゴールキーパーが手を使える範囲を表しています。

また、ペナルティエリア内のより小さなボックスであるゴールエリアや、ペナルティキックを蹴るペナルティマークなども記されています。

ペナルティエリア内での攻防は、ゴールに直結しやすいため激しくなりがち。特にペナルティエリアに入るか入らないかの際どいラインでは、より激しいプレーが繰り広げられていますので、ぜひ注目してみてください。

センターサークル

センターサークルは、サッカーコートの中心に描かれている円のこと。センターサークルの中心をセンターマークと呼びます。

キックオフの際に活躍する印象の強いセンターサークルですが、実はPK戦の際にも役割を持っています。PK戦になると、キッカーとゴールキーパー以外はセンターサークルの中に入らなければなりません。

PK戦を観戦する際は、キッカー以外の選手たちがどこにいるか、注目してみてください。

サッカーの試合開始および再開方法

サッカーでは、「どこからボールが出たか」と「どちらのチームが最後にボールに触れていたか」によって試合の再開方法が異なります。

特に重要なのが「どちらのチームが最後にボールに触れていたか」。サッカー観戦の際は、注目して見てみましょう。

ここでは試合の再開方法について紹介します。

割ったライン 最後に触れたチーム 再開方法
ゴールライン 攻撃側 ゴールキック
ゴールライン 守備側 コーナーキック
タッチライン 攻撃側 守備側のスローイン
タッチライン 守備側 攻撃側のスローイン

キックオフ

キックオフは、サッカーの試合開始のこと。前半と後半、それぞれの開始や、得点が決まった際の再開方法になります。

センターサークルの中心部であるセンターマークから、ボールを蹴り出すことで試合が再開。ボールはどの方向に蹴り出しても良く、キックオフを行うチームはセンターサークル内に何人入っても良いとされています。

戦略的に前に蹴り出すのか、後ろにパスをするのか、チームによって違いが出るのもポイントです。

ゴールキック

ゴールキックは、攻撃側が最後に触れたボールがゴールラインを割った場合の再開方法のこと。ゴールエリア内からボールを蹴り出すことで、試合が再開します。

大きく蹴り出すチームもあれば、パスを繋いでいくチームもあるなど、戦術に応じて変化するのも特徴。パスをつなぐ場合、ペナルティエリア内でパスを受けても問題ありません。

コーナーキック

コーナーキックは、守備側が最後に触れたボールがゴールラインを割った場合の再開方法。「コーナーアーク」と呼ばれるサッカーコートの4つ角からボールを蹴り込むことで再開する方法で、ゴールラインを割った場所から1番近いコーナーアークが選択されます。

コーナーキックから多くの得点が生み出されているなど、重要な再開方法の一つ。多くの場合はクロスを入れる形でゴール前に蹴り込みますが、パスをつなぐ「ショートコーナー」と呼ばれる方法もあります。

スローイン

スローインは、ボールがタッチラインを割ってしまった場合の再開方法。最後に触れたチームとは逆のチームが、スローインを行います。

フィールドプレーヤーが唯一、手を使うことを許されているのも特徴的。両手でボールを持ち、頭上を通り越すような形で投げ入れます。

誤ったフォームでスローインをしてしまった場合、「ファウルスロー」となり、相手チームへスローインの権利が移ることも覚えておきましょう。

直接フリーキック

直接フリーキックは、キッカーが蹴ったボールが直接ゴールに入れば得点が認められるフリーキックのこと。過剰な接触などの反則が発生した場合に多く見られます。

反則があった地点にボールを置き、キッカーが蹴り出すことで試合が再開します。コーナーキックのようにゴール前にクロスを上げる場合や、直接ゴールを狙う場合など、場所や状況、キッカーによってさまざまです。

ディフェンスの意表をつくようなサインプレーも、見どころの一つです。

間接フリーキック

間接フリーキックは、キッカーが蹴ったボールが直接ゴールに入っても得点が認められないフリーキックのこと。主に接触の伴わない反則が発生したケースに見られます。

直接ゴールに入っても得点が認められないため、ゴール前にボールを蹴りこんだり、ボール付近に2人で立ち、少しボールに触れてからシュートをしたりするのが一般的です。

直接フリーキックと同様、サインプレーなどの特殊な方法で再開させるチームもあります。

ペナルティキック

ペナルティキックは、守備側が直接フリーキックとなる反則をペナルティエリア内で犯してしまった場合の試合再開方法。ペナルティエリア内のゴール正面にある、ペナルティマークからフリーでシュートをうちます。

キッカーとキーパーの1対1の勝負であり、誰にも邪魔されずにシュートできるため、得点の確率が非常に高いのも特徴的。キッカーがボールを蹴り終わるまで、味方を含めたキッカー以外のフィールドプレーヤーはペナルティエリアに入れません。

ドロップボール

ドロップボールは、不測の事態により試合が中断してしまった場合の再開方法。ボールの破損や接触以外によるプレーヤーの負傷などによって試合が中断してしまう場合に適用されます。

審判がボールを手で持ち、地面に落とすことで試合が再開。どちらのボールでもないところから試合が再開されるため、地面にボールがついた時点で激しい奪い合いが発生していました。

しかし現在はルールが改正され、最後に保持していた選手一人にボールを渡し、両チームの他の選手はボールから4m以上の距離を取らなければならないとされています。

サッカーの反則ルール

サッカーの反則は主に「ファウル」と呼ばれます。

試合中に、審判が笛を吹いて試合を一時中断している場面の多くは「ファウル」と判定された場面。

ファウルは、前述の「直接フリーキック」となるものと「間接フリーキック」となるものの2種類に分かれます。

ここからは各種ファウルについて解説していきます。

直接フリーキックとなるファウル10種類

直接フリーキックとなるファウルは主に10種類。「相手競技者に対して、不用意に、無謀に、または過剰な力で」反則をした場合が要件となります。

ほとんどのファウルは、選手同士の接触が伴うファウル。中には相手選手を負傷させかねない、危険なファウルも存在します。

以下では直接フリーキックとなる、10種類のファウルについて簡潔に解説します。

チャージング

相手選手に対して肩をぶつけるチャージが、不用意に、無謀に、過剰な力で行われること。

ショルダーチャージは本来正当なチャージですが、後ろからチャージしたり相手を突き飛ばすような力でのチャージしたりする場合、ファウルに該当します。

ジャンピングアット

相手選手に飛びかかること。

ジャンプした際、不意に相手選手と衝突してしまう場合や、ボールを奪いに行くふりをして相手に飛びかかった時にもファウルとなります。

キッキング

相手選手を蹴ったり、蹴ろうとしたりすること。

ボールを奪おうとして出した足で、意図せず相手選手の足に触れてしまった場合や、ボールではなく相手選手を蹴る、もしくは蹴ろうとした場合がファウルになります。

プッシング

相手選手を、押すこと。手だけではなく、腕や胸などの他の部位でも該当します。

位置を確認する目的で、相手選手に手で触れることはプッシングには該当しません。

ストライキング

相手選手を殴ったり殴ろうとしたりすること。

ボールを受ける際に挙げた手が、相手選手に当たってしまった場合もファウルになります。

また手を使って殴るケースだけでなく、頭突きもストライキングに該当します。

ファウルタックル

主にスライディングタックルのこと。

相手選手に対してスライディングタックルをした際、ボールに触れる前に相手選手に触れてしまった場合に該当します。

相手の後ろからやボールを持っていない選手に対してのスライディングタックルも、もちろんファウルです。

トリッピング

相手選手をつまづかせる、もしくはつまづかせようとすること。

足だけでなく、体を使って相手選手をつまづかせてしまった場合などにも該当します。

ボールを奪おうとして出した足に、相手選手がつまづいた場合でもファウルになります。

ホールディング

相手選手を押さえる、もしくは押さえつけること。

ユニフォームを引っ張ったり、セットプレー時に相手選手を押さえて動きを制限したりする場合などが該当します。

スピッティング

相手選手に対して、意図的に唾を吐くこと。

試合観戦をしていると、プレーの合間に唾を吐いている選手を良く見かけますが、あからさまに相手選手に対して唾を吐いていると認められた場合、スピッティングを取られます。

ハンドリング

キーパー以外の選手が手・腕でボールを意図的に扱うこと。

ボールが手や腕に対して、不意に当たっただけでは反則とはならず、手や腕の動きが不自然かどうかが重要視されています。

間接フリーキックとなるファウル6種類

間接フリーキックとなるファウルは主に6種類。主に自分たちのミスから反則となるものや、危険なプレーが認められる反則であるものが多い傾向にあります。

試合の中では間接フリーキックか直接フリーキックか少々分かりづらいのも確かですが、試合を進行するうえでは重要な違いですので、この機会にきちんと覚えておきましょう。

以下、間接フリーキックとなる6種類のファウルについて簡潔に解説します。

デンジャラスプレー

主審から危険なプレーだと判断されること。負傷する危険性のある行動はもちろん、相手選手が負傷を恐れてプレーができない場合も該当します。

相手に対してスパイクの裏を見せてのタックルや、ヘディングをしようとしている選手に対して足でボールを触ろうとすることが挙げられます。

オブストラクション

ボールとは関係のない場所で、相手選手の進路妨害をすること。

相手選手がパスを受けようした動きを制限させたり、ドリブルしている選手に正面からぶつかったりする場合などが挙げられます。

6秒ルール

ゴールキーパーがボールをキャッチしてから、6秒以上ボールを手で保持すること。

手からボールを離し、足でボールを扱っている時間はカウントされません。

バックパス

フィールドプレーヤーが意図的に足を使ったボールを、ゴールキーパーが手でキャッチをすること。

足以外の頭や胸、ももなどを使用してパスをした場合は、手でキャッチしても問題ありません。

また足を使って蹴ったボールが、キーパーに対しての意図的なパスではない場合も手でキャッチできます。

オフサイド

パスが出た瞬間、オフサイドポジションにいる味方にパスがプレーに関与した場合にとられる反則のことです。

オフサイドポジションとは、オフサイドラインを超えた範囲のこと。

守備側のキーパーを含めたプレーヤーのうち、ゴールラインから数えて2番目にいる選手がオフサイドラインの基準になります。

ボールを受ける選手の手や足など、体の一部だけがオフサイドポジションにある場合でもオフサイドです。

シミュレーション

審判の目を欺いて、反則を取ってもらおうとすること。

ドリブル中などで足がかかっていないにもかかわらず、足がかかったふりをして倒れることなどが挙げられます。

サッカーの反則におけるカード

サッカーでは、ここまで見てきたファウルのうち、危険なプレーや悪質なファウルにはカードが提示されます。

ここでは「イエローカード」と「レッドカード」の2種類のカードについて、それぞれ解説していきます。

イエローカード

イエローカードは反則を繰り返し行った場合や、通常の反則よりも危険な反則と判断された場合に出される警告のこと。

1試合中の1枚目は警告、2枚目は退場を意味します。

危険なラフプレーはもちろん、審判に対しての過剰な異議申し立てやユニフォームを脱いでしまう行為もイエローカードの対象です。

リーグ戦などの場合は、イエローカードが累積することも特徴。

詳細はリーグによって異なりますが、例えば全部で3試合を行う大会で、1試合目と2試合目にそれぞれ1枚ずつイエローカードを受けた場合、累積警告となり3試合目は出場停止となることも覚えておきましょう。

レッドカード

レッドカードは相手チームの決定的なチャンスを反則で阻止したり、非常に危険なプレーの場合に出されるカード。

相手選手に唾を吐く行為や、ゴールが決まりそうな場面でキーパー以外が手を使って防いだ場合などに出されます。

また相手が決定的なチャンスを迎えようとしている場合に、意図的に足をかけたり手を使って相手を止めようとした場合もレッドカードの対象です。

レッドカードを受けた場合は一発退場となり、それ以降はプレーできないばかりか、選手の補充もできなくなります。本来11人で戦えるところ、10人でプレーしなければならないため、非常に不利な状況を招いてしまうのです。

その他覚えておきたいサッカーのルール

サッカーには、知っているとより試合の流れを理解しやすくなるルールがあります。

反則があった場合にもあえて笛を吹かずに試合を続行するものや、反則があったか際どい場面を正確に判断するためのビデオ判定などを、ぜひ覚えておきましょう。

アドバンテージ

アドバンテージとは、ファウルが発生しても試合を中断することなくプレーを続けること。

守備側が攻撃側に対して何かしらのファウルを犯した際、試合を中断せずに継続したほうが利益を受ける場合などにアドバンテージが取られます。

例えばドリブル中に足をかけられたあと、倒れずにプレーを続行し、シュートまで持ち込めそうな場面などです。

もちろん反則自体が見逃されるわけではなく、カードの対象となる反則に対しては、プレーが中断したタイミングでカードが提示されます。

VAR

VARとは、ビデオ・アシスタント・レフェリーの略であり、映像を用いて審判のジャッジを補助するシステムのこと。2016年から試験導入された、比較的新しいシステムです。

通常の審判団とは別に存在しているVAR専門の審判団は、試合の最中に主審への助言を行っています。

主にボールがゴールラインを割ったかどうかや、PKかどうか、レッドカードの対象かどうかのような、試合の流れを大きく左右する場面に適用されます。

改訂された印象的なサッカーのルール

久しぶりにサッカーを行うと、ルールが変更されており戸惑った経験もあるのではないでしょうか。少なくともサッカー経験者である筆者は、戸惑ったルールがあります。

それもそのはずでサッカーでは、ほぼ毎年と言っていいほど頻繁にルールが改定されています。

その時々のサッカー戦略のトレンドに対応するためなど、理由はさまざまありますが、共通して言えるのは「サッカーをよりよくするため」です。

ここでは、特に変化が大きいと感じたルール変更について解説していきます。

キックオフの改訂

以前のキックオフは、「一度、必ずボールを相手陣内に入れなければならない」や「相手陣内に足が入り込んではいけない」などのルールが定められていました。

そのためキックオフの際はボール付近に2人の選手が構えており、1人が相手陣内にボールを少し蹴りこみ、もう1人がパスやドリブルをするパターンが一般的でした。

しかし今では、キックオフ時に相手陣内にボールを入れる必要もなければ、キッカーは相手陣内に足を踏み込んでも問題ありません。

2016年のルール改定により、自陣へ直接パスを出すことが可能となり、1人でキックオフをすることも可能になったのです。

ゴールキックの改訂

以前のゴールキックでは、蹴りだされたボールをペナルティエリア内で触れてはいけませんでした。

もしペナルティエリア内で味方選手がボールに触れてしまった場合は、触れた場所で相手チームに間接フリーキックが与えられていたのです。

2019年の改正後で、ペナルティエリア内でパスを受けることが可能になり、ディフェンスからパスをつないで攻撃を組み立てるサッカーが、主流となりました。

その影響もあり、近年ではディフェンダーに加え、ゴールキーパーでさえも足元の技術が求められるなど、戦術の幅はさらに広がりを見せています。

キーパーに対するチャージングの改訂

サッカー観戦をしていると、未だに耳にする「キーパーチャージ」ですが、実は1997年のルール改定で廃止されています。

以前はキーパーに対する接触を反則として扱っていましたが、今ではキーパーもフィールドプレーヤーの一員として認識されているため、キーパーと競り合うことが認められているのです。

もちろんキーパーに対するファウルは適用されますが、ゴールキーパーというポジションの特性上、一概にフィールドプレーヤーと同じ基準で判断するのは難しいのも事実。

キーパーがボールをキャッチしにいくタイミングで競り合っているのか、既にボールをキャッチした後に競り合っているのかなど、きわどいタイミングが多々ありますが、「不用意に、無謀に、または過剰な力で」はないのかに注目して見ると、より試合観戦を楽めるはずです。

まとめ

今回は、サッカーの基本ルールについて紹介しました。

目まぐるしく攻守が入れ替わり、なんとなく見ているだけだと流れについていけないのがサッカーです。そのためルールを理解することが、試合の流れを理解することにつながります。

特に試合の再開方法やファウルの種類などのポイントを把握しておくと、「試合が今どうなっているのか」を理解しやすく、今までとは違った楽しみ方ができるはず。

ぜひ本記事を繰り返し読み返していただきながら多くの試合に触れ、少しずつルールを覚えてみましょう。

QOOL編集部
プロとして実績のある身体づくりの専門家を監修者に迎え、正しいフィットネス情報を発信。クールなカラダをつくるためのモチベーションアップをお手伝いします。