
トレーニングメニュー
WriterQOOL編集部
電車は動くジムである。体幹と全身を鍛える電車×筋トレメニュー7選

電車はまさに動くジム。丈夫なつり革やポール、ときに激しい揺れ。そこにちょうど良い高さの座席もあるとなれば、通勤時間はフィットネスタイム。この記事では電車内で気軽にできる筋トレと、その効果をご紹介します。
【QOOL編集部おすすめ】電車筋トレメニューはこちら
電車筋トレで筋力アップ・体幹強化・ダイエットが叶う
電車筋トレを取り入れると、いつもスマホや本を見ているだけだった時間が、全身フィットネスタイムに早変わり。揺れる車内でバランスを取って踏ん張るだけでも、姿勢が良くなったり、体力が上がったりと効果満点です。
しかし注意しておきたいことは、常に「効かせたい筋肉」や「正しい姿勢」を意識すること。今どの筋肉を使っていて、どのような姿勢がベストか。それによって、どんな効果が得られるか。
たとえカジュアルな電車筋トレでも、これらを意識してトレーニングすることが大切です。
電車筋トレで得られる効果
電車筋トレでは、「電車の走行中の揺れ」を有効活用します。揺れに抗うために自然とバランスを取ることで、どのメニューでも体幹を鍛える効果がアップ。
「姿勢改善・腰痛予防・筋力や体力の向上」といった様々なメリットを得られます。さらにそれだけではなく、嬉しいダイエット効果も。
出典:マイナビニュース
マイナビニュースの調査によると、揺れる電車内では立っているだけでもカロリーを消費するそう。例えば、70kgの40歳男性が電車内で30分立っているだけで、65kcalのエネルギー消費に。
つまり電車筋トレは、「各メニューによる筋力アップ・揺れによる体幹強化・ダイエット効果」の3つの効果が得られる、素晴らしいトレーニングと言えます。
電車で筋トレを行うメリット
メリット1. 移動時間を有効に使える
通勤や通学などの移動時間を有効に使うことができるのが、電車で筋トレを行うメリット。
普段忙しくて運動する時間が取れない人でも、移動で電車に乗ったときならば体幹を鍛えられます。
メリット2. 筋トレを習慣にできる
筋トレは、1回やっただけで効果が出るものではありません。
1日ハードなトレーニングをするより、軽い負荷でも継続することが大切です。
通勤や通学で電車をのるときに必ず行えば、習慣的にトレーニングを継続できるようになります。それにより、体の変化を実感できるでしょう。
電車筋トレのおすすめメニュー7選
それでは、おすすめの電車筋トレメニューをご紹介していきます。いずれも道具なしで手軽にできるメニュー。ぜひ毎日の通勤時間に活用してみてください。
【立って行うメニュー】
【座って行うメニュー】
1. 手すりやつり革を持たずに立つ
電車の座席に座るのは昨日で終わりです。まずは立って通勤してみましょう。つり革や手すりを持たず、揺れに耐えながら踏ん張ることで、太ももの内側にある「内転筋」の強化が可能。
下半身の引き締めやO脚改善、ヒップアップなどの効果を得られます。相乗効果でお腹の筋肉も刺激され、ぽっこりお腹の解消にも効果あり。
対象部位
内転筋、骨盤底筋、腹横筋
手順
1.両足を肩幅程度に開き、つま先を45度外側に向けて立ちます
2.内ももと腹筋を意識しながら電車の揺れに耐えてバランスを保ちましょう
注意点
立っている時の姿勢が悪いとバランスが取りづらく、ふらふらして周りの方々に迷惑をかけてしまうことも。猫背にならないように肩甲骨を寄せ合い、腹筋を意識して立ちましょう。両足を肩幅程度に開くのも、バランスを取りやすくするためです。
2. つり革をつかんで爪先立ちする
次はつり革をつかんで、つま先立ち。鍛えていくのは「ふくらはぎ」です。ふくらはぎ(下腿三頭筋)は、第二の心臓と呼ばれているほど血流の良さに影響する部位。
鍛えることで、血流改善、疲労回復、運動機能の向上と、まるでスタミナドリンクのような効果が。毎朝の栄養ドリンクはやめて、電車筋トレに切り替えるのも一つの手です。
対象部位
下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)
手順
1.つり革につかまり、足を肩幅に開いて立ちます
2.かかとをできるだけ上げてつま先立ちになり10秒間キープ
3.重力に抗いながらゆっくりかかとを下ろします
注意点
かかとを下ろすときは「ふくらはぎ」に力が入っているのを意識しながら、ゆっくりとした動作で。つま先立ちは無意識に利き足に力が入りがち。お腹にグッと力をいれて重心を取り、両足に均等に力を入れながら鍛えていければベストです。
3. つり革を下に引っ張る
次は背中と腕。ヒジを90度に曲げた状態でつり革をつかみ、下に向かってグッと引きましょう。
つり革の耐荷重性能は、一説では380kg程度と言われています。つまりどれだけ力をいれても大丈夫。トレーニングチューブよりも強度の高い筋トレが、電車内で実現可。
一見すると「腕」や「肩」だけを鍛える筋トレに見えますが、実は「背中」の筋肉に効果的なメニュー。背中の上のほうの筋肉である「僧帽筋」を鍛えることで、頭痛や肩こりの改善、くわえて姿勢の矯正に。
ビジネスマンたるもの、体の不調は通勤時間に解消していきましょう。
対象部位
上腕二頭筋、上腕三頭筋、僧帽筋、三角筋
手順
1.つり革をつかんで姿勢を正し、ヒジを90度の状態にします
2.上がっているヒジを腰に向かってグッと引き下げ、10秒間キープ
3.ゆっくり1の状態に戻します
注意点
手首が曲がってしまうとトレーニング効果が低下。つり革はまっすぐ掴みましょう。また、ゆっくりと力強く腕を引き下げ、腕だけでなく「背中」に力が入っていることを意識しながらトライして下さい。
4. 手すりをつかみ、腕の力だけで体を支える
「しまった、今日はつり革を掴めそうにない。」そんなときも焦らず、電車の手すりを利用して鍛えましょう。
ポールを強く握り、足は踏ん張らず、腕の力だけで揺れに耐えます。そうすることで、手首からヒジまでの前腕筋群、また上腕二頭筋のトレーニングに早変わり。普段はなかなか鍛えづらい、握力や指の動きに関わる筋肉の強化が叶います。
近くに手すりがある日はラッキー。電車で毎日鍛えることで、「今日のダンベル、いつもより持ちやすい?」と感じる日が来ることでしょう。
対象部位
前腕筋群(腕橈骨筋、浅指屈筋、総指伸筋、回外筋など)、上腕二頭筋
手順
1.片方のひじを90度に曲げ、脇を閉じて手すりをつかみます
2.踏ん張らず、腕の力だけで電車の揺れに耐えます
3.停車する度に腕を変え、交互に行いましょう
注意点
足と脇をとじて、腕でバランスを取るように意識しましょう。足が開いていると効果半減。あくまで腕の力で揺れに耐えるのがポイントです。
5. 両膝をくっつけて座る
「奇跡的に座席があいて、つい座ってしまった。」そんなときも、もちろん筋トレ。
両膝をくっつけ、押し合うように力を入れることで、内転筋を鍛えましょう。自分のスペースが小さくなり、周りの人にも好印象。これは太ももを引き締め、O脚や骨盤の歪みを改善する効果のあるメニューです。
慣れてきたら少しだけ足を浮かせてみると、お腹にも効く筋トレに早変わり。お腹の引き締めやヘルスケア効果も狙えます。足上げはバランスを崩しやすいため、気をつけてトライしてください。
対象部位
内転筋、腹横筋
手順
1.姿勢を正した状態で座り、両膝をくっつけて押し合います
2.その状態で足を床から浮かせて10~30秒間キープ
3.ゆっくり1の状態に戻します
注意点
座席にもたれてしまうと、力が入りにくく効果半減。少し浅めに、姿勢良く座ります。内ももとお腹の中心に力が入っていることを意識しながら、静かに耐えましょう。
6. 合掌のポーズをする
座席に座れたうえに、隣に人がいないときは大チャンス。合掌をして手のひらを押し合うことで、胸の筋肉を鍛えるメニューにトライしましょう。
胸の「大胸筋」は、とても大きな筋肉。鍛えることで体の代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなる効果も。いつしか分厚く逞しい胸板が手に入った日には、シャツのオーダーメイドが必要かもしれませんね。
対象部位
大胸筋、小胸筋
手順
1.姿勢を正して胸を開いた状態で座り、胸の前で両手を合掌します
2.親指の付け根側にグーっと力を入れて押し合い、10秒間キープ
3.ゆっくり1の状態に戻します
注意点
手のひらで押し合っても胸筋にハリを感じない場合は、力んで肩が上がってしまっている可能性が。肩を落として胸を張り、肘から手首までのラインが地面と水平になるようにセット。あくまで胸の力を意識しましょう。
7. お尻に力を入れて座る
他の座席トレーニングと組み合わせやすいのが、尻トレ。ただお尻に力を入れてキープするだけで、ヒップアップ効果を狙えます。
お尻の筋肉である「大殿筋」は、体の中で最も大きい筋肉部位。鍛えれば効率的な代謝アップが狙えるため、「座っているときはお尻に力をいれる」というクセをつけていきましょう。もちろんデスクワーク中もOKです。
対象部位
大殿筋
手順
1.背もたれにもたれず姿勢を正して座ります
2.肛門をキュッっと締めて10秒間キープします
3.ゆっくり1の状態に戻します
注意点
お尻に力を入れるときには、意外と息を止めてしまいがち。しっかり呼吸しながら行いましょう。
電車筋トレについて知っておきたい基礎知識
次は、ご紹介してきた電車筋トレのサポート知識を解説。もっと楽しむためのコツや、さらに効果を上げるコツ。加えて日々注意しておきたいことをお伝えします。
徒歩移動中もトレーニングになる
電車内だけでなく、家から駅、駅からオフィスの道のりもトレーニング時間に。
エレベーターやエスカレーターなんて文明の利器を使うのも、昨日で終わり。今日からは階段と早歩きにチャレンジ。ちなみに通勤の往復で3,000歩ほど歩くだけで、早歩きなら150kcal程度の消費に。毎日続ければ、バカにならないものです。
電車筋トレアプリを利用する
JR東日本が開発したiOSアプリ「‘TRAIN’ing(トレイニング)」は、電車筋トレをサポートしてくれるツール。いま自分がいるポジションを「座席・手すり・つり革」から選ぶことで、状況に合ったトレーニングを提案してくれます。
混雑時や人の目が気になるときには、ツボを刺激するセルフマッサージやメンタルを整える瞑想などのメニューまで網羅。この記事のメニューでは物足りなくなったとき、ぜひ利用してみて下さい。
大胆な動きは避ける
電車筋トレの様々なメニューをご紹介してきましたが、あくまで電車は公共の場。やはり周囲の方のご迷惑にならない配慮は大切です。
大胆な動きの少ないメニューをご紹介しましたが、そこは状況に応じて、周りに気を配りながら電車筋トレを楽しみましょう。
電車筋トレで、通勤電車をあなたの味方に
昨日までは、ただぼーっと過ごしていた通勤時間。でも今日から電車はジムに早変わり。吊り革や手すり、座席を利用して、積極的に鍛えていきましょう。
毎日たったの10分でも、半年つづければ20時間。まさに継続は力なり。「仕事に追われていて運動できていない。」「身体が衰えてしまった……。」と感じている方は、電車筋トレで不調をカバーしていって下さい。