監修者プロフィール
- パーソナルトレーナー監修者 佐藤 友則(TOMONORI)
-
元キックボクシング世界チャンピオン8冠王者
1977年札幌出身。19歳で上京し、同年「タイ・ラジャダムナンスタジアム」でプロデビュー。その後も国内外で試合を重ね、多数のタイトルを獲得。2018年、現役引退。
「地元北海道・札幌でキックボクシングを伝えたい、広めたい」という思いから、2012年札幌にGRABSをオープン。
「プロとしての経験を活かし、パーソナルトレーナーとして男性も女性も強くカッコよく美しくなれるよう、全力でサポートします」。
キックボクシングのグローブを選ぶ5つのポイント
キックボクシングのグローブと一口に言っても、ブランドや素材、重さなどは様々。あなたの目的に合わせて、適切なものを選ぶ必要があります。
まずは現役のパーソナルトレーナーでもある佐藤さんから教わった、グローブの正しい選び方を5つのポイントにわけてご紹介します。
種類│本番用 or 練習用で選ぶ
種類 | 用途とメリット |
【練習用】パンチンググローブ | シャドーボクシング・初心者のミット打ち用 中に詰まっている綿が少ない 的確なパンチの打ち方を習得するのに使う |
【本番用】ボクシンググローブ | ミット打ち・スパーリング・本番用 中に詰まっている綿が多い 自分の拳と相手の怪我予防に使う |
キックボクシングのグローブは、主にシャドーボクシングや練習用に使うパンチンググローブと、スパーリング・本番用のボクシンググローブ(オンスグローブとも呼ばれる)の2種類に分かれます。
主な違いは、中に詰まっている綿の多さ。ボクシンググローブは綿がしっかりと詰まっており、パンチが当たった際に自分の拳を痛めにくいだけでなく、対戦相手の怪我も防ぐような作りになっています。
対してパンチンググローブは詰まっている綿が少なく、自分の拳にも打撃面にも衝撃が伝わりやすい作り。的に当たっている感覚が掴みやすく、初心者が正確なパンチの打ち方を会得するのに最適です。
つまり初心者がまず用意すべきは、パンチンググローブ。自宅フィットネス用にもおすすめです。
ただしジムに通う場合は、パンチンググローブはジムの物を使い、自分で用意するのはボクシンググローブから、というケースも多いそう。担当トレーナーに相談してから選んでみてください。
メーカー(ブランド)│好みで選ぶ
上記のようにグローブのメーカーは様々。合皮素材のグローブを主に作るメーカーは安価で初心者向け。本革かつ縫製が丁寧なグローブを作るメーカーは、初心者向けからプロも選ぶ本格派まで様々です。
とにかく安く手軽に始めたい人はBODYMAKER(ボディーメーカー)一択。価格と質のバランスを求めるなら、2大ボクシングブランドのWINDY(ウィンディ)かTWINS(ツインズ)。縫製が丁寧でお洒落なものが欲しい人はVENUM(ヴェナム)を選びましょう。
なかでも特に品質にこだわる人には、日本製のWINNING(ウイニング)の人気が高く、数々のプロが愛用しています。日本人の手の大きさに合う作りと高い品質の牛革が魅力で、佐藤さんもオーダーメイドのオリジナルグローブをお持ちでした。
ジムでも男女問わず人気なのは「VENUM」。カラーリングやデザインがお洒落で、使っていてモチベーションが上がります。
「WINNING」は値段が高いですが、革の質が良く縫製も丁寧なため長持ちします。プロや上級者の方にイチオシです。
素材│合皮 or 本革から選ぶ
素材 | 説明 |
人工皮革(合皮) | 初心者向き 天然皮革よりもメンテナンスが楽だが、耐久性は低い リーズナブルな価格帯のものが多い |
天然皮革(本革) | 中級者〜上級者向き 耐久性と通気性に優れており、使い込むほどにフィット感が増す 人工皮革よりも値段が高いものが多い |
グローブの素材は、人工皮革(合皮)と天然皮革(本革)の2種類。安く手軽に始めたい場合は合皮、一つのグローブを長く使いたい方は本革のグローブを選びましょう。
メンテナンスは必要ですが、良い道具を一つ用意するとモチベーションもあがります。予算が許せば本革のグローブをおすすめしたいところ。
しかし日々の手入れが面倒な方や、どのグローブが自分に合うか選びきれないという場合は、まずは安価な合皮のグローブを試すのも選択肢の一つ。キックボクシングに慣れてから、あらためてお気に入りの本革グローブを探すのも良いでしょう。
人工皮革は長期間使うと、どうしても表面が剥がれてしまいます。キックボクシングを長く続けたい人は、お気に入りのデザインの本革グローブを一つ用意することをおすすめします。
重さ(オンス)│用途で選ぶ
グローブの重さは、中に詰まっている綿の重さで決まります。使う単位はオンス(oz)。1オンスは約28gです。
実は、重さが表記されているのは「ボクシンググローブ」のみ。練習用の「パンチンググローブ」を選ぶ場合は重さの表記がないため、このポイントを気にする必要はありません。
佐藤さんに選び方を伺ったところ、試合をするわけでなければ14オンスか16オンスのボクシンググローブを選べば間違いないそう。重いグローブのほうが双方にダメージが入らないため、練習中の怪我を防ぐためにも、「各メーカーの一番重いグローブを選んでおけば間違いない」と教わりました。
試合で使うグローブのメーカーは興行側によって指定されます。そのため試合に出る人であれば、普段から指定されるメーカーのグローブを使って、慣れておくのもおすすめです。
固定方法│紐 or テープから選ぶ
グローブの種類 | 固定方法 |
パンチンググローブ | マジックテープ式 ゴムバンド式 |
ボクシンググローブ | マジックテープ式 紐式 |
世にあるパンチンググローブは、マジックテープかゴムバンドで手に固定する方式のものばかりです。初心者には、より着脱しやすいゴムバンド式がおすすめ。
ボクシンググローブの固定方法には、マジックテープ式と紐式の2種類があります。紐式は一人で着脱するのが難しいため、初心者はマジックテープ式を選びましょう。
プロの方でも、練習用のグローブにはマジックテープ式を選ぶことがほとんどだそうです。
プロの試合では、紐式を使用しなければいけません。ただしプロでもスパーリング時は、マジックテープ式のグローブを使います。初心者の方が、無理に紐式を選ぶ必要はありません。
キックボクシング用のおすすめグローブ6選
ここでは佐藤さんにも相談しながら編集部にて厳選した、おすすめのパンチンググローブとボクシンググローブをご紹介します。もちろん先ほど解説した「キックボクシングのグローブを選ぶ5つのポイント」に準じた内容になっています。
自宅フィットネス用であれば、まずはパンチンググローブを。ジムで使用する場合は、トレーナーに相談して必要な種類のものを用意することをおすすめします。
【練習用】BODYMAKER(ボディーメーカー) パンチンググローブ NEO
国内メーカーの「BODYMAKER」が手掛けるパンチンググローブ。合成皮革のため、面倒なメンテナンスは不要。グローブ内に柔らかい棒があり、「握りやすさ」と「掴みやすさ」をサポートしてくれる、初心者に嬉しい仕様がなされています。
グローブ内側の空気穴が、汗による湿気を排出してくれるのもポイント。リーズナブルな価格で購入できるため、最初のパンチンググローブとしておすすめです。
種類 | パンチンググローブ |
メーカー(ブランド) | BODYMAKER(ボディメーカー) |
素材 | 人工皮革 |
固定方法 | ゴムバンド |
【練習用】WINDY(ウィンディ)パンチンググローブ
質にこだわりたい方には、こちらの「WINDY」のグローブをおすすめします。本革製で長く使えて、使うほどに手に馴染み、愛着が湧くに違いありません。
「パンチを打ったときの感触が良い」「革がしっかりしている」「フィット感が抜群」とAmazonのレビューでも好評。本革ながらコスパも良く、初心者から上級者までおすすめの商品です。佐藤さんのジムでも、同シリーズのグローブを使用されていました。
種類 | パンチンググローブ |
メーカー(ブランド) | WINDY(ウィンディ) |
素材 | 天然皮革 |
固定方法 | ゴムバンド |
【練習用】BODYMAKER(ボディメーカー) パンチンググローブ
「可愛いデザインのグローブが欲しい」という女性にはこちらのパンチンググローブをおすすめします。目を引く鮮やかなカラーリングが特徴的なグローブで、軽くて通気性もよく、フィットネス用途にピッタリ。
怪我防止のために親指部分がカバーされているのもポイント。グローブ内に棒が入っており、握りやすい点も優秀です。
種類 | パンチンググローブ |
メーカー(ブランド) | BODY MAKER(ボディーメーカー) |
素材 | 人工皮革 |
固定方法 | ゴムバンド |
【本番用】VENUM(ヴェナム)エリート ボクシンググローブ
こちらは佐藤さんのジムでも人気の高い「VENUM」のボクシンググローブ。特徴的な蛇のロゴと、深いモスグリーンの色使いがお洒落なデザイン。もちろん見た目だけでなく、グローブとしての品質も秀逸です。
まず、グローブ内部に敷き詰められた衝撃吸収材と硬質スポンジが拳を保護し、怪我を防いでくれます。グローブ自体も柔らかく握りやすい素材で作られているうえ、耐久性も優秀。
合皮ながら品質が高いと評判で、佐藤さんのジムでも用意されていました。マジックテープ式で扱いやすいのもポイントです。
種類 | ボクシンググローブ(オンスグローブ) |
メーカー(ブランド) | VENUM(ヴェナム) |
素材 | 人工皮革 |
固定方法 | マジックテープ |
重さ(オンス) | 8オンス〜16オンス |
【本番用】WINNING(ウイニング)ボクシンググローブ
本格派のあなたにおすすめしたいグローブは、佐藤さんも信頼を寄せる「WINNING」のもの。日本人の手に合わせて作られているため、まさに至高の使い心地だそうです。
高品質な牛革を使い、丁寧な縫製で作り上げられたWINNINGのグローブは、数々のプロをも魅了してやみません。
少々の値は張るものの、その品質と比べると間違いなく高コスパ。しかし完全受注生産品で半年待ち。手に入れたい場合は、早めに注文しておきましょう。
種類 | ボクシンググローブ(オンスグローブ) |
メーカー(ブランド) | WINNING(ウイニング) |
素材 | 天然皮革(牛) |
固定方法 | 紐 |
重さ(オンス) | 16オンス |
【本番用】VENUM(ヴェナム) ボクシンググローブ
可愛いデザインが好きな女性にはこちら。「VENUM」のアイテムの中でも、テンションの上がるビビッドな色合いが特徴のボクシンググローブです。
合皮ながら高品質な素材が使用されており、長持ちしやすいと評判。グローブ内部は高密度なクッション構造となっており、あなたの拳を怪我から守ってくれます。
伸縮性のあるマジックテープ式のため、着け心地を微調整できるのもポイント。周りの方と一味違う、可愛いグローブを探しているあなたにおすすめです。
種類 | ボクシンググローブ(オンスグローブ) |
メーカー(ブランド) | VENUM(ヴェナム) |
素材 | 人工皮革 |
固定方法 | マジックテープ |
重さ(オンス) | 8オンス〜14オンス |
グローブと合わせて用意したい、自宅練習におすすめのアイテム
お気に入りのグローブを選んだ次は、いつもの練習環境をもっと快適にしていきたいところ。
ここでご紹介するグッズは、自宅でキックボクシングを楽しむときにあれば便利なアイテムばかり。ここでもぜひ、お気に入りを選んでみてください。
自宅で気軽に練習できる「BODY DESIGN スタンド型サンドバッグ」
サンドバッグには、本革製と合成皮革製、また吊り下げタイプと自立するスタンドタイプがあります。初心者には、手入れがラクな合成皮革製で、部屋に設置しやすいスタンドタイプがおすすめ。
この「BODY DESIGN サンドバッグ」は、合成皮革製かつスタンドタイプ。打撃部には多重構造ウレタンを使用し、耐久性に優れたサンドバッグです。キックボクシングをより楽しむなら、用意しておいて損はないでしょう。
フォームをチェックできる「Miruo 全身鏡」
鏡はフォームチェックに必須のアイテム。特にキックボクシングは大きく身体を動かすため、全身が映る鏡を用意しておきたいところです。
この「Miruo 全身鏡」は165cmの長さがある大型のデザイン。全身をくまなくチェックできるうえに、立てかけタイプで省スペース。飛散防止加工も施されており、万が一倒れたときも安心です。
家にひとつあれば、蹴り方だけでなく、あらゆるトレーニングで使える全身鏡。インテリアにもピッタリです。
足の怪我を防止する「VENUM アンクルガード」
アンクルガードは、サンドバッグを蹴ったときの足へのダメージを軽減し、怪我を防いでくれるアイテム。こちらの「VENUM アンクルガード」は特にフィット感が良く、適度な締め付けで使用時にズレにくいと評判です。
足首に怪我をしてしまえば癖になりやすく、練習も億劫になってしまいます。快適にキックボクシングを続けるための投資として、ぜひ一つ用意しておきましょう。
あなたの大切な拳を保護してくれる「WINNING ボクシング用バンテージ」
グローブをはめるときには、バンテージが必須。グローブと拳の擦れを防ぎ、怪我を防止してくれるアイテムです。佐藤さんもジム生に「グローブをつける時には必ずバンテージを用意するように」と指導されています。
こちらは信頼のメーカー「WINNING」のもので、手にはめて手首と手の甲に軽く巻くだけの簡単仕様。着脱しやすく、初心者から上級者までおすすめできる商品です。
ポリエステル製で、そのまま丸洗いできるのもポイント。まずはこれを買っておけば間違いありません。
騒音・怪我予防に役立つ「Manduka Xmat ヨガマット」
自宅の練習時の、騒音・怪我防止に役立つヨガマット。こちらはアメリカの有名ヨガマットブランド「Manduka」のアイテムです。
厚さは5mmあるため、クッション性が抜群。グリップ力に優れているTPE素材を使っているため、トレーニング時の転倒も防いでくれます。蹴り方の練習だけでなく、筋トレ時にも使えるヨガマット。質が高く、長く使えるこのアイテムなら、間違いありません。
キックボクシングのグローブに関するよくある質問
記事中ではキックボクシング用におすすめのグローブや、その選び方をお伝えしてきました。しかしグローブに関する疑問は、競技をやればやるほど尽きないもの。
今回はキックボクシング初心者が感じやすいグローブに関する疑問をピックアップし、佐藤さんに一問一答形式でお答えいただきました。
Q.キックボクシングを始めるときに、グローブはすぐ買う必要がありますか?
A.ジムでの体験時はレンタルで問題ありませんが、練習を始める場合はすぐに買うことをおすすめします。
レンタルだと他の人も使う都合上、衛生面が気になるところ。自分のグローブを用意することで愛着が沸いてモチベーションも上がるうえに、毎回同じグローブを使うことで手に馴染み、どんどん練習しやすくなります。
Q.臭いや汚れ対策に、おすすめの手入れ方法は?
A.練習後はアルコールか次亜塩素水を使って、グローブ内を除菌してください。
この際に香りのあるスプレーを使うと、汗と混ざって悪臭がするためおすすめしません。ちなみに本革のグローブについては、ワセリンを表面に塗ると革が長持ちします。
Q.グローブを買い換えるタイミングは?
A.グローブの表面から綿が出てきたら、すぐに買い替えましょう。
綿が減るとクッション性が下がり、怪我をしてしまう可能性が上がります。かならず新しいグローブを用意しましょう。
Q.バンテージは練習時に必ず必要ですか?
A.怪我予防のため、絶対に用意してください。
体験時は軍手を使う場合もありますが、それだとクッション性が低く、本格的に練習すると怪我をしてしまう可能性があります。練習時にスムーズに巻けるようになるためにも、できるだけ早く購入をおすすめします。
キックボクシング用のおすすめグローブまとめ
グローブはあなたの手を保護し、怪我から守ってくれる大切なアイテム。選ぶための5つのポイントを確認しながら、自分にあった一品を用意したいところです。
佐藤さんも仰っていましたが、お気に入りのグローブとの出会いはモチベーションアップに最適。キックボクシングに没頭する一つのきっかけにもなり得ます。
ぜひあなたにピッタリな、お気に入りの”相棒”を見つけて下さい。
近くの
おすすめパーソナルジムを探す