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WriterQOOL編集部

腹直筋を効果的に鍛える筋トレメニュー8選|正しいフォームをプロが解説

腹直筋を効果的に鍛える筋トレメニュー8選|正しいフォームをプロが解説

今回は理学療法士監修のもと、腹直筋を効果的に鍛えられるトレーニングメニューをご紹介します。

腹直筋を鍛えると、美しいシックスパックスマートな姿勢といった綺麗な体に近づけます。

今回は特にぽっこりお腹が気になっている方や、出産後の女性立っている際に腰が自然と反ってしまうような方に取り入れて欲しいトレーニング種目をまとめました。

誤った方法で腹直筋のトレーニングをしてしまうと腰痛の原因にもなりかねませんので、ぜひ今回の記事で正しいフォームを確認しながらトライしてみて下さい。

監修者プロフィール

監修者 高任 良知
理学療法士監修者 高任 良知

整体院での施術を中心に活動する理学療法士。2019年よりサイクリストに向けて体のケア方法・トレーニング方法などのセミナーを開催。同時に美容室や医療従事者などに向けてpilatesレッスンを行うなど、トレーナーとしてもマルチに活動している。
学研より発売中の「できるセラピストと言われるために3年目までに知っておきたい115のこと」の一部記事を監修。

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腹直筋(ふくちょくきん)とは

腹直筋は、溝落ちの近くから体の正面を通り、恥骨までを覆っている大きな筋肉です。

お腹の前側を覆う大きな筋肉であるため、腹直筋の胸に近い部分を上部繊維骨盤に近い部分を下部繊維というように分類することができます。

腹直筋の役割

腹直筋には体を前側に曲げる作用や、骨盤を後ろに倒す作用、各種スポーツの動作において腰回りを安定させ、力の伝達をスムーズにする作用があります。

腹直筋を鍛えるコツ

腹直筋は筋繊維の特徴的に筋肥大が起こりやすい筋肉です。よってしっかりとトレーニングを行うことで美しいシックスパックのお腹を手に入れることができます。

先程述べた通り腹直筋は上部繊維と下部繊維に分類することができます。それぞれの繊維を意識したトレーニングを行なっていくことで、よりバランスの整ったお腹周りを作っていけるでしょう。

腹直筋を鍛えるメリット

腹直筋を鍛えることで女性に特に多い反り腰の改善や基礎代謝を向上させ痩せやすい体を作ること、巡り巡って太ももがスッキリするというメリットがあります。

ここでは腹直筋を鍛えるメリットを3つに整理して、詳しくお伝えしていきます。

反り腰の解消

腹直筋を鍛えることが反り腰の解消に繋がります。

そり腰は骨盤が前傾(前側に倒れている状態)することによって生じてしまいます。この姿勢は女性に多いと言われており、特に出産を経験されている方は反り腰になりやすい傾向にあります。

お腹に赤ちゃんがいる期間は腰が前側に引っ張られ、どうしても腰が反ってしまいます。またお腹が大きくなるにつれて腹筋の繊維が伸びたゴムのようになってしまい、お腹に力が入りにくくなって反り腰を助長するというケースがとても多く見られます。

腹直筋などの腹筋を鍛えることによって、骨盤を後ろに倒す(骨盤の後傾)作用が働きやすくなるため、前後の骨盤の歪みが軽減し、反り腰の解消に繋がっていきます。

基礎代謝の向上による痩せ体質への変化

腹直筋を鍛えることで基礎代謝が向上し、痩せやすい体質へ変化していきます。

人間の全身には、大小含めて数百種類を超える筋肉が存在します。基礎代謝を向上させるためには筋肥大を起こし、普段の生活の中で消費するカロリーを増やしていく必要があります。

腹直筋は全身の中でも大きな筋肉の体積を有しており、また「速筋繊維」と言って比較的筋肥大が起こりやすい筋肉となります。

そのような特徴をもつ腹直筋を鍛えることで、筋肉の体積が増加して基礎代謝が向上し、痩せ体質へと変化する効果が見込めます。

巡り巡って太ももがスッキリとしていく

1つ目のメリットにも関係してくることになりますが、腹直筋が弱く反り腰になっている方は、太ももが太くなりやすいという特徴があります。

これがなぜ起こるかというと、骨盤の傾きの部分にカラクリがあります。

反り腰の状態(骨盤が前傾している状態)では、大腿四頭筋など股関節を曲げる作用がある筋肉張りが強く出て硬くなってしまうことで、足が太くなっていく傾向にあります。

腹直筋が鍛えられて骨盤の前後の歪みが解消されることで、太ももの前側にかかる負担が軽減して足が徐々にスッキリとしていきます。

腹直筋を効果的に鍛える筋トレメニュー8選

腹直筋を効果的に鍛える筋トレメニュー8選

それでは腹直筋を鍛える筋トレメニューをご紹介していきます。

今回は腹直筋の上部・下部・全体のそれぞれを意識し、腹直筋にさまざまな刺激が入るトレーニング難易度の低い順番でご紹介します。

ぜひ上から順番に、徐々に進めていくように取り入れてみて下さい。

またそれぞれのトレーニングの中で難易度を落としたエクササイズも紹介しますので、正しいフォームでできるところから始めてみて下さい。

デッドバグ

デッドバグの正しいフォーム画像

デッドバグは腹直筋を始めとして、腹横筋などのインナーマッスルも同時に鍛えられるトレーニングです。

腕の動きによって腹直筋の上部に。足の動きによって腹直筋の下部に刺激が入り、体幹全体の安定性を向上させる効果があります。

  1. 仰向けになり、背中に掌(てのひら)が1枚入るくらいのスペースをつくる
  2. スペースを崩さないように注意しながら、両手と両足を地面と直角になるように曲げる
  3. 右手を挙げ、左足をゆっくりと伸ばす
  4. 右手と左足をスタートの位置に戻す
  5. 左右の足と手を入れ替えて行う
  6. 左右どちらも8回〜12回行うのを1セットとして、3セットを目指して行う

デッドバグのポイント

  • 足がガニ股や内股にならないように意識すると、腹筋のトレーニング効率が良くなるだけでなく、歩行時のガニ股や内股の解消にも効果的
  • 手足は勢いをつけて素早く動かすのではなく、一定のスピードで動かすように意識すると効果的

また、上記のメニューで難しい場合は難易度を下げて行いましょう。
続いて難易度を3段階に分けてデッドバグのエクササイズを紹介します。

難易度1|スタートポジションをキープするだけでも筋トレに

デッドバグの初心者向けフォーム
まずはデッドバグのスタートポジションで姿勢をキープすることから始めましょう。

足と腕の角度が変わらないように注意が必要です。

難易度2|腕の動きだけ行うと腹直筋上部に効果的

デッドバグの初心者向けフォーム

デッドバグのスタートポジションが取れるようになれば、次は足の角度は変えずに腕のみを交互に動かしていきましょう。

この動きでは「腹直筋の上部」を意識して鍛えることができます。

 

難易度3|足の動きだけ行うと腹直筋下部に効果的

デッドバグの初心者向けフォーム

デッドバグのスタートポジションから、腕の角度を変えずに足を交互に伸ばしていきましょう。

腹直筋の下部を鍛えられるトレーニングになり、遠くに足を伸ばせば伸ばすほど負荷量が上がっていきます。

カールアップクランチ

カールアップクランチの正しいフォーム

カールアップクランチは、腹直筋上部のトレーニングです。

筋肉が縮みながら使われるため、そり腰の解消を目指したい方には特におすすめできるメニューです。

  1. 仰向けになり、椅子の上に膝と股関節が90度に曲がるように足を置く
  2. 両手を頭の後ろに回して顎(あご)を軽く引く
  3. 肩甲骨が離れる程度のところまで上半身を起こす
  4. ゆっくりとスタートの姿勢に戻る
  5. 3〜4を8回〜12回繰り返し、3セットを目標に行う

カールアップクランチのポイント

  • 体を起こす際に息を吐きながら行い、体を戻す際に息を吸うと、トレーニング効率がよくなるうえに、硬くなりやすい脊柱の動きを良くする効果がある
  • 体を起こした際は腹筋が縮んでいることを意識する

ロールアップ&ロールダウン

ロールアップ&ロールダウン

スタートポジション

ロールアップ&ロールダウン

動作中フォーム

ロールアップ&ロールダウン

起き上がった長座位の姿勢

ロールアップ&ロールダウンには腹直筋全体の引き締め効果があります。

体幹全体を使うトレーニングのため、デスクワークなどで背骨が凝り固まっている方に特におすすめのメニューです。

  1. 仰向けになり両手を親指が頭上を向くようにして両手を天井に向けて伸ばす
  2. 目線は常に両手指先の間を見る
  3. 顎を弾きながら背骨が1つずつ床から離れるイメージを持って徐々に体を起こしていく
  4. 長座位の姿勢になったら背骨を1つずつ床に下ろしていくイメージでスタートの姿勢まで戻っていく
  5. 同じ動作を8〜12回程度続け、3セットを目標に行う

ロールアップ&ロールダウンのポイント

  • 上半身を起こす際に顎(あご)が浮きやすくなるため、しっかりと顎を引いて行う
  • 肩に力が入ってしまいやすいため、しっかりと肩の力を抜くことを意識する
  • 上半身を動かす際は、反動をつけないようにし一定のペースをキープする

上記のメニューで難しい場合は、まずはロールダウンのみから行いましょう。

腕を使いながら体を起こし、長座位の姿勢になります。そこから両手を真っ直ぐ前に伸ばし背骨が1つずつ床に戻っていくイメージで体を倒していきましょう。

ハンドレッド

ハンドレッドの正しいフォーム
ハンドレットは腹直筋全体を鍛えることができるトレーニングメニューです。

筋が縮むように使われるため、腹直筋が伸びてしまっている「そり腰」の方には特におすすめな種目。

同時にインナーマッスルも鍛えることができるため、腰痛予防の効果も期待できます。

  1. 仰向けに寝て背中に掌が一枚入るスペースを作る
  2. 両膝と股関節が90度になるように足を曲げる
  3. 両手の指先を真っ直ぐ伸ばしていきながら、肩甲骨が床から離れるところまで上半身を起こす
  4. 両足の内ももを軽く締めながら両足を伸ばす
  5. その状態で両手をパタパタと小刻みに動かす
  6. 両手を100回動かすことを目標に行う

ハンドレッドのポイント

  • 両足を伸ばした際に腰が反らないように注意
  • 両手を動かす際は水面を軽く叩くようなイメージで行うと、インナーマッスルも同時に鍛えられて効率的

ハンドレッドの初心者向けフォーム

ハンドレッドの初心者向けフォーム

通常フォームが難しい場合は、両膝を伸ばすのではなく、股関節と膝を90度に曲げた状態のフォームでトレーニングを行いましょう。

特にそり腰の方は、通常フォームだと腰がそってしまうケースがあります。

足を曲げると下半身の重さが軽減されるため、負荷が下がってトレーニングしやすくなります。

シザース

シザースの正しいフォーム

シザース腹直筋下部を効果的に鍛えられるトレーニングメニュー。下腹部を引き締め、ぽっこりお腹を撃退したい方におすすめな筋トレです。

股関節を大きく動かすことから下半身の動きを矯正する効果もあるため、普段ガニ股や内股で歩いてしまう方にとっては、歩き方の癖の解消にも繋がります。

モデルのように足が真っ直ぐと出るような歩き方を目指したい方は、ぜひ取り入れてみて下さい。

  1. 仰向けに寝て背中に掌が一枚入るスペースを作る
  2. 両膝と股関節が90度になるように足を曲げる
  3. 肩甲骨が離れるところまで上半身を起こす
  4. 両足を伸ばしハサミのように交互に動かす

シザースのポイント

  • 体の方に近づく足を迎え入れてあげるように両手で軽く支える
  • 普段の歩き方がガニ股や内股の方は足が斜めに動いてしまうことが多いため、足はなるべく真っ直ぐ動かすよう意識すると効果的
  • 足を床スレスレまで伸ばすことで負荷量をあげることができますが、まずは体幹がブレないギリギリのところまで足を伸ばすイメージで行うと効果的

シザースの初心者向けフォーム


通常フォームのシザースが難しい場合は、両膝を曲げた状態のまま足をハサミのように交互に動かすことで難易度を下げることができます。

膝の角度が変わらないように意識して動かしましょう。

プランク

プランクの正しいフォーム

プランク腹直筋全体を鍛えられるトレーニングメニュー。

体幹部の安定性向上が見込められるため、インナーマッスルも同時に鍛えて腰痛の解消を目指したい方にもおすすめのメニューです。

  1. 両前腕と爪先で体を支える
  2. 頭から背中までが一直線になるように姿勢を整える
  3. その状態で体勢をキープする
  4. 1分を目標に続ける

プランクのポイント

  • 骨盤の上に物を置いても倒れないくらい真っ直ぐな姿勢を維持すると効果的。特に背中が丸まってしまったり、腰が反ってしまわないよう注意する
  • 息を止めると筋肉への刺激が入りにくくなってしまうため、ゆったりと深呼吸しながら行うと効果的

ニートゥチェスト

ニートゥチェストの正しいフォーム

スタートポジション

ニートゥチェストの正しいフォーム

足を遠くに伸ばす

ニートゥチェストは腹直筋下部を鍛えるトレーニングメニューです。

次にご紹介するレッグレイズよりも腰に対しての負担が少ないため、まずはこちらからチャレンジしてみて下さい。

また腹直筋のほか、腸腰筋という股関節のインナーマッスルも鍛えられるメニューです。腸腰筋は体幹と下半身をまたぐ唯一の筋肉ですので、鍛えることで股関節が安定し、骨盤の前後の歪みが整う効果も見込めます。

  1. 体育座りのような姿勢となり、肘が肩の真下に来るようにして上半身を支える
  2. 両膝を曲げ、胸に引きつけるように曲げる
  3. 足を遠くに伸ばす
  4. 2〜3を8回〜12回を目安に繰り返し、3セットを目標に行う

ニートゥチェストのポイント

  • 肘の位置が前後にズレてしまうと肩を痛めてしまう可能性があるため、肘が真下に来るように注意する
  • 無理に足を伸ばすと体幹がブレて負荷が逃げてしまうため、あくまで体幹がブレない範囲内で足を伸ばすと効果的

レッグレイズ

レッグレイズの正しいフォーム

スタートポジション

レッグレイズの正しいフォーム

足を遠くに下ろす

レッグレイズは足の重さを利用して強力にお腹を鍛えられるトレーニングメニュー。腹直筋下部の引き締め、ぽっこりお腹の撃退に効果的です。

負荷量の高いトレーニングとなるため、実施中に腰が痛くなってしまう方、腰が反ってしまう方は違うメニューから開始していきましょう。

  1. 仰向けに寝て背中に掌(てのひら)が一枚入るスペースを作る
  2. 両膝と股関節が90度になるように曲げながら姿勢をとる
  3. その状態から内腿を軽く締めながら腰が反らないところまで両足をゆっくりと伸ばしていく
  4. 足を伸ばしたらゆっくりとスタートの姿勢に戻る
  5. 8回〜12回を3セットを目標に行う

レッグレイズのポイント

  • 床のスレスレまで足を伸ばしていくほど負荷が上がるが、その分腰が反りやすくなるため、無理のない角度で行う
  • 息を止めないよう、深呼吸をしながら行うと効果的

腹直筋を鍛える際の注意点

腹直筋を鍛える際の注意点

ここからは腹直筋の筋トレに関する注意点を解説していきます。

守らなければ腰を痛めてしまったり、猫背を強くしてしまったりする可能性がありますので、気をつけてトレーニングに臨みましょう

顎(あご)が浮かないようにする

顎が浮かないようにする

顎(あご)を引いた正しいフォーム例

腹直筋のトレーニングを行う際は顎(あご)が浮かないように注意しましょう。

顎が浮いてしまうと体幹のインナーマッスルに力が入りにくくなり、背骨などに余計な負担がかかってしまう可能性があります。

顎を引くことで正しく腹筋に負荷がかかり、また力が入りやすくなることでトレーニング効果も増大します。

顎を引く際は、顎の下に握り拳が1つ入る程度のスペースを意識しましょう。

トレーニング後はストレッチをする

トレーニング後はストレッチをする

腹直筋のトレーニング後は必ずストレッチを入れましょう。

トレーニング後にストレッチをしないまま放置してしまうと、腹直筋が硬くなってしまいます。腹直筋には体を前に曲げる作用があるため、ここが硬くなってしまうと背中が丸まってしまい猫背が強くなってしまう可能性があります。

腹直筋を追い込むようにトレーニングを行った後は、必ずストレッチまでセットで行いましょう。

背中が反ってしまう場合は必ず負荷を下げる

背中が反ってしまう場合は必ず負荷を下げる

体がまっすぐになった正しいフォーム例

腹直筋のトレーニングを行っている際に腰が反ってしまう場合は、必ず負荷を下げて行いましょう。

特に反り腰の方や産後の女性、トレーニングを初めて間もない方は注意が必要です。

腹直筋は普通に日常生活を送る中で鍛えられることが少ない部位です。その状態で負荷の高いトレーニングを取り入れてしまうと腰を痛める原因となってしまいます。

まずは正しいフォームで行うことを目標にしながらトレーニングを開始しましょう。

腹直筋を鍛えて、理想の体を目指そう

腹直筋を鍛えることで、綺麗な姿勢や痩せやすい体質に近づき、見た目の部分に大きな変化を出すことができます。

自重で行うトレーニングであれば毎日トレーニングで取り入れても問題はありませんが、まずは3日に1回、正しいフォームで8〜12回を3セット行えるようにしていきましょう。

QOOL編集部
プロとして実績のある身体づくりの専門家を監修者に迎え、正しいフィットネス情報を発信。クールなカラダをつくるためのモチベーションアップをお手伝いします。

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