監修者プロフィール
- パーソナルトレーナー監修者 谷口 嵩幸
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フィットネスジムでのトレーナー経験を経て、2019年パーソナルトレーニングジム『B Conditioning』をオープン。
「カラダを動かし、体調を整えられることを一つの選択肢にできるように」という思いからくる、的確かつ明るいトレーニング指導が人気を博している。
筋トレで二の腕痩せはできる? プロトレーナーに聞いてみた
さっそくですが、筋トレで二の腕を鍛えれば「二の腕痩せ」はできるのでしょうか?
結論から言えば、筋トレで「二の腕を引き締める」ことはできますよ。
基本的に「部分痩せ」というのは難しいのですが、筋トレにより二の腕を引き締める、細く見せる、という効果は狙えます。
なるほど!
例えば運動初心者の女性でも、自宅で筋トレを始めて二の腕を引き締められますか?
もちろん可能ですよ。
ポイントとしては、簡単な筋トレを、1種目でもいいので毎日続けていきましょう。
二の腕を引き締めるには「継続」が大切です。
二の腕が太く見える原因は「運動不足」である
そもそも二の腕が太く見えるのは、何が原因なのでしょう?
簡単に言えば、「運動不足」が原因です。
二の腕が太く見える原因は、大きく分けて以下の3つであると谷口さんから教わりました。
- 筋力の低下
- 姿勢の悪化
- 食べ過ぎ
この3つが積み重なり、二の腕がたるんで太く見えてしまっているとのこと。原因について一つずつ、詳しく解説していただきました。
二の腕を動かさないでいると、筋力が落ちてたるむ
二の腕の筋肉は、肘を伸ばす、ものを押すなどの動作で鍛えられます。
ただし、日常生活でははほとんどない動作ですね。
確かに、肘を伸ばすって日常生活の中であまりない動きかもしれません。
つまり意識して鍛えないと二の腕の筋力はどんどん衰えてしまう、ということです。
何もせずにいると、二の腕は誰でもたるんでしまいますよ。
筋力が弱いと巻き肩になり、二の腕が太く見える
普段から体を動かさずにいると、二の腕だけでなく背筋や肩、胸の筋力なども低下していきます。
その結果、姿勢が悪くなって肩が前に出ている「巻き肩」という状態になってしまいます。
そう言われてみると、私はマッサージや整体に行くと必ず「すごい巻き肩ですね」と言われます……。
巻き肩の方は「肩が前に出てしまっている状態」ですので、特に正面から見ると二の腕が太く見えてしまいます。
オフィスワークで体を動かす習慣がない人は、特に巻き肩になりやすいですね。
そのうえ食べ過ぎると、二の腕に脂肪がついて振袖になる
筋肉が落ちてたるんだところに、さらに食べ過ぎによって余分な脂肪がつきます。
二の腕がタプタプしている、いわゆる「振袖」の状態ですね……。
まずは何から始めればいいのでしょう?
先ほどもお伝えした通り、まずは衰えた筋肉を鍛える筋トレが有効です。
筋トレを続けることで、たるみと巻き肩を改善することができますよ。
二の腕痩せを目指すには「上腕三頭筋」の筋トレがベスト
引き締めにはまず筋トレを、というお話でしたが、具体的にはどの筋肉を鍛えればいいのでしょうか?
二の腕を引き締めるには「上腕三頭筋」という筋肉を重点的に鍛えましょう。
上腕三頭筋とは「二の腕の裏側」にある筋肉で、手でものを押したり、腕を体の後方に引いたりするときに使います。
「力こぶの反対側の筋肉」と考えると、わかりやすいでしょう。
上腕三頭筋を鍛えることで二の腕が引き締まり、細くなる
上腕三頭筋を鍛えることで得られるのが、二の腕の引き締め効果です。
二の腕のたるみは、二の腕の裏側にある上腕三頭筋の衰えが原因。
普段の生活ではほとんど使う機会のない上腕三頭筋を鍛えることで、たるみが解消されて引き締まった細い腕へと変化していきます。
ちなみに、これから紹介する「コブラ」という筋トレは、上腕三頭筋だけでなく背中や肩の筋肉も鍛えることができ、姿勢改善にも効果があります。
姿勢が良くなると、二の腕も細く見えるようになりますよ。
女性でもOK。二の腕の引き締めにおすすめの筋トレメニュー6選
谷口さんのお話から「上腕三頭筋を鍛えれば、二の腕を引き締められる」ということがわかり、やる気の出たライター吉田。
今回の取材では、女性でもできる、上腕三頭筋を重点的に鍛える筋トレメニューを教えていただきました。
二の腕を引き締めるトレーニングメニュー
- コブラ
- ハンドプランク
- 膝つきプッシュアップ
- キックバック
- フレンチプレス
- ディップス
引き締めるためには「1セットにつき15回」できるくらいの軽い負荷の筋トレを、2〜3セット行っていきましょう。
15回できない場合は、どうすればいいでしょうか?
「筋力がなくてできない」という場合は、まずは5回や10回でも問題ありません。
すぐにできる回数が増えて楽しくなってきますので、まずはできる範囲で続けてみてください。
コブラ
背中を大きく開くトレーニングである「コブラ」。
二の腕だけでなく、背中の引き締め効果もある筋トレです。続けることで姿勢が良くなるメリットもあります。
コブラのやり方
- うつ伏せの状態になり、手のひらを床に付ける
- 膝は伸ばし、足首は90度をキープする
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、胸を浮かせる
- 手のひらを体の外側に向け、肩甲骨を下げながら中心に寄せる
- 息を吐きながら元の状態に戻る
コブラの注意点
息を吸いながら顎を引いて首を伸ばすイメージで行いましょう。
目線は常に下をキープしてください。
肩甲骨を下げるように意識しながら、二の腕を寄せていきましょう。
うつ伏せで行うのが辛ければ、椅子に座った状態でもOKです。
ハンドプランク
腕を伸ばした状態で行う「ハンドプランク」。上腕三頭筋と腹筋、背筋を鍛えることができるトレーニングです。
継続して行えば、二の腕だけでなくお腹や背中もスッキリしていきます。
ハンドプランクのやり方
- 手は肩の真下に置き、足は拳一つ分開いてつま先を床に置く
- 体を一直線のイメージでまっすぐ保つ
- 30秒を目標にキープする
ハンドプランクの注意点
ハンドプランクは、脇を締めて行うようにしましょう。
肘の内側を前に向けるようにすると、自然と脇が締まるはず。
ハンドプランクが難しい場合は、膝をついて行いましょう。
膝をつく場合は、頭から膝まで一直線を保ってください。
膝つきプッシュアップ
ハンドプランクに慣れてきて余裕を感じたら、負荷を上げた「膝つきプッシュアップ」にチャレンジしましょう。
上腕三頭筋の他に、胸の大きな筋肉である大胸筋も鍛えられるため、巻き肩の改善にも効果的です。
膝付きプッシュアップ
- 両手を肩の真下に置き、膝をつく
- つま先は上げた状態で、肘を曲げて床に胸がつくくらいまで体を下げていく
- 肘を伸ばして1の姿勢に戻る
膝つきプッシュアップの注意点
背中が丸まらないように、背筋にも力を入れましょう。
床すれすれまで体をおろすのが難しい場合は、できる範囲でOKです。
負荷に慣れてきたら、膝をつかないプッシュアップにステップアップしてみましょう。
より上腕三頭筋を鍛えられます。
キックバック
キックバックは、上腕三頭筋を集中して鍛えることができるトレーニング。たるみを解消し、ハリのある引き締まった二の腕を作ります。
ベンチやダンベルがない場合は、テーブルや椅子に手をつき、水をいれたペットボトルで代用してもOKです。
キックバックのやり方
- ダンベルを左手に持つ
- 右手を椅子の座面に置く
- 胸を張り、お尻から首筋を一直線に保つ
- 左上腕を地面と平行にする
- 肘を支点に、腕をまっすぐ後ろに伸ばしていく
- ゆっくりと戻す
※右も同様に行う
キックバックの注意点
肘を少し高い位置にキープして、腕を下ろすときも肘をなるべく動かさないように行うのがコツ。
体が硬い人はスタートポジションを取るだけでも腿の裏が痛いかもしれません。無理せずに膝を軽く曲げて行いましょう。
ダンベルを使うときつい場合は、ダンベルなしでもOKです。
この動きをするだけでも、二の腕の裏を鍛える効果があります。
ベンチがない場合は、床に四つん這いになって行っても良いですよ。
フレンチプレス
ダンベルの重さを利用して上腕三頭筋を鍛える「フレンチプレス」。
キックバック同様、上腕三頭筋をピンポイントで鍛えられます。続けるうちに、ほっそりしたシルエットの二の腕を目指せるでしょう。
フレンチプレスのやり方
- 1つのダンベルを、両手で手のひらを上に向けて持つ
- 腕を伸ばし、頭上にダンベルを構える
- 肘を支点に、ダンベルを後ろにゆっくりと下げる
- 上腕に負荷を感じる位置で止める
- 元の位置に戻す
フレンチプレスの注意点
肘が開かないように締めて行うようにしましょう。
また、ダンベルを下げるときは肘を動かさないように注意。
肘が動いてしまうと、上腕三頭筋ではなく上腕二頭筋や前腕に負荷が逃げて、二の腕の裏側の引き締め効果がなくなってしまいます。
自分でもフォームをチェックしやすい種目なので、鏡を見ながら行ってみてください。
ディップス(リバースプッシュアップ)
ディップスは、主に上腕三頭筋を鍛えることができるトレーニング。「リバースプッシュアップ」とも呼ばれる種目です。
肩や胸の筋肉も同時に鍛えることができるため、二の腕の引き締めと巻き肩改善効果があります。
ディップスのやり方
- 椅子を背にして両腕を後ろに伸ばし、指先を体側に向けて両手を椅子の縁につく
- 太ももを床が平行になるまで体を持ち上げ、両肘は伸ばしておく
- 両肘を真後ろに曲げて、お尻を床に近づける
- 元の体勢に戻る
ディップスの注意点
常に脇を締めることを意識しましょう。
お尻を床に近づけるときも、肘が開かないようにしてください。
慣れてきたら足を伸ばして、腕の力だけでできるようにチャレンジしてみてください。
二の腕痩せにまつわるQ&A
ここからは、ライター吉田が以前から抱いていた二の腕痩せにまつわる素朴な疑問を、プロのパーソナルトレーナー谷口さんに伺ってきました。
筋トレをしたら二の腕が太くなりませんか?
二の腕を鍛える筋トレをしたら、筋肉がついてかえって太くならないか不安なんです……。
女性が筋トレをしても、いわゆる「筋肉がついてムキムキ」という状態にはなりづらいです。
それはなぜでしょう?
もちろん、高重量を扱うようなハードなトレーニングをすれば、太くなる可能性はあります。
ですが、女性は筋肉を作る「男性ホルモン」の分泌がかなり少なく、鍛えても筋肉がつきづらいですね。
つまり、女性が自宅で自重やダンベルを使った筋トレをする程度では、「腕が太くなるのでは」と心配する必要はない、という事ですね。
その通りです。
気になる部位を引き締めるには筋トレが有効な手段ですので、ぜひ積極的に取り組んでみて下さい。
二の腕痩せの筋トレは毎日やってもいい? 適切な頻度は?
先ほど教えていただいた二の腕を鍛えるメニューは、毎日やったほうがいいですか?
全てのメニューを毎日こなすのは厳しそうです……(1種目だけでも辛かった……)
毎日1種目ずつローテーションしていくのがおすすめです。ただし、筋肉痛がある場合は無理せずに休んでください。
筋トレは、何よりも続けるのが重要ですので、最初は無理のない範囲でトレーニングを続けましょう。
ちなみに筋トレを「週に2回」くらいで続けたい場合は、教えていただいたメニューを全部やったほうがいいのでしょうか?
全部でなくとも、2〜3種目で十分ですよ。
週2回くらいの頻度で筋トレをするなら、二の腕だけをピンポイントで鍛えるのではなく、他の気になる部位を鍛えるメニューを組み込みましょう。
毎日やるなら二の腕1種目のみ、週2回程度なら二の腕だけでなく他の気になる部位を全部鍛える、というイメージです。
二の腕痩せには自重やダンベルだけでなく、マシンを使った方がいい?
二の腕を引き締めるには、自重やダンベルだけでなく、ジムに行ってマシンで鍛えたほうがいいのでしょうか?
マシンにこだわらなくてもOKです。
筋トレで重要なのは、負荷ではなく正しいフォームと姿勢です。
筋肉に刺激が入っていると感じながら鍛えることができれば、自重やダンベルでも引き締め効果がありますよ。
なるほど。
まずは自宅で自重筋トレをやってみます!
マッサージは二の腕痩せに効果はありますか?
二の腕痩せについて調べると「筋トレと合わせてマッサージをするといいでしょう」という情報も出てきました。
マッサージは二の腕痩せに効果はありますか?
腕が張って太く見えている人には有効です。
でも力仕事をしない女性の場合は、あまり効果がないかもしれません。
例えば毎日重いフライパンを振る「調理師」の方などは、二の腕が張ってしまうことが多くなります。
そんな方がマッサージを受ければ、血流がよくなってほっそり見える効果はあるかもしれませんね。
普段から重いものを持ったりしない一般的なオフィスワークの女性は、素直に筋トレを頑張ったほうが良さそうですね。
そうですね。
上腕三頭筋を鍛える筋トレを重点的に行ったほうが引き締め効果を得られると思いますよ。
あなたの二の腕の悩みは、パーソナルトレーニングで解消しよう
今回の取材では、二の腕の引き締めに効果があるトレーニングをプロのパーソナルトレーナーに直接指導していただきました。
そのとき感じたのが「正しいトレーニングフォームを身につけるには、実際に教えてもらうのが一番」ということ。
一人で筋トレをすると、どうしても楽な姿勢で、できる回数だけやって終わりになってしまいがちです。
まずは自宅で筋トレを始めてみていただき、なかなか上手くできない場合は谷口さんのようなパーソナルトレーナーに頼ってみて下さい。
パーソナルトレーニングについては、下記の記事も参考にしてみて下さい。
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