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胸の筋トレメニュー

WriterQOOL編集部 中鉢

ワイドプッシュアップの効果的なやり方。正しいフォームを画像で解説

ワイドプッシュアップの効果的なやり方。正しいフォームを画像で解説

ワイドプッシュアップは胸の筋肉を中心に、上半身全体を鍛えられる腕立て伏せの一種
ノーマルプッシュアップとは異なる刺激を得られるトレーニングであるため、腕立て伏せのバリエーションを増やしたい方におすすめのメニューです。

今回はプロのパーソナルトレーナーにワイドプッシュアップについてお話を伺いました。

鍛えられる筋肉部位やメリット、正しいやり方、注意点など、ワイドプッシュアップについて網羅したこの記事で正しいやり方を学んでいただき、充実のトレーニングライフを送ってください。

監修者プロフィール

監修者 谷口 嵩幸
パーソナルトレーナー監修者 谷口 嵩幸

フィットネスジムでのトレーナー経験を経て、2019年パーソナルトレーニングジム『B Conditioning』をオープン。
「カラダを動かし、体調を整えられることを一つの選択肢にできるように」という思いからくる、的確かつ明るいトレーニング指導が人気を博している。

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ワイドプッシュアップで鍛えられる筋肉部位

まずはワイドプッシュアップで鍛えられる筋肉部位を確認しましょう。

きちんと筋肉に効かせられているか意識するためにも、筋肉の位置を知っておくことは重要です。

ワイドプッシュアップで鍛えられる下記の4部位について、各部位の場所や役割を詳しく解説していきます。

ワイドプッシュアップで鍛えられる筋肉部位

  • 大胸筋(だいきょうきん)
  • 三角筋前部(さんかくきんぜんぶ)
  • 上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
  • 前鋸筋(ぜんきょきん)

大胸筋(だいきょうきん)

大胸筋は鎖骨、腹筋上部、上腕を支点として胸全体を覆う筋肉

ワイドプッシュアップでは、地面を押す動作によって鍛えられる筋肉部位です。

大胸筋を肥大化させることで、男性ならたくましい胸板を手に入れることができ、女性ならバストアップにも繋がります。

谷口さん

大胸筋は押す動作に関与しているため、日常生活でも重要な筋肉なんですよ!

三角筋前部(さんかくきんぜんぶ)

三角筋は上腕と肩の境界に位置している丸い筋肉部位。

大胸筋と同様、ワイドプッシュアップの地面を押す動作によって三角筋の前部にも刺激が入ります。

三角筋は腕の動きに大きく関与する筋肉であるため、物を高いところに持ち上げたり、掃除が楽になったりと鍛えるメリットのある部位。

谷口さん

男性の場合は三角筋を鍛えることで、立体的な肩をデザインできますよ。

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)

上腕三頭筋は、二の腕に位置する筋肉。

ワイドプッシュアップの腕の曲げ伸ばしの動作で刺激が入るため、上腕三頭筋も鍛えることができます。

上腕三頭筋を鍛えると、男性なら腕の太さに影響し、女性なら二の腕の引き締めが期待できます。

谷口さん

腕の見た目を整えたい方は、ぜひ上腕三頭筋を意識してみてくださいね!

前鋸筋(ぜんきょきん)

前鋸筋は、脇の下に位置する筋肉。
肋骨から肩甲骨までを支え、肩甲骨の動きに関与します。

ワイドプッシュアップの動作では肩甲骨周りに刺激が入るため、前鋸筋も鍛えられます。

肩甲骨の動きを支える前鋸筋を鍛えると、肩甲骨が本来あるべきポジションに収まるため、体の機能が向上します。

谷口さん

肩がすくんだり、肩こりを感じる方は、前鋸筋を鍛えるのがおすすめです!

ワイドプッシュアップの効果

ワイドプッシュアップのやり方3

続いて、ワイドプッシュアップを行うことでどんなメリットがあるのかを確認していきましょう。

今回谷口さんから教わったのは、下記の4つ。それぞれ詳しく解説していきます。

ワイドプッシュアップの効果

  • 日常動作がスムーズになる
  • 姿勢が良くなる
  • 肩甲骨のポジションが整う
  • 他のプッシュアップ種目と比較して、肩甲骨周りに刺激が入る

日常動作がスムーズになる

筋肉部位の項目でもお伝えしたとおり、ワイドプッシュアップを行うと、日常動作がスムーズになります。

例えばワイドプッシュアップで鍛えられるメインの筋肉、大胸筋は「押す」動作に大きく関わる筋肉。

大胸筋を鍛えることで扉を楽に開閉できるようになったり、体を効率よく使えたり、日常生活でもその効果を実感することでしょう。

姿勢が良くなる

ワイドプッシュアップは基本的に、体を真っ直ぐにして行う種目です。

お腹に力を入れて支えることで腹筋群などの体幹部が鍛えられ、肩甲骨を寄せると僧帽筋や前鋸筋にも刺激が入ります。

その結果姿勢が整い、男らしい凛とした姿勢モデルのようなきれいなスタイルに繋がります。

肩甲骨のポジションが整う

ワイドプッシュアップでは、肩甲骨をしっかりと寄せた状態をキープします。
その動作を繰り返すうちに、肩甲骨を本来あるべき位置に戻すことが可能になります。

谷口さん

肩甲骨が正しいポジションにない場合、腕を上げる動作で余計な力が必要になってしまったり、肩がすくんで肩こりの原因になってしまったり、体の不調につながることも……。

ワイドプッシュアップを行うことで、体の正しい動きを学ぶことができます。

他のプッシュアップ種目と比較して、肩甲骨周りに刺激が入る

プッシュアップにはワイドプッシュアップの他にも、ノーマルプッシュアップやナロープッシュアップなどの派生種目があります。

他のプッシュアップ種目との違いは、肩甲骨周りに刺激が入りやすいメニューであること。

※表は横にスクロールできます。

筋肉部位 ナロープッシュアップ(50%) ノーマルプッシュアップ(100%) ワイドプッシュアップ(150%)
三角筋 89.3±5.6 100.0±7.1 97.5±6.3
小胸筋 131.7±4.0 100±3.1 84.3±2.5
大胸筋 115.0±4.3 100±3.4 92.3±2.9
前鋸筋 71.2±2.6 100±4.4 119.2±4.9
上腕二頭筋 105.5±6.9 100±6.9 121.6±9.1
上腕三頭筋 116.5±7.0 100±5.9 86.0±5.3
広背筋 92.4±5.6 100±6.0 103.5±7.1
棘下筋 162.7±10.3 100±5.1 75.7±4.2

上記の表は韓国の大学によって行われた研究結果から引用したもの。
ノーマルプッシュアップで各部位にかかる刺激を100とした時、スタンスの違いによってかかる刺激の差を一覧化したものです。

前鋸筋の数値を見てみると、119.2±4.9と有意な差があることが分かります。他にも広背筋の数値は103.5±7.1と、わずかながら他の種目よりも強い刺激が加わるという結果に。

前鋸筋と広背筋は、どちらも肩甲骨を支える筋肉。肩甲骨を正しいポジションに持っていきたい方におすすめのメニューと言えます。

ワイドアップの効果的なやり方。画像つきでフォームを解説!

ワイドプッシュアップのやり方2

それではさっそく、プロのパーソナルトレーナーである谷口さんに教わった、ワイドプッシュアップの正しいやり方について解説していきます。

正しいフォームで行うことで、よりトレーニングの効果を高めることが可能に。実際に行う際は、下記の3ステップを意識してみてください。

ワイドプッシュアップのやり方

  1. 手幅を肩幅より手のひら一つ分くらい広く開き、肩甲骨を寄せる
  2. 体を一直線に保ったまま、体を落とす
  3. 体を下げきったら、地面を押して持ち上げる

手幅は肩幅よりも手のひら一つ分くらい広く開きましょう。

肩甲骨を寄せて、肩を下げるように意識してください。

腰が落ちたりお尻が上がったりすることなく一直線に保ったまま、肘を曲げて体を沈めます。

この時、肘を広げないように注意しましょう。

沈められるところまで体を沈めたら、地面を押して体を持ち上げます。

この時も体が一直線になるようにキープしたまま行ってください。

中鉢

トレーニングの後半になると、どうしてもフォームが崩れてしまいます……。

谷口さん

どうしてもフォームが崩れてしまうなら、膝をついてもOKです。
崩れたフォームで行うよりも、膝をついて正しいフォームで行うほうが効果的なので。

無理せずできる範囲から、取り組んでみてくださいね!

ワイドプッシュアップの注意点

ワイドプッシュアップの注意点

ここからは谷口さんに教わった、ワイドプッシュアップを行う際の注意点を解説していきます。

注意点を一言でまとめると、フォームを崩さないことが最も重要なポイント

フォームを崩すと十分に筋肉に刺激が入らず、肩を痛める原因にも繋がります。

ワイドプッシュアップにおいて最も重要なフォームを崩さないためにも、下記の3つの注意点を頭に入れて、トレーニングを行ってみてください。

ワイドプッシュアップの注意点

  • 常に一直線の姿勢を保つ
  • 肘を斜め後ろに向ける
  • 肩を下げる

常に一直線の姿勢を保つ

体を降ろす時も上げる時も、ワイドプッシュアップを行っている最中は常に姿勢を一直線に保ちましょう

姿勢をキープすることで、腹筋群の体幹強化肩甲骨周りなどのキープにも役立ちます。

お腹を十分に固められないと腰が落ちたりお尻が上がったり、フォームが安定しません。
その結果、下記の画像のような乱れたフォームに。

ノーマルプッシュアップの悪い例1

ワイドプッシュアップの悪い例。腰が反っています。

中鉢

ワイドプッシュアップを行う時、よく首と腰が落ちるんです……。

谷口さん

もしストレッチポールなどの長いポールをお持ちの方は、体の上に乗せるのも良い方法です!

頭・背中・お尻」の3部位に、ポールが当たっていれば一直線をキープできている証拠です。

肘を斜め後ろに向ける

肘を後ろに向ける

「肘の内側を、気持ち前に向けましょう」と指導を受けてます。

肘を斜め後ろに向けることも、ワイドプッシュアップのポイントの一つ。
そうすると、肘の向きに連動して肩甲骨が寄せられるため、正しいフォームを作りやすいからです。

肩甲骨がしっかりと寄っているからこそ、地面を押しても体をまっすぐ使うことができ、正しいフォームを維持できるのです。

また、肘を外側に向けてしまうと負担がかかるため、肩を痛める原因にも繋がります。

谷口さん

イメージしづらい方は、肘の内側を少しだけ前に向けるイメージで行ってみてください。

肩を下げる

肩をしっかりと落とし、肩がすくまないように意識するのも重要です。

肩がすくんでいると胸が下まで落ちきらないため、胸や腕にかかる負荷が落ちてしまいます。

ノーマルプッシュアップの悪い例2

限界まで下げましたが、ご覧の通り胸と地面との間に距離がありますよね。

しっかりと肩甲骨を寄せ、肩を下げることで初めて、大胸筋が十分に伸びるところまで体を沈めることができるのです。

中鉢

肩がすくみやすい人には、どんな特徴がありますか?

谷口さん

背中が丸まっていると、肩が上がってしまいます。

肩甲骨を寄せて、背中をまっすぐにするように意識しましょう!

ワイドプッシュアップを取り入れて、腕立て伏せのバリエーションを増やそう

今回はプロのトレーナーである谷口さんにお話を伺い、ワイドプッシュアップについて解説しました。

ワイドプッシュアップは大胸筋を中心として、肩甲骨周り筋肉をまんべんなく鍛えられるトレーニングメニューです。

通常のプッシュアップと比べると異なる刺激が入る種目であるため、腕立て伏せのバリエーションを増やしたい方におすすめのメニューです。

とはいえ、ワイドプッシュアップはそれなりに負荷の高いメニュー。
そのため、筋トレ初心者や女性は苦労するかもしれません。

ワイドプッシュアップができずに悩んでいる方は、腕立て伏せが上手くできない初心者向けの練習法をプロトレーナーが解説した記事をご覧いただき、段階的に鍛えていきましょう。

QOOL編集部 中鉢
QOOL編集部ライター。パーソナルトレーナーへの取材や本で学んだ知識を活かした「無理しないボディメイク」を実践し、体脂肪率12%BMI21をキープ中。