監修者プロフィール
- パーソナルトレーナー監修者 谷口 嵩幸
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フィットネスジムでのトレーナー経験を経て、2019年パーソナルトレーニングジム『B Conditioning』をオープン。
「カラダを動かし、体調を整えられることを一つの選択肢にできるように」という思いからくる、的確かつ明るいトレーニング指導が人気を博している。
ナロープッシュアップで鍛えられる筋肉部位
まずはナロープッシュアップで鍛えられる筋肉部位を確認しましょう。
きちんと筋肉に効かせられているか意識するためにも、筋肉の位置を知っておくことは重要です。
ナロープッシュアップで鍛えられる下記の3部位について、各部位の場所や役割を詳しく解説していきます。
ナロープッシュアップで鍛えられる筋肉部位
- 大胸筋
- 上腕三頭筋
- 三角筋(前部)
大胸筋
大胸筋は鎖骨、腹筋上部、上腕を支点として胸全体を覆う筋肉。
ナロープッシュアップでは、地面を押す動作によって鍛えられる筋肉部位です。
大胸筋を肥大化させることで、男性ならたくましい胸板を手に入れることができ、女性ならバストアップにも繋がります。
大胸筋は押す動作に関与しているため、日常生活でも重要な筋肉なんですよ!
上腕三頭筋
上腕三頭筋は、二の腕に位置する筋肉。
プッシュアップ系の腕の曲げ伸ばしの動作で刺激が入りますが、ナロープッシュアップは特に上腕三頭筋に効くメニューです。
上腕三頭筋を鍛えると、男性なら腕の太さに影響し、女性なら二の腕の引き締めが期待できます。
腕の見た目を整えたい方は、ぜひナロープッシュアップにチャレンジしてみてくださいね!
三角筋(前部)
三角筋は上腕と肩の境界に位置している丸い筋肉部位。
大胸筋と同様、ナロープッシュアップの地面を押す動作によって三角筋の前部にも刺激が入ります。
三角筋は腕の動きに大きく関与する筋肉であるため、物を高いところに持ち上げたり、掃除が楽になったりと鍛えるメリットのある部位。
他のプッシュアップ種目のほうが肩には効きやすいので、もし立体的な肩を手に入れたいのなら、通常のプッシュアップやワイドプッシュアップを行ってみてください。
ナロープッシュアップの効果
続いて、ナロープッシュアップを行うことでどんなメリットがあるのかを確認していきましょう。
今回谷口さんから教わったのは、下記の5つ。それぞれ詳しく解説していきます。
ナロープッシュアップの効果
- 日常動作がスムーズになる
- 姿勢が良くなる
- 肩甲骨のポジションが整う
- 二の腕が引き締まる
- 他のプッシュアップ種目と比較して、二の腕に効く
日常動作がスムーズになる
筋肉部位の項目でもお伝えしたとおり、ナロープッシュアップを行うと、日常動作がスムーズになります。
例えばナロープッシュアップで鍛えられるメインの筋肉、大胸筋は「押す」動作に大きく関わる筋肉。
大胸筋を鍛えることで扉を楽に開閉できるようになったり、体を効率よく使えたり、日常生活でもその効果を実感することでしょう。
姿勢が良くなる
ナロープッシュアップは基本的に、体を真っ直ぐにして行う種目です。
お腹に力を入れて支えることで腹筋群などの体幹部が鍛えられ、肩甲骨を寄せると僧帽筋や前鋸筋にも刺激が入ります。
その結果姿勢が整い、男らしい凛とした姿勢やモデルのようなきれいなスタイルに繋がります。
肩甲骨のポジションが整う
ナロープッシュアップでは、肩甲骨をしっかりと寄せた状態をキープします。
その動作を繰り返すうちに、肩甲骨を本来あるべき位置に戻すことが可能になります。
肩甲骨が正しいポジションにない場合、腕を上げる動作で余計な力が必要になってしまったり、肩がすくんで肩こりの原因になってしまったり、体の不調につながることも……。
ナロープッシュアップを行うことで、体の正しい動きを学ぶことができます。
二の腕が引き締まる
繰り返しになりますが、ナロープッシュアップは大胸筋の他にも、上腕三頭筋に効くプッシュアップ種目。
上腕三頭筋が鍛えられることで、男性なら男らしい太い腕を、女性ならたるみのない引き締まった二の腕を目指すことができます。
大胸筋のトレーニングで腕も同時に鍛えたい方は、積極的にナロープッシュアップを取り入れましょう。
他のプッシュアップ種目と比較して、二の腕に効く
プッシュアップにはナロープッシュアップの他にも、ワイドプッシュアップやノーマルプッシュアップなどの派生種目があります。
他のプッシュアップ種目との違いは、二の腕に効きやすいメニューであること。
※表は横にスクロールできます。
筋肉部位 | ナロープッシュアップ(50%) | ノーマルプッシュアップ(100%) | ワイドプッシュアップ(150%) |
三角筋 | 89.3±5.6 | 100.0±7.1 | 97.5±6.3 |
小胸筋 | 131.7±4.0 | 100±3.1 | 84.3±2.5 |
大胸筋 | 115.0±4.3 | 100±3.4 | 92.3±2.9 |
前鋸筋 | 71.2±2.6 | 100±4.4 | 119.2±4.9 |
上腕二頭筋 | 105.5±6.9 | 100±6.9 | 121.6±9.1 |
上腕三頭筋 | 116.5±7.0 | 100±5.9 | 86.0±5.3 |
広背筋 | 92.4±5.6 | 100±6.0 | 103.5±7.1 |
棘下筋 | 162.7±10.3 | 100±5.1 | 75.7±4.2 |
上記の表は韓国の大学によって行われた研究から引用したもの。
ノーマルプッシュアップで各部位にかかる刺激を100とした時、スタンスの違いによってかかる刺激を一覧化したものです。
ナロープッシュアップの上腕三頭筋の数値を見てみると、116.5±7.0と他の種目に比べて有意な差が確認できます。
またこのデータを見る限り、大胸筋や小胸筋などの胸筋群についても、最も刺激の入る種目であることが分かります。
その分三角筋や前鋸筋、広背筋などの肩周りの筋肉への刺激は控えめ。
肩周りよりも胸や腕を鍛えたい方には、ナロープッシュアップがおすすめです。
ナロープッシュアップの効果的なやり方。画像つきでフォームを解説!
それではさっそく、プロのパーソナルトレーナーである谷口さんに教わった、ナロープッシュアップの正しいやり方について解説していきます。
正しいフォームで行うことで、よりトレーニングの効果を高めることが可能に。実際に行う際は、下記の3ステップを意識してみてください。
ナロープッシュアップのやり方
- 手が肩の真下になるくらいに開き、肩甲骨を寄せる
- 体を一直線に保ったまま、体を落とす
- 体を下げきったら地面を押して持ち上げる
まずは手幅を肩幅くらいに開きましょう。
この時肩甲骨を寄せて、肩を下げるように意識してください。
腰が落ちたりお尻が上がったりすることなく一直線に保ったまま、肘を曲げて体を沈めます。
この時、肘を広げないように注意しましょう。
沈められるところまで体を沈めたら、地面を押して体を持ち上げます。
この時も体が一直線になるようにキープしたまま行ってください。
トレーニングの後半になると、どうしてもフォームが崩れてしまいます……。
どうしてもフォームが崩れてしまうなら、膝をついてもOKです。
崩れたフォームで行うよりも、膝をついて正しいフォームで行うほうが効果的なので。
無理せずできる範囲から、取り組んでみてくださいね!
ナロープッシュアップの注意点
ここからは谷口さんに教わった、ナロープッシュアップを行う際の注意点を解説していきます。
注意点を一言でまとめると、フォームを崩さないことが最も重要なポイント。
フォームを崩すと十分に筋肉に刺激が入らず、肩を痛める原因にも繋がります。
ナロープッシュアップにおいて最も重要なフォームを崩さないためにも、下記の3つの注意点を頭に入れて、トレーニングを行ってみてください。
ナロープッシュアップの注意点
- 常に一直線の姿勢を保つ
- 肘を斜め後ろに向ける
- 肩を下げる
常に一直線の姿勢を保つ
体を降ろす時も上げる時も、ナロープッシュアップを行っている最中は常に姿勢を一直線に保ちましょう。
姿勢をキープすることで、腹筋群の体幹強化や肩甲骨周りなどのキープにも役立ちます。
お腹を十分に固められないと、腰が落ちたりお尻が上がったり、フォームが安定しません。
その結果、下記の画像のような乱れたフォームに。
ナロープッシュアップを行う時、よく首と腰が落ちるんです……。
もしストレッチポールなどの長いポールをお持ちなら、体の上に乗せるのも良い方法です!
「頭・背中・お尻」の3部位に、ポールが当たっていれば一直線をキープできている証拠です。
肘を斜め後ろに向ける
肘を斜め後ろに向けることも、ナロープッシュアップのポイントの一つ。
そうすると、肘の向きに連動して肩甲骨が寄せられるため、正しいフォームを作りやすいからです。
肩甲骨がしっかりと寄っているからこそ、地面を押しても体をまっすぐ使うことができ、正しいフォームを維持できるのです。
また、肘を外側に向けてしまうと負担がかかるため、肩を痛める原因にも繋がります。
ナロープッシュアップは、他のプッシュアップ種目よりも更に肘を締めることを意識しましょう。
肩を下げる
肩をしっかりと落とし、肩がすくまないように意識するのも重要です。
肩がすくんでいると胸が下まで落ちきらないため、胸や腕にかかる負荷が落ちてしまいます。
しっかりと肩甲骨を寄せ、肩を下げることで初めて、大胸筋が十分に伸びるところまで体を沈めることができるのです。
肩がすくみやすい人には、どんな特徴がありますか?
背中が丸まっていると、肩が上がってしまいます。
肩甲骨を寄せて、背中をまっすぐにするように意識しましょう!
ナロープッシュアップは、二の腕の引き締めにも効く腕立て伏せ
今回はプロのトレーナーである谷口さんにお話を伺い、ナロープッシュアップについて解説しました。
ナロープッシュアップは大胸筋や上腕三頭筋に特に効くトレーニングメニュー。肩周りよりも胸や二の腕を鍛えたいのなら、優先的に取り入れるべきメニューと言えます。
とはいえ、ナロープッシュアップはそれなりに負荷の高いメニュー。
そのため、筋トレ初心者や女性は苦労するかもしれません。
ナロープッシュアップができずに悩んでいる方は、腕立て伏せが上手くできない初心者向けの練習法をプロトレーナーが解説した記事をご覧いただき、段階的に鍛えていきましょう。
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