監修者プロフィール
- パーソナルトレーナー監修者 宮下 真之
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警察官を経てトレーナーへと転身。大手フィットネスクラブでインストラクターとしてキャリアを重ね、その後は北島康介氏プロデュース「FLUX CONDITIONINGS」の人事育成兼専属パーソナルトレーナーへ。プロゴルファーや力士、アーティストなど様々な著名人を受け持ち、2018年に独立して『KNOX』の代表として活動。パーソナルトレーナーの専門学校であるセカンドパス札幌校の代表講師としても活躍している。
担当実績
・浜崎あゆみ(アーティスト|2016年専属トレーナー)
・伊沢拓也(プロレーサー|2015年スーパーGT第三位)など
大会実績
・ベストボディジャパン2021札幌大会ミドルクラスファイナリスト
SNS
・Instagram
シットアップで鍛えられる部位と効果
「シットアップ」は、腹直筋だけでなく股関節の筋肉も鍛えることができるトレーニングメニュー。
腹筋メニューの中でも複数の筋肉を鍛えることができるのが特徴です。
シットアップに限らず、筋トレでは鍛える部位を意識しながら行うことが重要。
そのためには、鍛える筋肉の位置や役割を確認しておきましょう。
まずはシットアップで鍛えることができる筋肉について、宮下さんに詳しく解説していただきました。
シットアップで鍛えることができる筋肉
- 腹直筋上部・腹直筋下部
- 腸腰筋
- 大腿四頭筋
腹直筋上部・腹直筋下部
腹直筋とは、腹部の全面、もっとも外側にある筋肉。「シックスパック」とも呼ばれています。
縦に長い筋肉のため、「腹直筋上部」「腹直筋下部」に分けて考えられることが多いです。
腹直筋上部は、主に体幹部分を前屈させる役割を持っており、鍛えることで姿勢の改善効果が見込めます。
一方、腹直筋下部は、主に骨盤を肋骨に近づけるときなどに使用する筋肉。
普段の生活で使う機会が少なく、腹直筋上部と比較すると衰えやすく鍛えにくい筋肉です。
クランチで腹直筋上部と下部を鍛えることで、ぽっこりお腹が解消される、姿勢が改善されるという効果を期待できるでしょう。
腸腰筋
腸腰筋(ちょうようきん)はお腹の奥の方に位置する、上半身と下半身を繋ぐ役割を持つ筋肉群である大腰筋(だいようきん)と腸骨筋(ちょうこつきん)の総称です。
鍛えたときに目に見える効果は少ない部位ですが、間接的なスタイルアップに重要な筋肉。
この部位を鍛えることで体の軸が安定するため、姿勢の改善や、腰痛の予防効果が期待できます。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前面にあり、太ももと骨盤を繋いでいる筋肉です。
体の中でも大きい面積を占める筋肉で、股関節を曲げたり膝関節を伸ばす動きに関与する働きを持っています。
大腿四頭筋を鍛えることで基礎代謝が上がり、痩せやすく太りにくい体を作れるだけでなく、体のバランスが取りやすくなるという効果があります。
シットアップとクランチの対象部位の違い
腹筋を鍛えるトレーニングは、「シットアップ」の他にも「クランチ」がありますが、この2つはどう違うのでしょうか?
シットアップとクランチでは、使用する筋肉が違います。
クランチは腹直筋上部と下部を鍛えることができますが、シットアップは腹直筋だけでなく股関節の筋肉も使って行うトレーニングです。
シットアップとクランチの違い
- シットアップ……両足を床につけて固定して行う。腹直筋上部と下部、腸腰筋、大腿四頭筋に刺激が入る
- クランチ……両足を上げて行う。腹直筋上部と下部に刺激が入る
シットアップもクランチ、「腹直筋を鍛えることができる」という点は共通しています。
腹直筋だけでなく、股関節の筋肉も使ってトレーニングするのがシットアップです。
腹筋メニューの中でも上級者向けのトレーニングですね。
シットアップを取り入れるメリット
腹筋を鍛えるメニューは、シットアップ以外にもたくさんありますよね。
シットアップを取り入れるメリットは、具体的にはどんなものがありますか?
他の腹筋メニューと比較すると、シットアップには大きく分けて以下の2つのメリットがあります。
シットアップのメリット
- 他の腹筋メニューより鍛えられる筋肉が多い
- ウエイトなどを使用して負荷をアップできる
他の腹筋メニューより鍛えられる筋肉が多い
シットアップは、他の腹筋メニューよりも鍛えられる筋肉が多いメニューです。
そのため、「いろんなトレーニングを組み合わせるより、筋トレを1種目で済ませたい」という場合に特におすすめ。
腹筋だけでなく、股関節の筋肉も一緒に鍛えられるのがシットアップのメリットです。
ウエイトなどを使用して負荷をアップできる
シットアップは、他の腹筋メニューとは違い、傾斜をつける、ウエイトを持つなどして負荷をアップできるトレーニング種目。
他の腹筋メニューに慣れてきて、「より負荷を上げて腹筋を鍛えたい」という人には特におすすめのトレーニングメニューです。
「腹筋は一応割れているけど、もっと肥大化させたい」という人にはシットアップをおすすめしますね。
シットアップの効果的なやり方
こちらはシットアップです。腰にダメージの入りやすい難易度高めの種目ですが、ベンチやウエイトを使えば負荷をあげやすいのがメリットの筋トレ種目。足首と膝、抑えてもらう箇所を変えると負荷が大きく変わります。 pic.twitter.com/jdiNBngO7Y
— QOOL(クール)公式アカウント (@qooljp) August 23, 2021
ここからは、シットアップの正しいフォームや効果的なやり方について解説します。
上記の動画も合わせてご覧いただきながら、正しいフォームを身につけて効率よく鍛えていきましょう。
効果的なやり方・手順
- 床に仰向けになり、膝を90度に曲げて足裏は床にしっかりつける
- 両手は頭の後ろで組んで、肘は閉じる。目線は正面をキープ
- 上体を完全に起こす。このとき、腹筋を丸めながら起こしていくことを意識する
- ゆっくりと上体を床に下ろしていく。このとき、背骨を一つずつ床につけていくようなイメージで行う
シットアップは、まずは10回3セットを目安に行いましょう。
こなせる回数を増やすよりも、「腹筋に効いているかどうか」を重視してトレーニングを継続してください。
シットアップの効果を高めるコツと注意点
シットアップの効果をより高めるために必要なコツや、気をつけるべき注意点についても、宮下さんに解説していただきました。
- 腹直筋を縮めることを意識する
- 目線は常に自分の太ももをキープする
- 足を固定する位置で負荷をコントロールする
この3つを意識すると、シットアップの効果がよりアップします。ぜひ実践してみてください。
腹直筋を縮めることを意識する
上体を起こすときは、腹直筋を収縮させ、腰を丸めるように意識しながら行いましょう。
ほとんどの筋トレでは、胸を張って背すじを伸ばすのが基本姿勢です。
しかしシットアップでは、腹直筋を縮めて上体を起こすのが正解。
そうすることで腰への負担が軽減され、安全に腹筋を鍛えられるでしょう。
「背骨を手巻き寿司のようにゆっくり滑らかに動かす」ようなイメージでトライしてみて下さい。
目線は常に自分の太ももをキープする
目線は常に自分の太もものあたりをキープしましょう。
上体を起こすときや下ろすときなどに目線を天井に向けてしまうと、腹直筋への負荷が抜けてしまいます。
回数を重ねるごとにきつくなってきますが、常に腹筋を意識してトレーニングを行なってください。
足を固定する位置で負荷をコントロールする
シットアップは、基本的に足を固定して行うトレーニングですが、固定する位置で負荷が変わるのが特徴です。
もっとも筋肉に負荷がかかるのは足首を固定して行う状態ですが、膝を固定すると負荷を下げることができます。
膝を固定した状態でも上体を起こせなくなってきたら、次は腕を伸ばして反動をつけて行ってもOK。
足首を固定した状態がきつくなってきたら、膝を固定して負荷を下げ、じっくり筋肉を追い込みましょう。
シットアップができない女性向けの腹筋メニュー
シットアップは、腹筋が弱いと他の筋肉を使ってしまう、反り腰の人が行うと腰痛になりやすいなど、筋トレ初心者や女性には難易度の高いメニューである点は要注意。
ここからは、「シットアップができないので、まず腹筋を鍛えたい」という女性にもおすすめの腹筋トレーニングメニューをご紹介します。
トランクカール|腹直筋上部だけを鍛えるメニュー
プロトレーナーの宮下さんから腹筋種目を教えて頂きました。こちらはトランクカール。腹直筋上部をピンポイントで鍛えられる筋トレメニューです。なかなかつらいです? pic.twitter.com/EoGln5FAfG
— QOOL(クール)公式アカウント (@qooljp) August 23, 2021
トランクカールは、腹直筋上部のみをピンポイントで鍛えることができるトレーニングメニュー。
他の腹筋メニューに比べて楽な姿勢で行うことができるため、「腹筋を収縮させるコツ」が掴みやすいのが特徴です。
「シットアップは腰が痛くなる」「クランチが難しくてできない」という人は、まずはトランクカールからチャレンジしてみましょう。
- 仰向けになり、膝は90℃に曲げた状態にする。足裏は床につける
- 両手は後頭部で組んで肘は閉じ、肩甲骨がつかない程度に上体を軽く浮かせる。目線は自分の太もものあたりをキープ
- 息を吐いてから、上体を起こせるところまで起こす。このとき、息を吐き続けることを意識する
- ゆっくりと上体を下ろす。このとき、2と同様肩甲骨が床につかない位置まで下ろすようにする
クランチ|腹直筋をバランスよく鍛えるメニュー
こちらはクランチ。腹直筋の上部と下部をバランスよく鍛えられる筋トレメニューです。とにかく息を吐きながら行うのが大切だと教わりました。 pic.twitter.com/ti0dAEPzTd
— QOOL(クール)公式アカウント (@qooljp) August 23, 2021
クランチは、腹直筋上部と腹直筋下部を鍛えることができるトレーニングメニュー。
腹筋だけで上体を起こすため、腰への負担が少なく、腹筋をバランスよく鍛えることができる初心者におすすめのメニュー。
トランクカールで腹筋を使うコツをつかんだら、次はクランチにチャレンジしてみてください。
- 仰向けになり、膝を90度に曲げる
- 両手は後頭部で組んで肘は閉じ、肩甲骨がつかない程度に上体を軽く浮かせる。目線は自分の太もものあたりをキープ
- 息を吐いてから、上体を起こせるところまで起こす。このとき、息を吐き続けることを意識する
- ゆっくりと上体を下ろす。このとき、2と同様肩甲骨が床につかない位置まで下ろすようにする
シットアップは、負荷をあげて筋肉を肥大化させたい人におすすめ
シットアップは、負荷をかけることができ、腹直筋を強力に刺激できるトレーニング種目。
「筋トレを1種目で済ませたい」という人や、「筋肉を肥大化させたい」という人にもおすすめです。
ただし、腹筋メニューの中でも難易度も高いトレーニングのため、怪我には気をつけて行う必要があります。
怪我を防ぐには、とにかく「正しいフォーム」で行うことが重要。
この記事で解説しているやり方やコツを実践しながら、シットアップにチャレンジしてみてください。
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