監修者プロフィール
- パーソナルトレーナー監修者 奈良 賢樹
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クロスフィットトレーナーとしてキャリアを重ね、現在は札幌市のパーソナルジム『GOOD CONDITIONING GYM』に所属。12年に及ぶラグビー競技歴、トップクラブリーグでの経験も併せ持つ。誠実に相手と向き合う姿勢と、ロジカルで分かりやすい指導に定評あり。
細マッチョになるには有酸素運動をするべき
細マッチョになるには、有酸素運動を取り入れるべきです。
- 体脂肪率が10%〜15%
- BMI指数が20〜23
上記の数値は、当編集部が定めている細マッチョの定義です。
細マッチョを目指すなら、率先して有酸素運動を取り入れ、体脂肪15%以下まで落とす必要があるでしょう。
あなたの体脂肪率により、有酸素運動を行う目的や適したメニューは異なると教わりました。
そこでここからは「体脂肪率15%」を基準に、具体的な有酸素運動の目的を2パターンにわけて解説していきます。
有酸素運動は、余分な脂肪を燃やすという点ではもちろん、心肺機能や体力の強化においても有効です。
ぜひ取り入れていきましょう!
体脂肪率15%以上の人|減量のために有酸素運動を行う
細マッチョ体型のような引き締まった体を手に入れるには、余分な脂肪を落とすことは必須。
体脂肪率が15%以上の方は、減量を目的に有酸素運動を取り入れましょう。
筋トレにはカロリー消費だけでなく、代謝の高い状態を保つ効果があります。
そのため筋トレ後に有酸素運動を行うと、より効率良く脂肪燃焼が可能に。
1日でも早く細マッチョに近づきたい人は、筋トレ+有酸素運動を行いましょう。
つまり、筋トレを続けている体脂肪率が15%以上のトレーニーは細マッチョ予備軍。
いまのトレーニングに有酸素運動を取り入れれば、理想の体型になる日は目の前です。
もちろん摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうと、いつまで経っても痩せません。
筋肉をつけながらも、食事内容を見直して無駄なエネルギーを取らない食生活にしていきましょう。
体脂肪率15%以下の人|体力強化のために有酸素運動を行う
体脂肪が15%以下の方は、下記のようにボディメイクしていきましょう。
体脂肪率15%以下の場合
- 筋トレと食事コントロール:筋肉増量
- 有酸素運動:体力強化
「たくさん食べても太れない」という人でも、筋トレを始めて食事を見直したら見違えるようにバルクアップできたというケースは少なくありません。
まずは体脂肪率を上げて、そこから有酸素運動の種類を「減量用」に切り替えて絞り始めることが理想。
現在と同じ体脂肪率まで下がった時、細マッチョ体型に近づいているはずです。
「太りにくい・脂肪が少ない」タイプの方は、一旦筋肉をつけながら体重を増やすことが大切。
その間の有酸素運動は、あくまで体力や心肺機能の強化のために取り入れましょう。
細マッチョになるためのおすすめ有酸素運動メニュー
体型別に有酸素運動の目的をお伝えしてきましたが、ここからは具体的なメニューをご紹介します。
プロトレーナー奈良さんおすすめの有酸素運動は、下記の2種類。
プロがおすすめする有酸素運動メニュー
細マッチョを作り上げるスキルに長けた奈良さん直伝の「細マッチョになるための有酸素運動メニュー」をお伝えしていきます。
体脂肪率15%以上の人|サイクリング運動で減量
体脂肪率15%を越える人には、自転車やエアロバイクを使ったサイクリング運動がおすすめです。理由は下記の2つ。
サイクリングのメリット
- 膝への負担がかるく、関節を痛めにくいこと
- カロリー消費量の多い(METs値が高い)運動であること
たとえばランニングで膝にかかる負担は、体重のおよそ4〜5倍と言われています。
それに対してサイクリング運動は「自身の体重と同程度」しか膝に負担がかかりません。
毎日の有酸素運動の積み重ねを考えると、体へのダメージは考慮すべきポイントです。
もしも膝の痛みが出てしまうと、肝心の筋トレにも支障が出て、細マッチョを目指すモチベーションすらも下がってしまうでしょう。
また、サイクリングの消費カロリーはランニングよりも多く、効率の良い減量に適した有酸素運動です。
たとえば、運動強度を示すMETs(メッツ)値を比べると下記のとおり。
消費カロリーの違い
- ゆったりとしたランニング:6METs
(70kgの人が30分行うと、220.5kcalの消費) - 通常速度のサイクリング:8METs
(70kgの人が30分行うと、294kcalの消費)
サイクリングの消費カロリーは、ランニングとくらべて実に1.3倍。
以上が、減量が必要な体脂肪率15%以上の方の有酸素運動に「サイクリング」をおすすめする理由です。
体脂肪が高い人ほど、ランニングでは膝に負担が多いもの。
ぜひサイクリングで有酸素運動を取り入れて、安全で効率よく細マッチョを目指していきましょう。
エアロバイクの効果やメリットをもっと具体的に知りたい方は、ぜひ下記の記事もあわせてご覧ください。
体脂肪率15%以下の人|昇降運動で体力強化
体脂肪率15%以下の人には、階段の上り下り・踏み台昇降・ステッパーのいずれかを利用した昇降運動がおすすめです。理由は以下の2点。
昇降運動のメリット
- カロリーを消費する必要がない
- 体力をつけたり、気分転換に有効
いまの体脂肪率が15%以下の方は減量する必要はありません。
昇降運動は気分転換や、体力づくりのために取り入れていきましょう。
息が上がらない程度の昇降運動は、それほど脂肪燃焼効果は高くありません。
しかし心肺機能を鍛える効果があるため、疲れにくい体を手に入れるための有酸素運動としては最適です。
ちなみに昇降運動は、ランニングほどではないにせよ膝への負担がかかる運動です。
特に下りるときに段差による衝撃が膝にかかるため、体脂肪率15%以上の人が無理に取り入れるのは避けておきましょう。
勢いよく階段を昇り降りしてしまうと、息が切れて無酸素運動になってしまいます。
呼吸が乱れないぐらいのペースで、ゆっくりと昇降運動をしてください。
ランニングは無理に行わなくてOK
体脂肪を落とす有酸素運動であれば、ランニングが王道では?
もちろんランニングが好きな方は行ってもOKです。
しかし、基本的にはランニングをおすすめしていません。
細マッチョを目指すにあたっては、筋肉量を増やすことが最優先です。
筋肉は脂肪よりも重いため、どうしても体重は増えがち。
そんなトレーニーがランニングを取り入れると、膝への負担が大きくなってしまうというのです。
しかし、細マッチョを目指すための有酸素運動という点では、ランニングはまっさきにおすすめできる種目ではないということでした。
消費カロリーがサイクリングより少ないという点でも、ランニングは細マッチョになるためのベストとは言えません。
ただでさえハードな筋トレで筋肉にダメージを受けているので、できるだけ体への負荷の軽い有酸素運動を選びましょう。
さらに効率良く細マッチョになる5つのコツ
細マッチョを目指すには、まずはバルクアップし「筋トレ×有酸素運動」で絞って仕上げるという手順で間違いありません。
しかしその他にも、更に効率よく、スピーディに細マッチョを目指すためのコツがあります。
ここからは奈良さんに教えていただいた内容をもとに、より効率良く細マッチョを目指すコツを解説。以下5つのテーマでお伝えします。
効率よく細マッチョになる5つのコツ
- 有酸素運動の頻度は筋トレに合わせる
- 筋トレは「BIG3」を取り入れる
- 体脂肪率とBMIを常に管理する
- 食事の栄養バランスを管理し、朝食はかならず摂る
- プロテインで筋力アップをサポートする
有酸素運動の頻度は筋トレに合わせる
有酸素運動は、筋トレを行う頻度にあわせて下記の2パターンで取り入れましょう。
有酸素運動の頻度
- 筋トレしたあとに有酸素運動をする
- 筋トレの休息日に有酸素運動をする
前述のとおり、筋トレ後は「成長ホルモン」が活性化し、脂肪が燃焼されやすい「ゴールデンタイム」。
有酸素運動の効果を高めるためには、これを逃す手はありません。
たとえば以下のスケジュールで、筋トレと有酸素運動をつづけて取り入れることをおすすめします。
トレーニング例
筋トレ(20分)→サイクリング(30分)
経験上、筋トレと有酸素運動の間に休憩時間をはさむ必要性はありません。
どちらもスピーディにこなしたほうが続けやすいはずです。
また「1日の中で50分間もトレーニングに割けない」という方は、下記のスケジュールで筋トレと有酸素運動を繰り返すのもおすすめ。
トレーニング例
月曜 サイクリング運動(30分)
火曜 筋トレ(20分)
水曜 サイクリング運動(30分)
木曜 筋トレ(20分)
金曜 サイクリング運動(30分)
土曜 筋トレ(20分)
日曜 休息日
筋トレの休息日に有酸素運動を行うことで、効率よく細マッチョを目指せます。
「今日は何をしよう」と迷ってストレスを感じることもなく、気分良くトレーニングを続けられるでしょう。
ちなみに「どうしても筋トレ前に有酸素運動をしたい」という場合は、無理にアドバイス通りにしなくとも問題ありません。
筋トレ前に有酸素運動をする方がモチベーションが上がるなら、その方が有意義です。
自分が続けやすい方法を選んでください。
筋トレのスケジュール管理、頻度について詳しく知りたい場合は、あわせて以下の記事もご覧下さい。
筋トレは「BIG3」を取り入れる
細マッチョを目指すには、ただ痩せるだけではいけません。
まるでアルプス山脈のように隆起した腹筋や、エアーズロックのように盛り上がった大胸筋など、男らしく魅力的な筋肉を身に着ける必要があります。
とは言えど、全身を鍛えるとなるとトレーニング種目も多くなり、手順を把握するだけでも一苦労。
そこで取り入れたい筋トレが「BIG3」です。
「BIG3」とは、たったの3種目で全身を効率良く鍛えられるトレーニング。具体的には下記の3種目を指します。
BIG3とは
- ベンチプレス :大胸筋をメインに上半身全体を強化
- スクワット:大臀筋や大腿四頭筋を中心に下半身全体を強化
- デッドリフト:大臀筋や広背筋といった全身の筋肉を強化
上記の通り、細マッチョが重点的に強化しておきたい筋肉を3メニューで網羅。
これに定期的な腹筋運動を加えれば、必要な運動はすべてカバーできます。
細マッチョを目指すには、なにより運動を続けていくことが大切です。
続けやすいトレーニングメニューを選び、モチベーションを保ちながら細マッチョを目指していきましょう。
BIG3のさらに詳しいメリットや具体的なフォーム、やり方については、以下の記事をあわせてご覧下さい。
体脂肪率とBMIを常に管理する
効率よく細マッチョを目指すには、やはり数値管理がマスト。
体脂肪率やBMIの数値は、毎日決まった時間に計測して記録をつけていくことをおすすめします。
毎朝パウダールームの鏡を眺めるだけでは、本当に細マッチョに近づいているのか確信が持てません。
「なんとなく筋肉がついてきた気がする」というだけでモチベーションを保つのは至難の技ですよね。
さらに現在の体脂肪率がわからなければ、とりいれるべき正しい有酸素運動の種目もわからないでしょう。
ちなみに「細マッチョを目指す」という目的で体組成計を選ぶには、おさえておきたいポイントは下記の2つ。
ポイント
- 細かい部位ごとの筋肉量を測れる
- スマホと連携して数値管理できる
部位ごとに筋肉量を測れると「左腕の筋肉が少ないから、左腕だけダンベルカールを20回追加しよう」といったメニュー改善に繋げられるでしょう。
例えば右利きの人は、右腕と比べて左腕の筋肉が少なくなりがち。
細マッチョ体型を目指すなら、筋肉のバランスも意識したいところですよね。
また、専用スマホアプリに連携させて管理できるなら、毎日の数値の推移を簡単に確認できます。
「1ヶ月で体脂肪が1%ずつ減っている。今は18%だから、3ヶ月後には15%の細マッチョ体型になれるな」と、努力が実る時期を具体的にイメージできるのもモチベーション管理に必要な要素。
体組成計に関するもっと具体的な内容を知りたい場合、下記の記事もあわせてご覧下さい。
食事の栄養バランスを管理し、朝食はかならず摂る
筋肉の量を減らさずに体脂肪を落としていくためには、食事管理が必須。
具体的にはオーバーカロリーにならないようにしながら、適切な量の炭水化物・タンパク質・脂質を摂取していく必要があります。
特に大切なのは、タンパク質を多く含む食品を食べること。
具体的には、下記の食品がおすすめです。
タンパク質を摂取できるおすすめの食品
- 脂身のない牛肉や豚肉
- 皮の無い鶏肉
- 卵
- イワシ
- サケ
上記の食品は良質なタンパク質の摂取につながるアミノ酸スコアが100の食品群です。筋肉の成長に欠かせない存在となるでしょう。
ちなみに、朝ご飯を食べることで効率よく痩せることができます。
じつは基礎代謝におけるエネルギー消費の7割を占めるのが、内臓代謝と呼ばれる「食事の消化運動」。
効率良く細マッチョになるために、ぜひ朝食を摂る習慣を身につけましょう。
ちなみに朝ごはんとして食べるのは、タンパク質の多い茹で卵や鮭の切り身がおすすめです。
「もっと詳しく食事管理について知りたい」という場合は、ぜひ下記の関連記事をご覧ください。
ほかにも脂質や炭水化物量とあわせた栄養バランスの計算表や、具体的な食事方法を掲載しています。
プロテインで筋力アップをサポートする
筋トレと有酸素運動の効果を高めるために、食事だけでは足りないタンパク質を補給できる便利アイテムがプロテインです。
タンパク質の摂取目標は意外と多く、3度の食事だけではまかないきれないことがほとんど。
「筋トレ+プロテイン」は、効率のよいボディメイクにおけるゴールデンコンビ。ぜひ取り入れてみて下さい。
プロテインについて詳しい内容は、下記の記事でも解説しています。
体脂肪にあわせた有酸素運動を取り入れて、細マッチョを目指そう
パーソナルトレーナーの奈良さんに教えていただいたことを元に、細マッチョになるための有酸素運動メニューや取り入れ方を解説しました。
教わった内容を一言でいえば「体脂肪率を気にしながら有酸素運動を取り入れるのが、細マッチョへの最短ルート」ということ。
今の体の状態を把握しつつ、もっとも効果的な運動を取り入れていきましょう。
- 体脂肪15%以上の場合は、筋トレ後に有酸素運動を積極的に取り入れる
- 体脂肪15%以下の場合は、体力と筋力アップを優先する
いずれのパターンにせよ「まずは筋肉量を増やしてから脂肪を落とす」という考えが基本。
それを念頭においてトレーニングに励めば、細マッチョになるのはそう遠い未来ではないでしょう。
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